各地で2500以上のクリスマスマーケットが開催されるという、クリスマスマーケット天国・ドイツ。そのなかでも有数の規模と歴史を誇るのが、フランクフルトのクリスマスマーケットです。
ドイツを代表する空の玄関口であり、ドイツのクリスマスマーケットめぐりの起点としてもぴったりの、フランクフルトのクリスマスマーケットの魅力をお届けします。
ドイツ屈指の規模と歴史を誇るフランクフルトのクリスマスマーケット
フランクフルトのクリスマスマーケットは、ドイツでも屈指の規模と歴史をもつことで有名。町の中心、ハウプトヴァッヘからレーマー広場やマイン河畔にいたるまで、市内には200もの屋台が並び活気で満ちあふれます。
一般的には、ドレスデンのシュトリーツェル・マルクトがドイツ最古のクリスマスマーケットといわれていますが、フランクフルトのクリスマスマーケットを1393年にはじまったドイツ最古のクリスマスマーケットとする説も。
いずれにせよ、フランクフルトのクリスマスマーケットがドイツ最大級かつ最古級のクリスマスマーケットであることには間違いありません。
おとぎの世界に変身したレーマー広場
ドイツでは珍しく高層ビルが建ち並ぶ近代都市、フランクフルト。そのなかで中世の面影を残す場所が、クリスマスマーケットのメイン会場でもあるレーマー広場です。
切妻屋根が美しい隣り合わせの3つの建物が、「レーマー広場の顔」ともいえる旧市庁舎。なかでも中央の建物は「レーマー」と呼ばれ、広場の名前の由来にもなりました。
フランクフルト随一の観光スポットとしてにぎわうレーマー広場は、クリスマスが近づくとひときわメルヘンチックな姿を見せてくれます。色とりどりの屋台やメリーゴーランドと、可愛らしい木組みの建物の数々が織り成す風景はおとぎの世界さながら。
巨大なクリスマスツリー
レーマー広場で開催されるクリスマスマーケットを象徴するのが、巨大なクリスマスツリー。毎年国内外の都市から寄付を受けており、2017年のツリーはドイツ中西部Schmallenbergの山からやってきました。
高さ33メートルのこのツリーはなんと6010個もの電球で飾られているそう。レーマーとライトアップされたクリスマスツリーとのコラボレーションは格別です。
国際金融都市らしい多彩な屋台
フランクフルトのクリスマスマーケットは、ドレスデンやニュルンベルクのクリスマスマーケットと比べると伝統色や地域色は強くありませんが、国際金融都市だけあって多国籍な顔ぶれの屋台が並ぶのが魅力。
ドレスデンのシュトレンや、ローテンブルクのシュネーバル、黒い森地方のハムといったドイツ各地の名物はもちろんのこと、ハンガリーのランゴスや、スイスのチーズフォンデュ、イギリスのフィッシュアンドチップス、ハンガリー風バウムクーヘン「クルトシュカラーチ」など、ヨーロッパ各国からもB級グルメが集結しています。
ヨーロッパ各国の味をはしごできるクリスマスマーケットは、フランクフルトならではといえるでしょう。
フランクフルト名物アップルワイン
フランクフルトのクリスマスマーケットでは、ドイツ国内外から集まってきたグルメのみならず、フランクフルト独自の名物も楽しめます。それが、400年以上の歴史をもつといわれるアップルワイン。
ドイツのクリスマスマーケットといえば、グリューワイン(ホットワイン)が定番ですが、フランクフルトではぜひホットのアップルワインを楽しんでみてください。
金のアーモンドがある名物屋台
ドイツのクリスマスマーケットを訪ね歩いていると、どこに行っても似たような屋台が並んでいると感じるかもしれません。でも、一つひとつじっくり見てみると、同じように見える屋台にだってそれぞれの個性があることに気付くはず。
フランクフルトのクリスマスマーケットに出店している名物屋台のひとつが、レーマー広場かすぐの細い通り、クレーヌングス通りに立つ「M.Eiserloh」。ユニコーン、ドラゴンフルーツ、バターミルクパインなど、50種類ものフレーバーのアーモンドが自慢で、一粒3ユーロの金のアーモンドにも出会えます。
フォトジェニックなスイーツも
ドイツのクリスマスマーケットでよく見かけるチョコレートでコーティングされたフルーツの屋台も、ネズミの姿をしたものや、ブタの姿をしたものなど、お店によってさまざまな工夫が凝らされています。
景色を見ながらなんとなく歩くよりも、どれが一番可愛いか、屋台を見比べながら歩けば、楽しみが2倍にも3倍にもなりますよ。
ドイツで最も古いクリスマスマーケットのひとつでありながら、国際都市らしく新しいアイデアを取り入れた多彩な屋台が楽しめるフランクフルトのクリスマスマーケットは、ドイツで最もエネルギッシュなクリスマスマーケットのひとつといえるでしょう。
[Weihnachtsmarkt Frankfurt]
[All photos by Haruna Akamatsu]