先日、眞子さまのご婚約内定のニュースで日本中が盛り上がりましたね。この記事を執筆する直前に見た英語圏のニュースでは、英国のジョージ王子が小学校に初登校するという報道でにぎわっていました。
TABIZINEの過去記事「タイ旅行者は要チェック。国王ご崩御で気をつけたい旅の言動3つ」においては、プミポン・アドゥンヤデート・タイ国王が崩御し、喪に服しているタイの国民に対して、旅行者として注意したい言動を取り上げました。やはり王室のある国に暮らす人々は、自国の王家に関する出来事に極めて関心が高いと分かります。
さて、この王家のある国、世界にいくつあるかご存じでしょうか? 英国、ブータンなどいくつかはすぐに思い浮かぶかと思いますが、米ワシントンポストの電子版によると、世界には26か国存在するそう。選挙で王様を選ぶマレーシアとバチカン市国を含めると、28か国になるのだとか。
英国の王様(女王様)を形式上、国家元首と考える英連邦王国の16か国を加えると全44か国になりますが、こうした現存する王室の中で、最も歴史が長い王家はどこなのでしょう?
なんとなく、英国などのヨーロッパや中東の王室のような気もしてきますが、実は日本の天皇家なのです。
神武天皇を認めるなら紀元前660年から125代続く天皇家が最長!?
今は平成の世の中。天皇陛下の生前退位が議論されていますが、第124代の昭和天皇の第1皇男子である今上天皇は、宮内庁のホームページによると第125代にあたると言います。125代とは、紀元前660年に初代天皇に即位したとされる、神武天皇が実在したと仮定した場合の数字ですね。
もちろん『古事記』と『日本書紀』に書かれた神武天皇に関しては、現代人の視点で見ると「非現実的」な逸話も多く、史料としては認められないという意見もあります。GHQの影響もあって、戦後は特に『古事記』や『日本書紀』の信ぴょう性を否定する人も目立つようになったと言います。
ただ、もし『日本書紀』の神武天皇が実在したとすれば、日本の天皇家は男系継承で125代、2600年以上も続いてきた計算になるのです。この数字は、現在続く王室の中で、世界で最長だと言われています。
信ぴょう性の高い継体(けいたい)天皇から考えても皇室の長さは世界一
「でも、神武天皇は伝説上の話なんでしょ・・・」と思う人も居るかもしれません。確かにその通りですよね。そう考えると男系継承で125代をつないできたと言われる天皇家の中で、第何代からであれば実在したと疑いなく考えられるのでしょうか。
実はこの点にも議論があって、第10代の崇神(すじん)天皇、第15代の応神(おうじん)天皇、第26代の継体(けいたい)天皇と考える人たちに分かれていると言います。
いずれにせよ第26代の継体天皇が存在したという考えは、考古学的にも確実視されているそうですから、仮にこの継体天皇が初代だと考えてみましょう。
継体天皇が在位していた時期は6世紀の前半になるとされています。そうなると21世紀前半の現在において天皇家は15世紀、1,500年間も男系継承されてきたと言えるのですね。
継体天皇から見て1,500年という数字であっても、日本の皇室の歴史の長さは世界の王室の中でも世界一だと言います。
現憲法の第一条では、
<天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって,この地位は,主権の存する日本国民の総意に基づく>(宮内庁のホームページより引用)
とあります。その前の大日本帝国憲法の第一章第三条にも、
<天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス>(大日本帝国憲法より引用)
などと書かれていました。それぞれの憲法は成立の背景も狙いも全く異なりますが、なんであれ日本の憲法の初めには天皇の扱いが語られるという意味が、ちょっと分かる気がしますよね。
以上、日本の天皇家は、世界の王家の中でも最も長い歴史を誇るという話をしましたが、いかがでしたか? こうした視点を踏まえた上で皇族のニュースに接すると、また見方が変わってくるかもしれませんね。
[Meet the world’s other 25 royal families – The Washington Post]
[皇室 – 宮内庁]
[天皇系図 – 宮内庁]
[男系継承によってしか万世一系の皇統は護れない! – 平沼赳夫]
[東洋経済ONLINE]
[大日本帝国憲法 – 国立国会図書館]
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