北部をルーマニア、南部をギリシャとトルコ、西部をセルビアとマケドニアと接するブルガリア。東部は黒海に面しています。その位置関係からも分かるように、さまざまな国の食文化を受けて発展してきました。その多様性は朝食にも表れており、とってもユニーク! ヨーグルトだけじゃない、多彩な「ブルガリアの朝ごはん」をご紹介します。
トルコからやってきた「ボザ」と「アイリャン」
ペットボトル入りのボザ (C)駐日ブルガリア共和国大使館
ブルガリアの人たちが朝食時によく飲むのは、コーヒー(エスプレッソまたはトルコ式コーヒー)、見た目はカフェオレのような微炭酸ドリンク「ボザ」と、塩気のある「アイリャン」。朝食用のパンを扱う現地のベーカリーには必ず、これらのドリンクが置いてあるほどポピュラーなドリンクです。
アイリャン
炒った小麦粉を発酵させて作るボザに、ヨーグルトに塩と水を混ぜたアイリャンは、いずれも腸内環境を整えてくれる健康ドリンク! 以前TABIZINEでレシピをご紹介した「夏バテ予防に飲みたい、世界のヨーグルトドリンク3つ」でもお伝えしたように、アイリャンはトルコ発祥のドリンク。また「ボザ」も同じくトルコからブルガリアに伝わったドリンクです。
サンドイッチをよく食べます!
甘くないパンにソーセージやゆで卵、チーズなどを挟んだサンドイッチは朝食の定番。
シレネ (C)駐日ブルガリア共和国大使館
酪農国ブルガリアにはさまざまな種類のチーズがありますが、ブルガリアでチーズというと、主に「シレネ」と呼ばれるフェタチーズ、「カシカバル」と呼ばれる黄色くて柔らかいナチュラルチーズがメイン。そんなわけで、サンドイッチに挟むチーズはシレネまたはカシカバルが主流です。
揚げパンやパイも人気
揚げパンのブフティ
ベーグルのような「ゲブレック」などのパン類はもちろん、「バニッツァ」と呼ばれる塩味のパイ、「ブフティ」や「メキッツァ」と呼ばれる揚げパンも朝食時にはよく食べられるアイテムです。
バニッツァ
バニッツァはパイ生地のなかにほうれん草や西洋ネギを入れて焼き上げたもの、シレネ(フェタチーズ)、卵、ヨーグルトなどの具が入ったものなど種類がとっても豊富! ブルガリアにはバニッツァの専門店もあります。また、秋から冬にかけては、カボチャ入りの甘いバニッツァを食べることも多いそうですよ。
さまざまなヨーグルトがあります
日本でいうところの味噌のような位置付けの「ヨーグルト」。朝の食卓にはヨーグルトまたはアイリャンが並ぶことも多いけれど、朝食時には必ず食べるものというわけではないそう。
ちなみにヨーグルトは牛のミルクで作られるものが主流で、まれに水牛のもの、ヒツジやヤギのヨーグルトもあります。「水牛のヨーグルトはブルガリアでも珍しいのですが、クセがなく濃厚で美味」(駐日ブルガリア共和国大使館 コストヴァさん談)とのこと。食べてみたい!
このほか、ブルガリアの田舎の地域では朝食時に厚焼きのクレープを食べる人もいるそうですよ。バラエティー豊かなブルガリアの朝食を味わってみたいものです。