デンマークの首都コペンハーゲンは、重厚感ある歴史的建造物と、スタイリッシュな現代建築が混じりあう、新旧が融合した街並みが魅力。狭い範囲に数々の宮殿や教会、博物館などの見どころがぎっしり詰まった光景には、誰もが感激せずにはいられません。
そんな北欧屈指の大都市・コペンハーゲンでしたい8つのことをご紹介します。
ニューハウンでメルヘン気分に浸る
コペンハーゲンのアイコン的存在が、「ニューハウン」と呼ばれるカラフルな建物が並ぶ運河沿いの地区。かつては船乗りたちの酒場として栄えたエリアで、運河に沿って黄色や赤、青、緑といった色とりどりの木造家屋が並ぶ風景は、おとぎの国さながら。
ただ歩くだけでも心躍りますが、アイスクリームを食べ歩いたり、レストランで食事をしたりすれば、よりいっそうメルヘンな気分に浸ることができます。
チボリ公園を散策する
(C) Haruna Akamatsu
1843年に開業した世界に名だたる老舗遊園地、チボリ公園。当時のデンマーク国王・クリスチャン8世の臣下であった、ゲオー・カーステンセンの「階級の別なく楽しめる娯楽施設を造ろう」との思いから生まれたテーマパークで、かのウォルト・ディズニーが参考にしたことでも知られています。
(C) Haruna Akamatsu
アトラクションを利用せずとも、ヨーロッパ、アジア、中東など、テーマに合わせてゾーン分けされた園内を歩くだけで、世界旅行気分が味わえます。
さらには、食べ歩き用スナックから本格レストランにいたるまで、多彩なグルメや、おしゃれなデザイン雑貨のショッピング、無料コンサートなどの楽しみも充実。コペンハーゲンっ子の「心のふるさと」として愛されるチボリ公園は、誰もがときめく、レトロな魅力たっぷりの遊園地です。
人魚の像と対面する
おとぎの国・デンマークの象徴が、アンデルセンの「人魚姫」を思い起こさせる人魚の像。王立劇場で上演されていたバレエ「人魚姫」を観たカールスベア2代目社長、カール・ヤコブセンの発案により、1913年に制作されました。
「世界3大がっかり名所」として知られる人魚像ですが、コペンハーゲンに来て人魚像を見ないと、何かやり残したことがあるような、すっきりしない感じがするというもの。
評判通り、全長80センチという小さな像ではありますが、これまでに首を切り落とされたり、腕をもぎ取られたり、爆破されたりといった悲劇に見舞われてきた人魚像の悲しげな表情は一見の価値あり。
近くにあるカステレット要塞やデザイン博物館デンマークと合わせて観光したり、人魚像を見た後に、運河ツアーや水上バスでクルーズを楽しんだりすれば、さらに満足感が高まるはずです。
ストロイエでショッピング三昧
(C) Haruna Akamatsu
北欧を代表するショッピングストリートが、「ストロイエ」と呼ばれるコペンハーゲンの目抜き通り。市庁舎広場と、コンゲンス・ニュートーゥを結ぶ4つの通りと、3つの広場から構成された歩行者天国で、高級ブランドからファストファッションまで、多種多様なショップが勢ぞろい。
(C) Haruna Akamatsu
「ロイヤル・コペンハーゲン」の本店や、「レゴ・ストア」、北欧デザインの家具や雑貨を扱うデパート「イルムス・ボーリフス」、ポップなプチプラ雑貨で人気の「フライングタイガー・コペンハーゲン」など、デザイン王国・デンマークならではの誘惑が目白押しです。
アメリエンボー宮殿の衛兵交代式を見る
コペンハーゲンで観光客に大人気のイベントが、アメリエンボー宮殿で行われる衛兵の交代式。アメリエンボー宮殿は、マーグレーテ女王が暮らす現役の王宮で、宮殿の屋根にデンマーク国旗がはためいていたら、女王在宮のしるしです。
名高い衛兵交代式は毎日正午から。クマの毛皮の独特の帽子をかぶった衛兵たちが披露する、一糸乱れぬ動きは見事で、王国・デンマークに来たことを実感できます。
交代式に出演する衛兵たちは、ローゼンボー離宮から歩いてアメリエンボー離宮に向かうので、途中の行進を見物するのも楽しいですよ。
クリスチャンスボー城で華麗な王室の世界に触れる
コペンハーゲンでも、とりわけ華麗な部屋の数々にお目にかかれる場所が、クリスチャンスボー城。1167年にアブサロン大主教によって築かれたコペンハーゲン発祥の地で、5回におよぶ破壊・再建を経て今にいたります。
(C) Haruna Akamatsu
現在この城は、国会議事堂や女王の謁見の間として使用されており、要人との謁見や晩餐会などに使われる「ロイヤル・レセプションルーム」や、「ロイヤル・キッチン」などを見学することができます。絢爛豪華かつ洗練された空間の数々は、見ているだけで夢心地になるほど。
水上バスに乗って運河をクルーズ
(C) Haruna Akamatsu
バスが発達しているコペンハーゲンでは、「市バスに乗ればどこにでも行ける」といっても過言ではありません。しかも、さすがは水の都。市バスの991、992、993番は運河を走る水上バスなのです。
観光客向けの運河ツアーもありますが、市民の足として誕生しただけあって、水上バスは圧倒的に運賃が手ごろ。道路を走る通常のバスと同じ24クローネのシングルチケットで、「Nordre Toldbod」(人魚像近くの停留所)~「Det Kongelige Bibliotek」(王立図書館前)間に乗車することができます。
コペンハーゲン屈指のモダン建築が集まる運河のクルーズは、新旧が融合するコペンハーゲンの魅力に触れる絶好の機会です。
救世主教会の塔からの絶景を楽しむ
コペンハーゲンきっての絶景スポットが、クリスチャンハウン地区に建つ救世主教会。高さ90メートルの塔の頂上へは、400段以上の階段を上ります。しかも、途中までは屋内の階段を使いますが、塔にたどり着いてからてっぺんまでは、屋外にあるらせん階段を上るのです。
上り下りするあいだも、眼下にはコペンハーゲンの一大パノラマが広がり、疲れも忘れてしまうほど。高所恐怖症の方には刺激が強いかもしれませんが、目もくらむような高さからの眺望は、間違いなく絶景です。
コペンハーゲン旅行には、コペンハーゲン市内と近郊の主要観光施設の入場と、公共交通機関の乗り放題が含まれる観光パス「コペンハーゲン・カード」の利用がおすすめ。今回ご紹介した見どころも、コペンハーゲンカードを提示すれば、すべて追加料金なしで入場できます。
コペンハーゲンカードを活用しながら、過去と現在が交錯する、古くて新しいデンマークの首都を遊び尽くしましょう。
[Photos by shutterstock.com]