フランス人に関するさまざまな噂
フランス人に関する良い噂ですと、「芸術性が高い」、「洗練されている」、「倹約家である」などでしょうか? 確かにパリにはルーブル美術館などがあり、フランス人はアートに関しては感度が高そうです。またフランスブランドは高価なものが多いのですが、そのぶん洗練されたデザインで年齢問わず身に付けることができる印象。そしてフランス人は勝手なイメージですがおしゃれ上手な気がします。少ない枚数の服をうまくまわして着こなしていそうです。
また悪い噂ですと、「ケチでプライドが高い」、「たとえ英語ができたとしても、フランス語を話す」、とよく耳にします。
しかし、そんなフランス人に関するさまざまな噂を耳にしていたものの、フランス人と直接接する機会がほとんどなく、噂が本当なのかどうか確かめることができませんでした。
ですが、友人とロンドンを訪れたとき、フランス人のある噂が本当だったと知ることになるのです。
ロンドンで体験した出来事とは?
筆者がロンドンを訪れたのは、1月1日の元旦でした。この頃、ロンドンではセールを行っていて、日本ではあまり見かけませんが一流ブランドも30パーセントオフ〜半額でセールしていました。
そこで友人とせっかくはるばるロンドンまで来たのだから、セールで一流のものを自分用のお土産として購入しようという話になり、翌日の1月2日にさっそくショッピングに出かけることに・・・。
ピカデリーサーカス駅から数分歩いた場所にある「オールド・ボンド・ストリート」でショッピングをスタートした友人と筆者。プラダ、ルイ・ヴィトン、ティファニーなど、気になるブランド店をまずはウィンドウショッピング。自分用の奮発したお土産購入ということで、気合いを入れてブランド小物を見ていました。
そんなとき、友人が「ディオールないよね? アクセサリー欲しい」と言い始めたのです。そこでクリスチャン・ディオールのショップを二人で探すことに・・・。しかし、15分ほど探し回ってもディオールの路面店が見つからず、仕方ないので、道行く人にクリスチャン・ディオールのショップの場所を拙い英語で聞くことにしました。
しかし、当時はどの人に聞いても「ハロッズにあるかも」、「ごめんなさい。わからない」という答えで、路面店の場所は不明でした。一度探し始めたら、どうしても見つけたいという気持ちになった筆者たちは、それでも諦めずに、道行く人にひたすらディオールのショップの場所を聞きました。
前からモデルのような女性が歩いてきて
いよいよ疲れ始めた時、前から長身のファッショナブルなモデルのような女性が歩いてきました! あの人なら知っているに違いないと確信し、すかさずその人に歩み寄り「Excuse me.Where is Christian Dior shop?」と、なんとも単純な英語で聞いたところ、その女性はフランス人でした。
おそらく中学生レベルのとっても簡単な英語は通じていたと思います。ですが、その女性が発した言葉に仰天。すべてフランス語で返事をしてきたのです! しかも雰囲気から察するに、ゆっくりとわかりやすく、丁寧にフランス語で答えてくれました。そのため途中で「フランス語はわからない。英語で話してもらえますか?」とは言えず、わかったふりをしてやり過ごすことに・・・(笑)。
その女性にはとりあえずお礼を言い、彼女が去った後、友人と顔を見合わせて「フランス人ってやっぱりフランス語しか話さないんだね」と話した記憶があります。
友人のフランスでの体験
筆者の友人が新婚旅行でヨーロッパを巡った時、パリでの観光にタクシーを使用することにしたそう。その時、行き先を英語で告げると、タクシーの運転手はフランス語で返事をしたとか。
しかし、その友人は国際人で英語が堪能なこともあり、転んでもただでは起きません。タクシーの運転手からフランス語で返事をされたことが悔しかったそうで、レストランでの注文時は知っている限りのフランス語で話したそう。
しかし、フランス語をいきなり話すのは難しく、「C’est bon?(美味しいですか?)」とメニューを指して聞こうとしたところ、「bon?(良い)」とだけ言ってしまい、フランス人ウェイターから笑われたそう(笑)。
やはりフランス人はフランス語に対してプライドを持っているのかもしれませんね。ですが、間違ったフランス語をこちらが使ったとしても笑いで受け止めてくれる寛容さがありそうです。
パリ在住のTABIZINEライター北川さんに聞いてみたところ・・・
一昔前までは「フランス人は英語が話せても、フランス語でしか返さない」という風に言われていたそう。しかし、フランス人は、ヨーロッパの中でも、北欧やドイツに比べて、英語が話せない人が多いので有名なのだとか。
現在はショップの店員さんなど観光客と接する職業に就いている方は、こちらが外国人だとわかると、英語で話しかけてくれるとのこと。フランス人も日本人同様に国際社会の中で英語を話せないことに危機感を抱いているそうですよ。
また、TABIZINEライターの北川さんがフランスに来た当初、パリの駅で迷っていると、ご年配の女性が「どうしたの?」と助けてくれて、探していた切符売り場まで連れていってくれたことがあったとのこと。その方はフランス語しか話せなかったそうですが、非常に親切な印象だったそうです。
以上のことから、「フランス人はフランス語しか話さない?」は就いている職業や年齢によるという結論に達しました。
筆者がロンドンで出会ったフランス人も、もしかしたら英語が得意ではない親切なフランス人だったのかもしれませんね。
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