ずっとずっとエジプトに行きたかった。
それは小学生のころ毎月家に届く家庭用教材から始まった。そこには「ピラミッドの謎」だの「ピラミッドパワー」だの小学生男児が興奮と妄想を駆り立てずにはいられない言葉が並んでいた。思い返してみれば、初めて外国に興味を持ち、いつか行ってみたいと思ったのもこの頃のエジプトだったかもしれない。
そんな僕が夢見るエジプト旅行。
クフ王のピラミッドをはじめとするギザのピラミッド群と大スフィンクスは当然、外せない。これを見るためだけにエジプトに行くといってもいい。逆に、ここに行かなければエジプトに行ったとは言えないのではないかとさえ僕は思っている。
とはいえ、アブ・シンベルやルクソールといった神殿にも足を運びたい。もちろんエジプト考古学博物館のツタンカーメンだって忘れない。
身体がライオンで、頭が人間というスフィンクス。ギリシア神話にはそんなスフィンクスが旅人になぞかけをして、答えられなければ食い殺すという話がある。そのなぞかけが世界的に有名なコレ。
「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」
そんな怪物がいるのだろうかと頭を悩ませるものの、答えは「人間」。だが、目の前に人とライオンが合わさって、おまけにギリシア神話では鷲の羽までついているスフィンクスがいるのだから、思い切って「怪物」と答えてみてもそれはそれで正解のような気もする。
ところでエジプトの大スフィンクス像の鼻が大きくかけていることはご存じだろうか。子供のころ「ナポレオン軍が砲撃の的にした」と書いてある本を読んだことがある。さすがナポレオン。相手の鼻を狙うのは喧嘩の必勝セオリーだ。百戦錬磨だけあって遺跡相手にも容赦はしないらしい。
ところがナポレオン軍の仕業だというこの話、最近の研究では否定されている。砂に埋まったスフィンクスを掘り起こしたり、ロゼッタストーンを発見したりとナポレオン軍は、のちのエジプト研究にずいぶんと役立ったらしい。
子供のころから僕がずっと気になって仕方がなかったのはスフィンクスのしっぽ。
しっぽがあるはずなんだけど、図鑑などで見られる写真はどれも前の方から撮ったものばかり。図鑑の写真に顔を寄せたり、斜めから見たりしてみたが、結局、スフィンクスのしっぽがどうなっているのかはわからずじまい。
スフィンクスのしっぽは、今でこそネットで写真を見つけることができるが、当時はそんな便利な代物はなかったので、「いつか本物を見てやろう」とエジプト行きへの思いを強くしたことを覚えている。
スフィンクスのしっぽがどうなっているのか? 気になった方はネットで検索したりせず、ぜひ、エジプトに足を運んでもらいたい。そこにはネットなどではわからない感動があるはずだから・・・。
(こちらは猫のスフィンクスのしっぽ。まっすぐ伸びてて愛らしい)
話をもとに戻して、僕のエジプト旅行。ピラミッドや神殿など歴史的な場所の観光のほかに、一日はナイル川クルーズにも出てみたい。丸一日、ゆっくりと大河の流れを眺めるのだ。
「エジプトはナイルの賜物」
はるか昔の歴史家が、そのまたはるか昔を思って言った言葉を噛みしめながら、古の人々の暮らしに思いを寄せる。
こだわりはホテルではなく、砂漠にテントで泊まること。湿度が低い砂漠地帯では、昼夜の寒暖差が激しく、冬には氷点下にもなるという。それでも一面の砂の上で満天の星空を眺めたい。きっと宇宙に浮かんでいるような気分になるに違いない。たとえ寒い思いをしたとしても、他では味わうことのできない経験のはずだ。
しかし、さすがは世界的な観光地。ナイル川のほとりには24時間営業のジムやサウナ、温水プール、エジプトの郷土料理を味わえるレストランやベリーダンスを間近で見られるナイトクラブなど、様々なアクティビティが楽しめる高級ホテルが軒を連ねている。
当然、そんな楽しみも旅の醍醐味だ。
そんなエジプト旅行。いったいいくらいで行けるのか調べてみた。
が、正直、調べるんじゃなかったと思うくらいくじけそうな値段だった。大手旅行会社では平均35万円前後。こんなんじゃ、行きたくたって行けないじゃないか。
いいや、旅行会社や航空会社にこだわらなければ、もっと安くエジプトに行けるはずだ。そう思って調べてみると、出てくる出てくる・・・。
13万9,800円。11万9,500円。エジプト旅行がぐっと現実味を帯びてくる。これならきっと10万を切るやつだってあるはずだ。そして、ついに見つけました。なんと
成田発3泊6日間で7万2,500円! しかも、ホテルに朝食、ピラミッド観光までついている。聞いたこともない航空会社の飛行機だけど(旅好きな人はもちろん知っているのだろう)、これなら、僕でもエジプトに行けるかもしれない。
もちろん、もっと安いツアーがあるかもしれません。見つけた方はぜひ一報を!
※価格は2017年10月23日時点の情報をもとにしております。ご了承ください。
※ここに書いてあることは信頼ある情報元から調べたつもりですが、もし間違っていたら教えてください。すぐになおしてより完璧な妄想にしたいと思っております。
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