スペイン随一の美食の地、まだ知らない魅力がつまったバスク地方

Posted by: 春奈

掲載日: Jan 8th, 2018

独自の言語や文化をもつバスク人が暮らし、独特の異国情緒が味わえるスペインのバスク地方。最近日本のガイドブックや旅行雑誌でもバスクの特集が組まれる機会が増え、にわかに注目度が高まっている地域です。

マドリードやバルセロナ、アンダルシア地方だけがスペインではありません。知られざる輝きが詰まったバスク地方の魅力をお伝えしましょう。

バスク地方ってどんなところ?

スペイン随一の美食の地、まだ知らない魅力がつまったバスク地方でもうひとつのスペインに出会う

バスク地方とは、スペイン北東部、ピネレー山脈西部の一帯のこと。歴史的・文化的につけられた呼称で、国境を超えてフランスにも広がっているため、それぞれ「スペインバスク」「フレンチバスク」と呼ばれ区別されています。

スペインバスクはバスク州の3県とナバーラ州の一部からなり、この地で暮らす人々は、ほかの地方とはまったく異なる独自の文化や習慣と、固有の言語であるバスク語を守り続けています。

スペインであって、スペインでないような、独特の異国情緒が楽しめるのがバスク地方なのです。

美しい自然風景

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青く澄んだビスケー湾の海岸線と、雄大なピレネー山脈に挟まれた豊かな自然がスペインバスクの自慢。スペインには荒涼とした大地が広がる地方もありますが、バスク地方は「緑のスペイン」といわれるほど緑豊かで、青い山々と清らかな水に恵まれた土地なのです。

スペインきっての美食の土地

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食べ物がおいしいと評判のスペインのなかでも、バスク地方はグルメで知られる美食の土地。自然の恵みが生んだ「チピロネス」と呼ばれるヤリイカを墨で煮込んだ料理や、「シードラ」と呼ばれるリンゴ酒、「ガトーバスク」と呼ばれる焼き菓子など、郷土料理からスイーツまで、多種多様なローカルグルメがそろっています。

サン・セバスチャン

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「ビスケー湾の真珠」と称される美しいリゾート地、サン・セバスチャン。しかし、この町が有名なのはリゾート地としてよりも、むしろ美食の地としてでしょう。

スペインバスクのなかでも、グルメシティとしてその名をとどろかせるサン・セバスチャンは、30キロメートル圏内に17軒ものミシュラン星付きレストランを抱えています。これは、人口一人あたりにすると世界一。しかも、そのうち3軒は3つ星を獲得しています。

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100以上の美食倶楽部があり、町全体で美食文化を育んできたサン・セバスチャンはいまや、「世界一美味しい町」「世界一の美食都市」と呼ばれ、各国から美食家たちが押し寄せているほど。

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肩ひじ張らずとも、町の気軽なバルでも絶品グルメが楽しめるのが、サン・セバスチャンのいいところ。バルをハシゴして食いだおれといきましょう。

オンダリビア

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川の対岸はフランスという、スペインバスクの東端に位置する漁師町・オンダリビア。城壁に囲まれた旧市街には、もともと10世紀にナバーラ王サンチョ・アパルカが築いたといわれるカルロス5世城や、15世紀に建てられたサンタ・マリア教会など、中世の面影を残す重厚な建造物が残っています。

スペイン随一の美食の地、まだ知らない魅力がつまったバスク地方でもうひとつのスペインに出会う

白壁に赤や緑の窓枠をもつ、バスク地方の伝統的な家々が並ぶ可愛らしい風景も印象的。渡し舟でフランス側のエンダイアへと渡り、フレンチバスクの風を感じてみるのもいいかもしれません。

ビルバオ

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バスクの魅力は、自然や中世の面影を残す町だけではありません。バスク地方の産業と文化の中心地であるビルバオは、世界の建築家が競演する建築とアートの町。

かつては鉄鋼・造船の町として栄えていたビルバオでしたが、20世紀末になって重工業の衰退とともに深刻な不況に陥りました。そんな苦境を打開するために策定されたのが、アートによる都市再生プロジェクト。

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その結果、モダンアートの殿堂・グッゲンハイム美術館をはじめ、有名建築家たちが手がけた前衛建築群が古い町並みと見事に調和した町へと生まれ変わりました。今やビルバオは建築とアートの分野で世界的に注目されています。

ビルバオを訪れたなら、世界遺産に登録されている世界最古の運搬橋・ビスカヤ橋にも足を運んでみては。

スペイン随一の美食の地、まだ知らない魅力がつまったバスク地方でもうひとつのスペインに出会う

長い歳月が育んできたバスク地方の豊かな歴史と文化。それを前にすれば、いままで知らなかった新たなスペインの魅力に開眼するはずです。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

春奈

Haruna ライター

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

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