現役旅ライターが語る、最愛の国の魅力【2】スリランカ旅は最高の癒し

Posted by: 春奈

掲載日: Sep 10th, 2018

これまでに60ヵ国ほどを旅した筆者が愛してやまない国のひとつが、スリランカ。みなさんにも一生に一度は訪れてみてほしい国です。これまで旅した数多くの国のなかで、なぜスリランカを推すのか。知られざるその魅力をたっぷりとお伝えしたいと思います。

現役旅ライターが語る、最愛の国の魅力【2】スリランカ旅は最高の癒し

世界各国、あちこちを旅していると、「あそこへは絶対にまた行きたい」「あの旅は最高だった」と、いつまでも忘れられない国があります。

これまでに60ヵ国ほどを旅した筆者が愛してやまない国のひとつが、スリランカ。みなさんにも一生に一度は訪れてみてほしい国です。これまで旅した数多くの国のなかで、なぜスリランカを推すのか。知られざるその魅力をたっぷりとお伝えしたいと思います。

手つかずの雄大な自然

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スリランカは、インドの南東部に位置する島国。国名はシンハラ語で「光り輝く島」を意味します。面積は北海道のわずか0.8倍と小さいながら、国土の大部分には雄大な手つかずの自然が広がっています。

スリランカは、20以上の国立公園と100以上の自然保護区を有する野生の動植物の宝庫で、シンハラージャ森林保護区とスリランカの中央高地は世界遺産にも登録されています。

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なかでも観光客に人気が高いのが、スリランカヒョウが生息するヤーラ国立公園でのサファリ。ジープに乗って野生動物を目撃するという経験は、動物園で動物を見るのとは異次元の感動体験です。

古都キャンディ近郊、ピンナワラにある象の孤児院もほかにはない光景が見られる特別な場所。ここでは、親を亡くしたり親とはぐれてしまったりした小象100頭以上が暮らしていて、人間の保護下にある象の群れとしては世界最大規模だといいます。

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この象の孤児院がほかの象保護施設と異なる点は、その規模のみならず、象たちができるだけ自由に過ごせる飼育方法にもあります。多数の象たちが一斉に道路を行進した後、川で水浴びを楽しむ光景は圧巻。動物園では見たことのない生き生きとした象たちの姿は愛嬌たっぷりです。

温かく親切な人々

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日本ではあまりメジャーとはいえないスリランカ。地理的にインドに近く、インドと歴史的・文化的な共通点があることから、なんとなく「インドに似ている国」と思われがちですが、スリランカの雰囲気はインドとはずいぶん異なっています。

ヒンドゥー教徒が大多数を占めるインドに対し、スリランカは国民の約7割が仏教徒。多くの国民は敬虔な仏教徒で、性格も素朴で穏やか。インド(特に北インド)のように、強引な客引きや馴れ馴れしい声かけなどはあまりありません。

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そのかわり、観光地などで通りすがりの現地の人々と目が合うと、にっこりと微笑んでくれたり、「ハロー」と挨拶をしてくれたりします。

決して他人に関心がないわけではなく、見ず知らずの外国人の存在もそっと受け入れてくれる。それでいて、相手の領域に土足で踏み込んでくるわけではない。

スリランカ滞在中は、自分の存在を優しく控えめに受け入れてくれる現地の人々の態度がなんとも心地良く、ただそこにいるだけで心が洗われるような感じがしました。

本場のアーユルヴェーダ

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スリランカは、インドと並ぶアーユルヴェーダの本場。アーユルヴェーダは、インドで生まれた世界最古の伝承医療で、5000年以上の歴史を誇ります。

心と体のバランスを整え、心身の健康を維持することを目的とし、オイルマッサージや食事療法。投薬などにより、身体の内と外からそれぞれの体質に合わせたケアを行うのが特徴。

アーユルヴェーダが日常に根付いているスリランカでは、地元の人が通うアーユルヴェーダのクリニックでの数時間のマッサージから、豪華なアーユルヴェーダリゾートでの週単位のおこもりステイまで、期間や予算に合わせて実に多彩なアーユルヴェーダのプログラムがあります。

