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日本の森林率は先進国の中で世界第3位だって知ってた?【日本の不思議】

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Oct 28th, 2017.
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日本と海外の文化ギャップは、TABIZINEでも長く人気を誇るテーマ。そのギャップを楽しめるのは、日本という国の独特の文化や風土あってこそです。そこで今回は、日本発祥の世界で愛されるもの、実は日本が世界一という意外なトピック、日本独特の興味深い文化などなど、知られざる日本の面白い部分を「日本の不思議」と題し特集したいと思います!

世界銀行(World Bank Group)によると、過去20年以上にわたって地球の森林率は減少し続けているのだとか。森林率とは、土地の面積に対する森林の割合で、2015年の段階で地球にある地上の30.825%が森林なのだと言います。

1990年の数字を見ると、31.801%。数字そのものは1%の減少にすぎませんが、地球規模の1%ですから、かなりの面積の森林が減っていると分かります。

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】

ただこの森林率、世界的に減少が進む中で、日本は過去20年以上かなり高い数値を維持しているとご存知ですか? 先進国に限ってみれば、世界で3番目に森林率が高い国なのだとか。そこで今回は日本の不思議シリーズとして、森林率の高さについて紹介したいと思います。

 


先進諸国の中で日本は3位

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】
知床の森

世界銀行によれば、日本の森林率は2015年の段階で68.5%。世界の平均と比べると、かなり高い数値だと分かりますよね。

世界の中には国土に森林が一切存在しない0%の国も、カタール、グリーンランド、サンマリノ、ナウル、ジブラルタルなど6か国存在します。エジプト、リビアなど、森林率が0.1%とほぼ存在しないような国もある中で、日本は68.5%です。なかなかの数字ですよね。

確かに筆者も大学生のころ、青春18きっぷで日本中を旅したとき、「日本には森しかない・・・」と思った記憶があります。日本は深い森を持つ森林大国なのですね。

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】
フィンランドの森

森林率68.5%を先進諸国の中で比べると、フィンランドの73.1%、スウェーデンの68.9%に次いで、世界で3番目に高い数字になります。フィンランドやスウェーデンと言えば、針葉樹の森(タイガ)が有名な国々。手元にある『MAPS 新・世界図絵』(徳間書店)のフィンランドのページを見ても、

<フィンランドの面積の大半は森林>(MAPS 新・世界図絵より引用)

とあります。そのフィンランドに肉薄するくらい、日本も森が豊かだと言えます。同じ先進諸国でも米国は33.9%、フランスは31.0%、オーストラリアは16.2%です。単純な森林の広さではなく、国土の広さを考慮した森林率で比べると、日本は世界でも上位のグループに居ると分かります。

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】
スリナムの森

ちなみに世界最大の森林率を誇る国はスリナム。南米にある国で、外務省の情報によると面積は日本の約2分の1、人口は54.3万人とあります。オランダの植民地、領、自治領としての歴史が長かったため、オランダ語が公用語になっている国で、なんと森林率は98.3%を誇るのだとか。

1:16,000,000の広域世界地図を見ると、首都のパラマリポ、隣町のニュー・アムステルダム、パラナムを除けば、大きな都市が確認できません。その分だけ、森林が広がっているのかもしれませんね。

 

森林率の高い都道府県は高知県

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】
岐阜県の森

では国内に目を向けて、森林率が高い都道府県はどこになるのかを見ていきましょう。林野庁が作成した都道府県別森林率・人工林率(平成24年3月31日)を見ると、1位は高知県の84%、2位は岐阜県の81%、3位は長野県の79%となっています。

確かにどこも森が豊かな印象がありますよね。高知県は岐阜、長野と比べて人工林が多いものの、

<高知県は、豊かな森林と青い海の国です>(高知県のホームページより引用)

と自称するほど。土佐湾と四国山地を抱える、自然な豊かなエリアだと分かります。

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】

逆に都道府県の中で森林率の低いエリアは茨城県、千葉県、大阪府の31%、埼玉県の32%、東京都の36%と、大阪を除けば関東エリアに集中していると分かります。広大な平野が広がり、農地と宅地、工場用地などの開発が進んでいるからでしょうか、関東は森林が少ないエリアなのですね。

 

以上、日本の国土の森林率は先進国の中で3番目に高いという話をしましたが、いかがでしたか?

そんな森林資源を豊富に抱える日本ですが、林木材の自給率に関しては極めて低いと言います。三井物産によると、林業先進国のドイツは木材の自給率が87%に対して、日本は28%しかないのだとか。

豊かな森をどのように守り、育んでいくのか、まだまだ課題は多いみたいですね。

森林率が先進国で【世界3位】日本の森は世界的に見ても豊かだと知ってた?【日本の不思議】

[Forest area (% of land area) – The World Bank]
[都道府県別森林率・人工林率(平成24年3月31日現在) – 林野庁]
[高知県の紹介 – 高知県]
[スリナム共和国 – 外務省]
[社会 林業について ―日本と世界の木材事情― – 三井物産の森]
[MAPS 新・世界図絵(徳間書店) – アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ミジェリンスキ]
[All photos in shutterstock]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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