「成熟した大人たちは自分の年齢が最も幸せと感じている」
イギリスのオンライン新聞「インディペンデント」が、ファイナンスサービスが実施した調査の結果としてこのように報道しました。さて、その内容が気になります。
50歳以上が人生で一番幸せ!
この調査はイギリス人を対象ともの。そして、50代の大人たちが、新しい趣味に没頭し始めたり、旅行に出かけたり、さらには性生活においても満足度が高い世代だといいます。さらに、50代以上の人々の平均値として次のような結果も報告されています。
• 自分自身が肉体的に実年齢より4歳若く、精神年齢では10歳若いと感じている。
• 77歳まで老いを感じることはないと予想していて、84歳までは生きると思っている。
さらに、実際の生活について調べると、
• 5人に一人が新しい言語を習うための旅行を計画している。
• 10人に一人が楽器を習うことに興味がある。
という結果。元気な熟年世代の姿が想像できます。
日本人の幸福度は、成熟した大人になるとどうなる?
日本での幸福度の調査、2008年に内閣府が詳細に調査し消費者庁が分析したものがあります。その中にも、年齢と幸福度に関する項目がありました。消費者庁のレポートによると、諸外国における調査では、年齢と幸福の間にU字型の関係があるとの結果が出ているものが多いそうです。若者と高齢者が比較的幸福だというものです。
ところが、日本ではL字型になっているとのこと。つまり、年齢を重ねても幸福度が回復していかないんです。65歳くらいまで、下がり続けてそのあとはそのままといった結果です。世界的に見ても特異だそうです。長期的な日本経済の低迷、老後に対する不安など、様々な理由が想像できます。
日本人では40代男性の幸福度が最低
2012年に発表された第一生命の調査では、男女差に興味深い結果がありました。女性は、60代になるまで男性よりも幸福度が高く、その後は逆転して男性が右肩上がり、女性が右肩下がりになります。若いころは女性がハッピーで、年を取ると男性がハッピーになるということですね。
一方、40代の男性は、性別・年代を通して最も幸福度が低いんです。消費者庁のレポートでは、「熟年層に入るころには、自分の人生がある程度定まってくるので、人々は若いころ持っていた野心を実現することをあきらめざるを得ないから幸福度が下がる」と説明しています。男性のほうが野心家が多いと考えれば、なるほどです。
職業の違いは?災害や病気などを経験していると?
職業の違いは幸福度に関係がないそうです。そして、災害や病気なども無関係でした。どんな仕事でも苦労することもあれば、やりがいを感じることもあると思います。また、災害や病気などは、避けるのが難しい要因ということであれば、運命として受け入れるしかないのかもしれません。
幸せの感じ方は人それぞれ!
とはいえ、調査は過去の事実。これからの幸福は自分で手に入れなければ! 後悔しない人生を歩んで、結果にかかわらずすがすがしく、幸福を感じることができたら、その都度納得できるのではないかなと思いました。自分にとっての幸せが何かなと、考えさせてくれるいい機会になりました。
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