イギリスのトーストと言えばマーマレードのイメージ。ロンドンのFortnum & Masonでは、伝統的な製法にのっとった手作りのものが28種類も店頭に並んでいるとか! パディントンもシャーロック・ホームズも大好物のマーマレードですが、最近若い人からの人気がなくなっていると聞き、調べてみました。
一般的なイギリスの朝食は
イングリッシュブレックファーストが有名なイギリスですが、ふだんの朝食はトーストやシリアルが一般的。実際筆者のいくつかのホームステイ先では、各種甘くないパンにいちご、ブルーベリーなどのジャムなどが添えられ、数種のカリカリのシリアルと選択式になっていました。フルーツやヨーグルトもありました。ポリッジ(牛乳がゆ)やスムージーを摂るホストも。飲み物は、紅茶よりコーヒーを好む人が多い印象です。
極上の手作りマーマレード
あるフランス贔屓の夫妻は、朝は奥さん手作りのマーマレードを塗ったトーストにフルーツ、そしてカフェオレを飲んでいました。朝目覚めると、旦那さんが紅茶を入れてベッドまでもってきてくれるそうなので、一日の始まりは紅茶ですが。
筆者はこのトーストを食べるのが毎朝楽しみでした。欧州には珍しく甘さが極力控えめ。そのほろ苦い仕上がりのマーマレードは、「この時期(1月)しか手に入らないスペインのオレンジで作っているの」と奥さん。オレンジ選びの達人である彼女は、贔屓のマーケットでセヴィルオレンジを手に入れて、マーケットの店主に教わったやり方で何種かのオレンジを組み合わせて作っているそう。
日本人が6月に梅酒をつくるように、イギリス人はこのオレンジで1月にマーマレードをつくります。今年12回を迎えたナショナルマーマレードフェスティバルでは世界中からホームメイドのものが2000点集まり、味を競うそうです。
王道だったマーマレード
300年以上前に生まれ、19世紀から200年に渡ってイギリスの朝食の王者だったマーマレード。しかし現在マーマレードトーストを食べる一般家庭は意外にも7%のみ。40年前は36%でした。
データによると、28歳以下の購入者は1%、60%以上が65歳以上です。年配の方の支持が主なせいか、売上げは2013年から4年間で4.7%も減っています。
子どもたちには、その苦みや皮の歯ごたえが敬遠されているそうです。彼らはピーナッツバターやチョコレートなどなめらかな舌触りとアメリカンな味覚を好むそう。またピーナッツバターは今や健康食と見なされていて、18.9%も一年間に売上げを伸ばしています。
ちなみに日本人の好むスプレッドは、あるアンケートによると、マーガリン、ジャム、バターだそう。その次にマーマレード。イギリスと違い30代以下にはチョコレートよりは人気のようですが、やはり60代以上の支持が圧倒的のようです。
マーマレードは世界的に危機と言えるのかもしれません。
[EXPRESS]
[The Telegraph]
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