ハーブや花々など、自然に恵まれたプロバンス地方。南東部の湾岸都市「マルセイユ」は古くから石鹸作りに定評があります。それでは早速、マルセイユ石鹸の魅力を探る旅に出かけてみましょう。
もともとは中東の石鹸作りがモデル? マルセイユ石鹸小話
マルセイユで石鹸作りが盛んになったのは16世紀のこと。十字軍が遠征先の中東から戻ってきた際に、中東で作られていた上質な石鹸を現地の素材を使って再現しようとしたことや、プロバンス地方はオリーブオイルやカマルグ産の塩、炭酸ソーダといった良質な石鹸の原料の産地だったことから、石鹸作りが盛んになったそうです。石鹸工場がまず最初に作られたのがマルセイユだったこともあり、マルセイユ石鹸の名が広がることに。

(C) sweetsholic
マルセイユ石鹸のクオリティを保つために、17世紀に入ると使うオイルやソーダの種類などが定められましたが、何度か変更が繰り返され、現在はマルセイユ石鹸の老舗4社で結成している組合により「オリーブオイルなどの植物性オイルを72%配合」「防腐剤や添加物、香料不使用」「形はキューブ状、直方体、楕円形、フレーク状」「緑色またはベージュ」さらに5つの工程から成る石鹸作りの製法も定められています。余計なものを一切含まないから、とてもナチュラルで肌に優しい石鹸なのです。
それでは早速、工場を見学してみましょう!
センスのよいグラフィティが目を引く、マルセイユ市内の「ジュリエン(Julien)」地区の「Savonnerie Marseillaise de la Licorne」という工場併設の石鹸ショップを訪れてみました。このショップでは定休日を除く毎日11時・15時・16時の3回、一般客を併設の工場を見学させてくれるサービスを行っています。予約の必要がないので、ジュリエン周辺をまわった際に気軽に訪れられるのも魅力。

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100年以上前から使われているという機械を使い、不純物を取り除いて作った石鹸のもとを成形する工程を見学しました。手のひらサイズの塊だった石鹸のもとが、白いシート状に!

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続いて精油を使った香料を混ぜ合わせていきます。見学した当日は、香料を使ったマルセイユ石鹸の製造をしていました。

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機械にかけて再びシート状に。

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これを最終的に石鹸を形作る大きな機械にかけて、チューブ状の形に。扱える硬さになったら切り分け、72%の刻印を押して完成! 石鹸作りはの作業はすべて、職人さんたちが手作業で行っていました。

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併設ショップでお買い物
見学後はお待ちかねのお買い物! 72%の刻印がなくても、こちらのお店で扱っている石鹸はすべて植物性オイル100%だそうです。

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以前ご紹介したマルセイユ名物の食前酒「パスティス」とのセットもありました。これぞまさにマルセイユ土産!

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ラベンダーやローズマリー、シトロネルなどの精油で香り付けしたものや、可愛らしい形のものも揃います。厳密には精油であっても香料は不使用なのがマルセイユ石鹸とのことですが、ナチュラルな香りとキレイな色合いです。

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手が込んでいるからさぞかしお高いのかと思いきや、マルセイユ石鹸は意外とリーズナブル。今回訪れたお店以外にも、マルセイユ石鹸の老舗「マリウス・ファーブル(Marius Fabre)」「ル・セライユ(Savons Le Serail)」「ル・フェール・ア・シュヴァール(Savonnerie Le Fer à Cheval)」などの専門店や、取り扱いのあるフランス国内のストアで購入することができます。
マリウス・ファーブルやル・セライユの石鹸は、国内では楽天などの通販サイトからマルセイユ石鹸が購入できるので、気になる方は、その優しい使い心地を体験してみてくださいね!
[label-savon-de-marseille]
[decouvrir-marseille.marseille.fr]
[marseille-tourisme.com]

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