シチリアのタオルミーナにホームステイしたときに、はまってしまったのが、前菜のナスのタルタル。見た目は茶色くてとても地味ですが、にんにくがガツンときいたパンチのあるものです。つくりかたが画期的なブルスケッタと共にご紹介します。
シチリアの夕食
滞在先ではいつも70代のお父さんがご飯をつくってくれていました。
海で育った男です。時にはタコを素潜りで捕まえてきます。蒸して、オリーブオイルとレモンでシンプルにいただきました。カジキに衣をつけたもの、ムール貝にトマトをのせたものをオーブンで焼いたものなどが出てきたこともあります。
家には他にも生徒がいて、2人とも海のない地域から来ていたので、魚介類は食べません。美味しいから食べろと無理強いするお父さんと、断固拒否する生徒たちの攻防を横目に、ひとりパクパクいただいていました。全員シーフード好きなら、もっといろいろ食べられたのにと当時意地汚くも考えていたものです。
夕食は、ブルスケッタにパスタ、時々他のおかずがあり、後はデザートにマチェドニア(フルーツポンチ)といった構成です。この家では昼食がメインだったようです。
パスタでよく出たのはリガトーニのノルマ。リガトーニは太い筒状のショートパスタです。ノルマはトマトソースに素揚げのナスが入って、チーズとバジルがのった、シチリア名物。きっと皆さんも、麺はスパゲッティであっても食べたことがあるかと思います。
ブルスケッタのつくりかた
ブルスケッタは、この家ではオープンサンドではなく、具無しのガーリックトーストといった感じのものでした。しかも、簡単に大量につくるために、お父さんは斬新なつくりかたをしていました。
オイルを入れないフライパンで3cm角にしたパンを炒め(パンを炒めます!)、それからガーリックオイルを加えてさらに炒めます。そして塩、ブラックペッパーを振ってできあがり。こちらの方がぎゅっとした歯ごたえになります。ぜひお試しを。
ナスのタルタル つくりかた
【材料】
ナス 中4本(540gくらい)
オリーブオイル 大さじ2
バルサミコ酢 大さじ2
フレッシュバジル 6枚くらい
ドライのオレガノ 小さじ1/3
唐辛子 輪切り 2本
にんにく みじんぎり 大さじ1
塩 小さじ1/2
※オレガノは手に入らないことも多いのでドライにしました。あればフレッシュを。
まずは、ナスをグリルで皮が黒くなるまで丸ごと焼きます。
焼きナスの要領です。グリルによりますが、20分程度です。実際教わったときは、2時間半(!)オーブンでじっくり焼くとのことでしたが、水分をある程度飛ばせればOKです。
キッチンペーパーなどを使って皮を剥きます。包丁で粗みじんになるまで中身を叩きましょう。
熱いうちに、オリーブオイル、バルサミコ酢、塩、にんにく、唐辛子を加えてあえます。
粗熱がとれてからバジル、オレガノを加えて混ぜる。早く粗熱をとるために、氷水に当てるのも手です。
冷蔵庫で冷やして完成。
半日以上寝かせると味がなじんでおいしいです。前日の夕方に作ったものを翌日の昼に食べたら、つくりたてのときに感じたにんにくの辛み・苦みが抑えられて、ハーブだけでなく、ナスの風味も感じられ、いい塩梅でした。
[All photos by Shio Narumi]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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