旅好きにとって、限られた休暇の期間しか旅行ができないのは悲しいもの。できることなら「旅を仕事にしたい」と思う人も少なくないのではないでしょうか。そこで、旅をしながら働ける8つの職業をご紹介します。
ツアーコンダクター(添乗員)
ツアーコンダクター(添乗員)は旅を仕事とする職業のなかで、最も身近な存在ではないでしょうか。お客様が無事に旅行を楽しめるように手配するという責任が伴うので、神経をつかいますし、何かトラブルがあれば寝る間を惜しんで対応にあたらなければならないこともあり、単に旅行が好きというだけでは務まらないかもしれません。
旅が好きというだけではなく、「たくさんの人に旅行を楽しんでもらうお手伝いをしたい」、「旅の楽しさを伝えたい」という人には向いているといえるでしょう。
クルーズ船員
客室やレストラン、ショップなどが備わった世界を旅するクルーズ客船で働く仕事。受付業務から清掃、ウエイター、調理、販売、イベントの企画運営など、幅広い職種があります。
3~4か月連続で乗船した後、帰国し1~2か月連続休暇といった独特の勤務スケジュールのため、体力が問われます。船上生活は楽ではありませんが、寄港先で勤務がないときは外出することも可能ですし、場合によっては寄港先でお客様の観光の引率をすることもあります。
体力的にはきつい業務ですが、世界を股にかけるダイナミズムが感じられる仕事といえるのではないでしょうか。
パイロット・キャビンアテンダント
「世界を飛び回る仕事」と聞いて真っ先にイメージするのが国際線のパイロットやキャビンアテンダント。不規則な勤務スケジュール、乗客の安全を守る責任感と、体力的にも精神的にも楽な仕事ではありません。
目的地に着いても体調を整えるのが優先で、のんびり観光をしている時間なんてあまりないというのが実情のようですが、これほど世界のさまざまな場所を見られる職業というのもあまりないのではないでしょうか。
外資系の航空会社に勤務する場合は、拠点となる居住地自体が外国になるケースもあるので、海外で暮らしてみたいという方も注目です。
バイヤー
世界各地から売り出したい商品を買い付けてくるバイヤー。一口に「バイヤー」といっても扱う商品や働き方はさまざまで、すべてのバイヤーに海外に行くチャンスがあるというわけではありません。
しかし、百貨店やセレクトショップで、海外のブランドや商品を取り扱う部門の担当バイヤーになれば、視察や商品調達のために海外に行ける可能性は高くなります。
また、企業に雇われることなく、自ら輸入雑貨のショップをもち、旅先で買い付けてきた商品を売るという方法もあります。
デザイナー
デザイナーというと、特別な才能がなければ務まらないように感じるかもしれませんが、自ら作ったアクセサリーなどを海外で売ることを仕事にしている人もいます。
また、コンピューターグラフィックデザインなど、パソコン一台でできる仕事の場合は、各国を旅しながら、いわゆる「ノマドワーカー」として働くことも可能です。
特に、海外で受け入れられる、日本らしさを生かしたデザインが生み出せる人や、場所を問わず仕事ができるデザイナーは、旅をしながらでも働きやすいといえます。
カメラマン
世界各地の風景や人々の写真を撮って生計を立てるカメラマン。プロとしてカメラマン一本で生活するのは容易ではありませんが、近年は、ストックフォトサイトなどで、アマチュアカメラマンでも自分の写真を気軽に売ることができるようになりました。
それ以外の収入源を確保しておくことが必要にはなりますが、写真好き、旅好きであれば、自分の撮った写真がお金になるのは嬉しいことですね。
旅行作家・ライター
自分の体験に基づく旅行記や観光情報などを、書籍やウェブサイト上で発信するのが旅行作家や旅行ライター。
ライターの場合は、フリーライターと、企業に雇用される専属ライターとに分かれます。特定の企業に所属ぜす、旅行サイトに記事を寄稿して生計を立てている筆者は、フリーの旅行ライター。ドイツを拠点に各地を旅し、旅行体験やおすすめの旅先などを紹介しています。
これといった実績なしに書籍を出版するのは極めて困難ですが、webサイト上での執筆なら、一定の能力があれば未経験者にも比較的門戸が開かれています。ただし、駆け出しのころはライター収入だけで食べていくのは容易ではないことを覚悟する必要があります。
旅行ブロガー
自分のブログ上で、自らの旅行体験や観光情報を紹介するのが旅行ブロガーです。仕事内容は旅行作家やライターと似ていますが、ブログの特徴は仕事の受注元なしに自分一人で始めることができるということ。
もちろんブログの収益だけで生活していくのは至難のわざですし、一定の収益が確保できるようになるまでには時間がかかります。ブログの収入だけで食べている人がいるのも事実で、完全に夢物語というわけではありませんが、ほかの収入源も確保しながら、長期的視点で続けていくことが大切です。
旅をしながら働ける8つの職業、いかがでしたか。実際には、ライターとカメラマンなど、複数の収入源を持っている人も少なくありません。
「旅を仕事に」なんて、夢のように聞こえますが、案外不可能ではありません。「叶えたい!」という気持ちがあれば、実現する方法はあるのです。
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