(c) Olivier Alexandre-Short Edition
駅での乗り継ぎ電車待ち時間や、カフェでの友人との待ち合わせ。現代の私たちは、そんなちょっとした待ち時間をスマホでつぶしがちですね。携帯ゲームやネットサーフィンも楽しいですが、外国へ旅行に行った時くらいは少しいつもと違う時間のつぶし方をしてみませんか? そんな時にぴったりのこんな「自動販売機」をご紹介したいと思います。
レシート状の紙で読む超短編小説
(c) Olivier Alexandre-Short Edition
それが、この「Short Edition」と名付けられたマシーン。なんとこの機械、実は超短編小説や詩などの文学をプリントアウトできる自動販売機なのです。
(c) Olivier Alexandre-Short Edition
マシーンには「1分」「3分」「5分」と書かれたボタンが3つ付いています。これは、それくらいの時間で読める文学を選べるボタンなんです。
(c) Olivier Alexandre-Short Edition
すると、このようなレシート状の紙がプリントアウトされてきます。この紙に、超短編小説がプリントされているのです。おもしろいですね!
そして、ここまで便宜的に「自動販売機」と書きましたが、実はこの「Short Edition」の文学はすべて無料。ユーザーはお金を払わずに短編小説を読むことができるのです。
世界中で愛されている「Short Edition」
(c) Olivier Alexandre-Short Edition
この「Short Edition」は、2011年でフランスから始まったサービス。それ以来、1万4500人以上の作家が執筆に参加し、1200万編もの小説や詩が「Short Edition」のために創作されたのだそう。ものすごい量ですね!
今ではこの「Short Edition」のマシーンを設置してくれる代理店は123か所にもなり、主にフランスの鉄道(SNCF)や地下鉄の駅、空港や病院にまで置かれるようになっているのだとか。確かに待ち時間を持て余しそうな場所ばかり。 そんな時にこのマシーンが近くにあれば、時間もつぶせるし文学に触れることで待ち時間のイライラも軽減しそうです。
そしてその人気はフランス国内にとどまらず、アメリカのペンシルベニア州立大学でも設置が完了したのだとか。そしてTABIZINEの取材に対し、「近いうちに香港大学にも置かれる予定」と教えてくれました。アジア進出も果たすとは、すばらしいですね。
しかし、筆者が一番驚いたのは、アメリカのとあるカフェに「Short Edition」が設置されたという情報。実はそのカフェは、ただのカフェじゃないんです。
「ゴッドファーザー」の監督も愛する「Short Edition」
(c) youtube / Short Edition
実はそこは、映画「ゴッドファーザー」などの監督として知られるフランシス・フォード・コッポラ氏が経営する「Cafe Zoetrope」というイタリアン・カフェだったのです!
このマシーンの噂を聞いたコッポラ監督は、わざわざアメリカからフランスまで足を運び、パリで現物を試した上でぜひ自分のお店に導入しようと決めたのだとか。
(c) Olivier Alexandre-Short Edition
もしコッポラ監督のカフェのような場所でこのマシーンを使えたら、短編が書かれた紙は旅の大事な記念になりますね。お土産にしても喜ばれるかもしれません。
(c) Olivier Alexandre-Short Edition
読書量が少なくなったといわれる現代人ですが、このマシーンとの出合いが読書愛に目覚めるきっかけになるかもしれません。もし旅先で見かけたら、筆者もぜひトライしてみたいと思います。
[Photos by Shutterstock.com]
[Short Edition]
[Short Edition: A Short Story Vending Machine that Prints Free Stories On-Demand]
[Cafe Zoetrope]