川越の時の鐘
埼玉県を代表する観光地の川越。蔵造りの町並み、蓮馨(れんけい)寺、大正浪漫夢通り、喜多院、川越城、菓子屋横丁などさまざまな名所がありますが、先日歩いていると西武新宿線の本川越駅近くに、小江戸蔵里(こえどくらり)という商業施設を発見しました。
川越にある蔵造りの建物
明治8年に創業した酒造メーカーの酒蔵を改修した複合施設で、地元の人に聞けば平成22年にオープンしているとの話。川越は筆者にとって高校時代の通学路で、友人・知人も多く居るため、これほど大きな複合施設を知らなかった自分にショックを受けましたが、行ってみると川越観光で立ち寄っておきたい必見スポットの1つだと発覚します。
そこで今回はどこよりも「遅く」、小江戸蔵里の魅力をレポートしたいと思います。
ポイントその1:川越の主要なお土産が全てそろう
小江戸蔵里の敷地内には、幾つかの蔵が隣接して建ち並んでいます。全てが感じ良くリノベーションされているのですが、敷地内に入ってすぐ左手にある明治蔵は、各種お土産店が入居する施設として特ににぎわっています。
館内を見回すと、小江戸鏡山酒造の地酒から、紋蔵庵の『あまたまかりん』、コエドビールに松本醤油の各商品、果ては川越のキャラクターである『さつまいもベア』に至るまで、各種の商品が一堂に会しています。
さつまいもベア
川越は蔵造りの町並み周辺を中心にお土産物屋がたくさん並んでいますが、歩道が観光客であふれ返っており、さらに車道との距離がわずかしかないため、落ち着いて買い物を楽しめない面も残念ながらあります。
その意味では、川越の主要なお土産をまとめてゆっくり買い回れる小江戸蔵里は観光客にとても便利。しかも東武東上線の川越駅や西武新宿線の本川越駅に向かって帰る道の途中にありますので、旅の最後に立ち寄ってまとめてお土産を買うという戦略も立てられます。
ポイントその2:川越の地産地消のグルメが楽しめる
川越のウナギ
今では大人気の川越。人気の飲食店は観光客が大行列を作っていますので、列に並べばとりあえずおいしい食事にありつけますが、人気店もエリア内のあちこちに点在しています。何の下準備もないまま川越に訪れた場合、飲食店探しも一苦労・・・。
その点、上述の明治蔵と連結した、敷地内の左手奥にある大正蔵には、酒蔵の原型をほぼ残しつつリノベーションしたレストラン「八州亭」があり、店内では地産地消の食事を食べさせてくれます。もちろん地酒の鏡山や、地ビールのコエドビールも楽しめます。
小江戸蔵里の敷地内にある広場の一角(90㎡)では、定期的にイベントが開催され、出店も並びます。広場であれこれつまんでいるだけでもお腹を満たせますので、土地の食材を土地の酒でいただきたい、でもお店探しが面倒といった場合は、とりあえず訪れたい場所となっています。
小江戸蔵里(こえどくらり)まかない処(大正蔵)
http://www.machikawa.co.jp 営業時間:11:00~22:00
※平日15:00~17:00は仕度中
TEL:049-228-0855
住所:埼玉県川越市新富町1-10-1
定休日:なし(臨時休館日あり)
ポイントその3:地元野菜が買える市場まである
昭和6年に建てられた昭和蔵をリノベーションした「くら市場」も、小江戸蔵里の敷地で営業しています。川越市内の農家から直送した新鮮野菜や手作り総菜、さらには狭山茶コーラなど一風変わった地元商品まで、市場には並んでいます。いなりずしやお好み焼き、焼きそば、弁当なども購入可能。
建物自体も重厚で立派な感じがあり、商品の陳列や照明の当て方にも工夫が凝らされているため、中に入るとどこかの工芸館や博物館を歩き回っているような気分になってきます。スタッフも皆さんフレンドリーですから、会話を楽しみながら買い物をしたいですね。
以上、川越ブランドをさまざまな角度から観光客に発信してくれる小江戸蔵里をどこよりも「遅く」紹介しましたが、いかがでしたか。臨時休館日はあるものの、基本的には無休で、西武新宿線の本川越から徒歩3分の距離にあります。駐車場はありません。
小江戸蔵里のスタッフの方に人気のお土産を聞いてみると、上述した『あまたまかりん』が筆頭に挙げられるそう。調べてみると、テレビなどでも盛んに紹介されているようですね。
かりんとうに近い食感の黒まんじゅうで、中にはしっとした舌触りのサツマイモのあんが入っています。食べる前にトースターで軽く焼くと、外皮がカリカリになり香ばしさもアップ。実際に食べてみたところ、写真を撮る間もなく競うように食べきってしまいましたので、ぜひとも公式ホームページでチェックしてみてください。
[小江戸蔵里 ] [小江戸蔵里 – 小江戸川越観光協会 ] [Photos by Masayoshi Sakamoto and shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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