京都で桜の名所というと、平安神宮や円山公園、平野神社などが思い浮かびますが、正直どこも人でごった返していて桜どころではありません。
元住民としては、「もっとゆっくり桜を堪能できる場所があるのに・・・」と思ってしまいます。それは、疎水沿いです。
地元住民に愛される北白川疎水
哲学の道から北白川を北上し、高野川近くまでの3キロ弱の行程。それが北白川疎水です。
哲学の道は、特に桜の時期は芋を洗うような大混雑ですが、国道101号線沿いの疎水付近はなぜか静か。国道を離れてぐいっと住宅街のほうへ右折すると、人通りはさらに少なくなります。車が入ってこないような入り組んだ道なので、騒音も聞こえません。
桜の時期は、車いすに乗ったおばあちゃん、小さい子の手を引くお母さん、自転車に乗った大学生など、老若男女が立ち止まって花に見とれている姿を見かけます。地元の人に愛されている散歩道です。
南(哲学の道)をスタート地点にするなら:市バス「銀閣寺道」バス停下車
北(高野川)をスタート地点にするなら:市バス「高野」バス停下車
駒井家住宅の前の枝垂桜も見事。
さらに穴場の松ヶ崎疎水
白川疎水の終着点、高野川を西に超えてちょっと北上すると行き当たるのが、松ヶ崎疎水。東西に走る、約1.5キロの散歩道です。
こちらは白川疎水よりさらに穴場で、桜が満開の時期でさえ地元住民以外の姿はほぼ見かけません。穏やかな空気に包まれて、見事な桜を楽しむことができます。
実際の桜と水面に映る桜、どちらも美しい。
東(高野川方面)をスタート地点にするなら:京都バス「高野橋西詰」バス停下車
西(鴨川方面)をスタート地点にするなら:市バス「府立大学前」バス停下車
●ル・プティ・プランス
疎水沿いに建つ老舗フレンチビストロ。地元の人が通うアットホームなお店。
●美玉屋
名物黒みつだんごは一度食べるととりこになる美味しさ。やっぱり花より団子でしょう。
京の桜はいつが見頃?
日本気象株式会社の発表によると、2016年、京都の桜の開花は3月26日頃、満開になるのは4月3日頃とのことです。
ただ、北白川疎水と松ヶ崎疎水は京都市内の中でも北の方に位置するので、市街地よりも開花は気持ち遅め。「大変、平安神宮はもう満開になっている!」と思っても、こちらの満開までにはほんの少し余裕があるかもしれません。
本当は教えたくない穴場スポットでしたが・・・今年の春はぜひ疎水散歩へ出かけてみてください。
[All Photos by Misako Treutel]