日本全国を、記録的な暑さが襲った2018年の夏。そして熱帯夜に悩まされたのは、実は日本だけではありません。欧州でも広い範囲で熱波にさらされ、多くの国々で人々が暑さに悩まされたのです。そんな中、フィンランドから思わず微笑んでしまう可愛らしいニュースが届きました。
記録的な暑さに、地元スーパーが立ち上がる
北欧のフィンランドでは、首都ヘルシンキの7月の平均気温は17度程度と言われています。暑くなっても20度台前半で収まる、北国らしい涼しい夏が過ごせるのです。それなのに2018年は、記録に残る一番暑かった1941年に次ぐ、史上2番目に暑い7月になってしまったのだとか。特に西海岸のVaasaでは、33.7度というフィンランドではめったにない高温を記録しました。
実はフィンランドでは、例年は夏でも涼しく過ごしやすいため、一般家庭に冷房がほとんど普及していません。そのため人々は、寝苦しい夜を余儀なくされていたのです。
そんな中、ヘルシンキのPohjois-Haaga地区にある「K-Supermarket」というスーパーで、とある顧客がスタッフと「毎晩寝苦しくってたまらないから、この涼しいスーパーで眠れたら幸せでしょうね」と冗談を飛ばしたことから前代未聞のストーリーが始まりました。
顧客100名が、夜のスーパーでお泊り会!
なんと「K-Supermarket」の店長Marika Lindforsさんは、この顧客からの半分冗談の訴えを実現させてしまったのです! 「私たちは、常にお客様からのご意見にお応えするよう努めてきました」と語りながら、8月最初の週末にスーパーマーケット内での「お泊り会」を実施しました。
Marikaさんがこのお泊り会のことをフェイスブックで告知すると、瞬く間に7500以上の「いいね」と1700以上のシェアがされたのだそう。けれどお店のスペースのこともあり、実際に泊まれたのは申し込み先着100名だけだったのだとか。定員に入れなかった方は、残念に感じたでしょう!
お泊り会に参加する100名は、午後10時のスーパー閉店前に入店。なんと、ただ泊まらせてもらえるだけではなく、スーパーから夜食と朝食の差し入れもあったのだとか。至れりつくせりですね。
そして各自持参した寝袋などの寝具を広げ、思い思いの場所で眠りにつきました。ある人はビール売り場の前で眠り…。
お菓子売り場の前で寝た子供もいたのだそう。興奮して、逆に眠れないのではないかと心配になってしまいます! ちなみに深夜はスーパーの照明は完全に落とされるので、「明るくて眠れない」ということはありませんでした。
こうして、冗談から始まった「K-Supermarket」のお泊り会は、大好評のうちに終了。顧客思いのこのイベントのニュースは、あっという間に世界中を駆け巡りました。
寝苦しい熱帯夜はつらいですが、大勢の人と涼しいスーパーで眠るのは、キャンプ気分で楽しかったのではないでしょうか。もしかしたら、「クーラーが一般家庭に普及していない北国に熱波が来たら、スーパーでお泊り」が定番になるかもしれませんね。
※画像はすべてイメージです。
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