映画「ウエストサイドストーリー」の意外なトリビア

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Mar 20th, 2016

ニューヨークが舞台になった映画「ウエストサイドストーリー」は、アカデミー賞10部門を受賞。半世紀以上前の映画でありながら、迫力のあるダンスシーンやバーンスタインの名曲の数々は、今見ても鮮烈な印象を残します。この名作には、興味深い裏話がありました。

主役は他の有名俳優が想定されていた

マリア役には、オードリー・ヘプバーンがオファーされていましたが、妊娠中だったため断っています。

ロバート・ワイズ監督は、当初トニー役は、エルビス・プレスリーを考えていたそうです。

最終的には、ナタリー・ウッド(Natalie Wood)とリチャード・ベイマー(Richard Beymer)が選ばれました。

吹き替えなしに歌ったのはこの俳優だけ

主役の二人(ナタリー・ウッドとリチャード・ベイマー)の歌は吹き替えでしたが、ジョージ・チャキリスは本人が歌い踊っています。

迫力のあるダンスシーン撮影の裏話

⚫︎振付家のジェローム・ロビンス監督は、映画撮影3か月前からダンスのリハーサルを行いました。撮影が始まると、振付は何度も修正され、何度も激しく踊らされるうちに、ほとんどのダンサーは負傷したそうです。

⚫︎エリオット・フェルト(ベイビー・ジョン役)は、「クール」の過酷な撮影中、肺炎になり倒れて入院。

【West Side Story (9/10) Movie CLIP – Cool (1961) HD Movieclips】

始まりのシーンで、ジェッツは二人の男の子からバスケットボールを奪い取り遊んだ後、立ち去る前に黒いシャツの男の子にボールを返します。ボールを受け取った男の子役はクリストファー・カルキン、『ホーム・アローン』に主演したマコーレー・カルキンの実の父親です。見ていると、顔と雰囲気が似ています。

【West Side Story – Prologue – Official Full Number – 50th Anniversary (HD) DanceOn】

実在したギャング・グループ

「ジェッツ」と「シャークス」は、架空のギャング名ですが、1944-1954年に「ジョーカース」(アイルランド人とイタリア人)と「スポーツマン」(アフリカ系アメリカ人)というギャングが実在しました。悪名高い「スポーツマン」は、自転車に乗ることで有名でした。West 67th Streetあたりで、深夜うろついているギャングたちを、警察は68th Streetで見張っていたそうです。

異なった2か所の撮影地が編集されたオープニング・シーン

始まりのシーンでは、異なったニューヨークの2か所の撮影地が、同じ場所として編集されています。

(1) ストリートのシーン
West 68th Street between Amsterdam Avenue and West End Avenue (Street Scenes).

現在は、アパートになっています。

(2) バスケットコートのシーン
East 110th Street between 2nd Avenue and 3rd Avenue (School Playground).

現在は小学校のグラウンド。

映画「ウエストサイドストーリー」の意外なトリビア
(C) Sara Aoyama

バスケットボールのコートは残っています。

映画「ウエストサイドストーリー」の意外なトリビア
(C) Sara Aoyama

ダンス映画の最高峰「ウエストサイドストーリー」のトリビア、いかがでしたでしょうか。ニューヨークを舞台にした映画は多いのですが、この映画のスピード感とクールさは、やはりニューヨークに似合っていると思います。

West Side Story Trivia

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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