週末にどこかに出かけたいけど、なかなかアクションを起こせない・・・そんなこともあるでしょう。しかし、平日が忙しいからこそ、週末は非日常を味わう旅に出るのもいいものです。そこで、たった1泊2日でサクッと憧れを叶える「サク旅」をプロデュースするカリスマブロガー・作家のはあちゅうさんにインタビュー。サク旅の魅力やプランの作り方、おすすめのサク旅エリアなどをお伺いしてきました。
「すぐに帰れる非日常」を味わえるのがサク旅
山形 クラゲドリーム館 (C)SDP
社会人になると、学生時代のように長期間の遠方への旅行はなかなかできなくなりますよね。私も会社員時代は長期のお休みが取りづらく、フリーランスになった今でも旅先で原稿を書くのが苦手で・・・。そんな中で旅をしたいと思ったときに、しっくりときたのが、時間のないときに素早く食事をする「サク飯」のような感覚で旅する「サク旅」というスタイルでした。
1泊2日のサク旅は「すぐに帰れる非日常」を味わえるのが一番の魅力です。例えばですけど、思いっきり非日常なアメリカのディズニーランドに行けば、非日常をたっぷり味わえますが、帰国後も楽しかった思い出を引きずったり、長く非日常に浸かっていたせいで日常を重く感じてしまうことがあります。でも、サク旅なら、非日常を楽しんで、日常にまたすぐに帰ってこれるので、趣味や遊びと同じくらい仕事だって欲張りに頑張りたいという人におすすめです。サク旅をすることで、頭のスイッチが切り替わって、とてもリフレッシュできます。
一度ですべての見どころをまわる完璧な旅をしようと思うと、サクッとした感覚で旅することはできません。でも、行く場所を絞れば、2日目の夜は自宅にいられる無理のない旅ができます。サク旅はあえて未練を残す旅。「今度はあそこに行ってみよう」、「あの場所にも行ってみたかった」といった余韻や未練により、同じ土地を何度も訪れるきっかけになったり、その時々でテーマを決めて違うスポットに行く楽しみもできたりします。
宮崎
1月に転勤した友人を訪ねて宮崎にサク旅をしてきたのですが、友人に宮崎のインスタグラマーさんを紹介してもらい、その方の自宅に遊びに行かせてもらいました。インスタグラマーらしく、部屋を撮影用に工夫していて、ストウブ(調理器具)が14個、カッティングボードが7つもあり、キッチンにはアームスタンドが取りつけられたりしていて、面白かったです。この旅では、現地に新しい友人が増えるのもうれしかったのですが、転勤した友人の自宅にダーツを発見し、その友人が実は「ダーツ好き」という、これまで知らなかった友人の一面を発見できました(笑)。
また私が運営しているオンラインサロン「旅サロン」のメンバーに会いに行ったことも。大分の別府市に行ったときは、ツイッターで声をかけてくれた人たちに会って、別府市の名物やオススメのお店のリストをいただけたのも良い思い出です。
奥渋谷 (C)SDP
サク旅の初心者におすすめなのは、ある程度土地勘があり、すぐに帰ってこられる「奥渋谷」「鎌倉」ですね。関西圏にお住まいなら、「大阪」「兵庫」がいいと思います。普段なら日帰りで行く場所にあえて泊まってみると、その土地の朝の風景など旅行しないとわからない景色が見えてきて、まるでその場所で暮らしているような感覚を味わえます。一泊するとリフレッシュ度も違ってきますよ。
旅慣れている人なら、飛行機でしか行けない、移動に時間のかかる沖縄や北海道をサク旅するいいかもしれませんね。このあたりに1泊2日で気軽に行けるようになれば、サク旅のプロと言えると思います。また、一度訪れたことがある場所へ行くのなら、どこに何があるのかはある程度わかるはず。週末に気軽にサク旅してみようかな、と柔軟に考えられるようになりそうですね。
サク旅のプランニングのコツやお役立ちアプリ
交通費やアクティビティの費用は調整が難しいので、自分の旅のスタイルやテーマに合わせて宿泊費を調整するといいと思います。出張パックなどをうまく活用すると、想像よりも安く旅行できることもありますよ。楽天ポイントや航空会社のマイレージを活用するのもおすすめです。
