人が川・湖・海へと出かけるのには科学的な理由があった!
水辺にいるだけで、心が落ち着いて幸福感に満たされることは誰にでもあると思います。海に出かけて永遠に続く波をぼーっと見たり、川辺に座ってせせらぎをききながら友達と話したり、湖に浮かぶ鳥たちを眺めたりボートを漕いだり。
それは、「ブルー・マインド」。海洋生物学のウォレス・J・ニコル博士は、その著書「ブルー・マインド」の中で、肉体的にも精神的にも水が与えてくれる効果について科学的に検証しました。人間関係が複雑で、さまざまな刺激にさらされている忙しい毎日のはざまに、水辺でそっと一人になれれば、その効果を感じるはずです。また、イギリスでの調査では、海辺に暮らす人のほうが一般的により健康的で幸福と感じているという調査結果もあるそうですよ。
それでは、「ブルー・マインド」をより実感できそうな旅先を5つ紹介しましょう。
モルディブの水上バンガロー
ハネムーンの人気ランキングで常に上位にランキングしているモルディブ。モルディブの首都マレへは、スリランカのコロンボから飛行機で1時間30分ほど。点在するサンゴ礁の島々に建てられた水上のコテージ滞在するリゾートが定番です。南の島の楽園で、現実を忘れてのんびりと過ごすのもよし、シュノーケリングやダイビング、近くの島々へのツアーに参加するアクティビティに参加してもよし。いずれにしてもインド洋に囲まれた小さな島ですから、海の力で「ブルー・マインド」に満たされること間違いなしです。
スロベニアのブレッド湖に浮かぶブレッド島
イタリアの東隣のスロベニアは、その自然の景観が人気の的。特にブレッド湖は、まるでおとぎの国です。そこに浮かぶブレッド島。聖マリア教会の鐘を3回鳴らすことができれば願いが叶うという言い伝えもあります。画像のとんがっている建物が、その鐘楼です。湖畔にあるホテルに宿泊すれば、一日の太陽の変化とともに様々な表情を見せてくれる湖の姿に癒されます。
インドシナ半島を縦断するメコン川
メコン川は、チベット高原の源流からインドシナ半島を縦断する4000キロを超える長さの川。ベトナムのホーチミンで海に達します。おすすめは、ホーチミンを出発してカンボジアのプノンペンやアンコール遺跡群の街シェムリアップまでのリバークルーズです。豪華な客船でのんびりと川の旅を楽しめます。また、ホーチミンからなら気軽に楽しめる日帰りのメコン川ツアーもあります。インドシナ半島を巡る歴史や、沿岸の人たちの生活に触れるといった楽しさはもちろん、流れる川のやさしさと熱帯の太陽が、幸福な時間を演出してくれるはずです。
豪華客船でクルーズ
地中海にエーゲ海、カリブ海などをはじめとした海を豪華客船で巡る、クルーズ船の旅に注目が集まるようになりました。日本からなら、日本国内の港や、アジアの国を巡る船旅を楽しむ人も増えていますし、海外まで飛行機で出かけて、クルーズに参加するツアーも増えています。海を身近に感じながら、港町を転々とする船旅。これはまさにブルー・マインドを十分に感じることができそうですね。
清流の音に包まれて眠る郡上八幡
郡上八幡といえば、夏の間に毎日のように開催される郡上踊りや、天空の城と呼ばれる郡上八幡城、昔から変わらぬ街並みなど、様々な魅力があります。そしてその中心を流れるのが、吉田川。川の近くに宿を取って夜が深まると、町中が川の音に包まれていることに気づかされます。滞ることのない川の流れの音を聞いていると、その安心感にほっとします。
これまでにも無意識にビーチや川、湖などへ旅に出ることも多かったかと思います。きっと幸福感が感じられるということを、無意識のうちに体が覚えていたのかもしれませんね。科学で実証されたことで、水辺の旅の魅力を再認識させられました。
[Why Being Near Water Really Does Make Us Happier]
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Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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