京都最古の花街、島原
JR丹波口駅から歩いて10分ほどにある島原エリア。江戸時代に老若男女が楽しめる遊宴の街として栄え、幕末には新撰組の隊士たちも通い詰めていたのだそう。
現在でも京町屋や石畳が敷かれた細い道が残り、和の情緒が漂います。こちらはかつての島原への入り口であった島原大門。
250年という長い歳月を生き続ける「きんせ旅館」
長い歴史を誇る島原においてひときわ存在感がある「きんせ旅館」。江戸時代後期に揚屋(現在で言う料亭に近いお店)として建てられたきんせ旅館は何と築約250年。現在のオーナーの曽祖母様がこの建物を買取り、大正後期から昭和初期にかけて揚屋から旅館のつくりに改装されたのだそう。
扉を開けるとまずはロビー。「いわしコーヒー」という焙煎所も併設されて、焙煎機や珈琲豆が置かれています。筆者が訪問した時はちょうど焙煎中で、香ばしい香りが存分に漂っていました。カフェではこちらのコーヒーがいただけるんですよ。
床には独特の色彩のタイルが敷かれていました。これは泰山(たいざん)タイルと呼ばれるもので、大正時代や昭和30年代頃までに製作された現在では大変貴重なタイルなのだそう。
古き良き時代を想わせる、華麗なカフェバー
ロビーから扉を開けると、そこは大正ロマンを彷彿とさせるカフェバー。折上格天井やランプが彩るこのお部屋は、その昔ダンスホールとして使われていたこともあったのだそう。
建物の随所には華やかなステンドグラスが。こちらは牡丹のデザイン。キラキラと煌めく鮮やかな色彩に思わず目を奪われてしまうほど。
こちらは菊がモチーフ。レトロなランプによく映えます。
和洋折衷の美しい趣に思わずうっとり・・・。
優美な空間を堪能した後は、ゆっくりとコーヒーをいただいてみましょう。華やかな時代に思いを馳せながらの一杯は、至福の味わいです。
きんせ旅館は1階がカフェバー、2階が1日1組限定の宿として営業。250年も続く貴重な建物でゆっくりと過ごして、特別な京都ステイを楽しんでみるのもオススメですよ。
[All photos by Nao]