新幹線の料金はあまり変わりませんが、飛行機の料金は早朝便などを利用すれば、結構安くなることも。フライトを使える場所であれば、飛行機を移動手段にするといいかもしれません。飛行機を活用するようになると、旅行の幅がグンと広がると思います。
それからサク旅では、「観光しない」ことも大事です。観光しようと思ってガイドブックを開くと、ココとココは行かなければと義務的になってしまいます。観光というところから離れてみて、近所にお散歩に行く感覚で旅のプランをつくるといいと思います。現地でフレキシブルに心のままに行動してみるのもアリです。
(C)SDP
憧れの生活をテーマに旅プランを作ることもあります。Airbnbで見つけた、真っ白な「ザ・女子部屋」のような部屋に泊まって、理想暮らしを味わったことも。
旅は新しく暮らしに取り入れられそうなことを、知識として得ることが多いと思うんですね。お土産を買うときも、何となく日常で使えたり、食べれられるものを探しませんか? 非日常を楽しみつつ、自宅でも同じような気持ちを味わうためにはタオルをフワフワなものにしてみよう、白いシーツで寝てみるのもいいな、お土産のジャムは毎朝トーストに塗りたいな・・・などと、非日常を日常の生活に取り入れるキッカケづくりもできます。
全天球カメラ「THETA」 (C)SDP
著書「サク旅」でご紹介しているアプリ以外だと「InstaSize」を使っています。このアプリを使うと、インスタへ投稿する際、縦横どちらで撮影しても、余白をつけて四角形にカタチを整えることができて便利です。またカメラだとレンズと本体を切り離せて気軽にセルフィーが撮れる「EXILIM」や360度の世界を撮影できる全天球カメラ「THETA」がおすすめです。
旅はフィールドワークみたいなもの
博多 (C)SDP
食を目的とした旅が好きなので、東京のシェフが活躍していたり、食通の友人がわざわざジビエなどを食べに行っている滋賀県にグルメ旅に行きたいですね。博多のカツ丼のお店にも行ってみたいと思っています。博多に住んでいたことのある知人が博多人は「博多 藪(やぶ)」というお店でシメカツ丼をすると言っていたのを聞いて、今年はぜひシメカツ丼をしたいと思っています。
あと私は食と食の間を埋めるアクティビティとして、ブックカフェに行くことが多いので、京都でまだ行ったことがないブックカフェを巡りたいです。最近島にも興味があるので、博多から40分で行ける糸島や瀬戸内海の島巡りもしたいですね。
私にとって旅はフィールドワークみたいなものですね。本を読んだり、ネットを見たりとはまた違った、体を使って学習と吸収ができる機会だと思います。現地に行くと「見て」「知って」「食べて」を五感で感じることができるので、旅は体験型学習の機会だと思っています。
「サク旅」という言葉を作ってからすごくフットワークが軽くなって、たとえば実家に帰省する友人に軽い感じで「青森おいでよ」と言われたら、「じゃあ行く!」と答えるようになりました。
サク旅のおかげで、吸収型で行動的な自分になれたと思います。今、友人に、「ちょっとそこまで」の感覚で気軽に会いに行くことにハマっていて、3月には留学中の友人に会いにロンドンに行こうかなと思っています。
(C)SDP
著書:『1泊2日で憧れを叶える! サク旅 〜国内編〜』はあちゅう/著
はあちゅう
ブロガー・作家。1986年生まれ。慶應義塾大学法学部在学中に友 人と企画した期間限定ブログが書籍化されたことをきっかけに媒体を横断した発信を開始。卒業旅行は企業からスポンサーを募り、タダで世界一周を敢行した。卒業後は電通、トレンダーズを経てフリーに。「疲れた日は頑張って生きた日 うつ姫のつぶやき日記」「半径5メートルの野望」「言葉を使いこなして人生を変える」など著作多数。noteで継続している月額課金制マガジンや有料オンラインサロンも好評。
ブログ:https://lineblog.me/ha_chu/
ツイッター:@ha_chu
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