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短時間の施術でもリラックス効果はありますが、ドクター監修のもと、アーユルヴェーダリゾートで一週間以上みっちりとアーユルヴェーダ生活を送ったら、体調や肌の調子などに嬉しい変化が現れますよ。

日本で同様のサービスを受けるよりははるかに安いうえ、スゴ腕と評判のドクターもいるので、アーユルヴェーダを主目的にスリランカを訪れる日本人女性も少なくないほどです。

壮大な世界遺産

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スリランカには、文化遺産が6件、自然遺産が2件、合計8件の世界遺産があります。一国の世界遺産の数としては決して多くはありませんが、北海道よりも小さいその国土面積を考えると、世界遺産の密度は高いといえるでしょう。

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スリランカの世界遺産の代名詞といえば、なんといっても古代都市シーギリヤ(シーギリヤ・ロック)。ジャングルが茂るスリランカ中央部に突如として現れる巨大な岩山は、5世紀の王が築いた天空都市でした。

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高さ195メートルの岩山は、実際に目にすると圧倒的な迫力。宮殿跡が残る岩山の頂上からは、ジャングルの壮大な景色が楽しめるほか、岩山の中腹では、美女の壁画として名高い「シーギリヤ・レディ」のフレスコ画も見逃せません。

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(C)Valerii Iavtushenko / Shutterstock.com

スリランカには、ほかにも聖地キャンディや古代都市ポロンナルワ、ダンブッラの黄金寺院など、宗教都市や遺跡、寺院といった仏教国らしい世界遺産の数々があり、いずれも悠久の歳月のなかで育まれてきた文明の偉大さを感じさせるものばかりです。

本場の紅茶と絶景茶畑

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スリランカは、インドとケニアに次ぐ世界3位の紅茶生産国。イギリス植民地時代の名前「セイロン」にピンとくる人は多いことでしょう。

セイロンティーは、その生産地にちなんで、ヌワラエリヤ、ディンブラ、ウバ、キャンディなどの種類があります。観光として紅茶の生産地を訪れるなら、高原リゾートして知られ、イギリス統治時代のコロニアル建築が多数残るヌワラエリヤがおすすめ。

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ヌワラエリヤ郊外には大規模な茶畑が広がっており、 マックウッズ・ラブケリー・エステートをはじめ、見学できる紅茶工場もあります。本場で飲む清々しい味わいのヌワラエリヤティーは格別です。

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さらに、古都キャンディとヌワラエリヤを結ぶ鉄道は、アジア最高峰の絶景鉄道として有名。あたり一面に広がる緑の茶畑は、息を吞むほどの美しさ。ヌワラエリヤを訪れるなら、ぜひ一度はこの「紅茶鉄道」に乗車してみてください。

スリランカをもっと楽しむために

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スリランカの魅力を最大限に感じるためには、滞在期間と現地での交通手段がポイント。スリランカを旅するなら、最低でも現地に一週間は滞在したいところ。スリランカは駆け足で観光するのではなく、ゆっくりと時間をかけてこそ本当の良さがわかる国だからです。

筆者は、スリランカに着いて一週間経ったころから、ただそこにいるだけで癒されていることに気づき、はっとしました。その感覚に感動し、「年に一回はスリランカに心の洗濯に来たい!」と思ったほどです。

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小さな国とはいえ、交通インフラが発達しているとはいえないスリランカでは、公共交通機関だけで効率的に移動することは困難。限られた旅行日程を有効に活用するには、ツーリストカー(旅行者向けの貸切タクシー)の利用がおすすめです。

すべての移動をツーリストカーで賄う必要はなく、公共交通機関での移動がしやすい区間はバスや鉄道で移動し、部分的にツーリストカーを使ってもいいでしょう。

筆者の場合、コロンボ~ヌワラエリヤはバス、ヌワラエリヤからキャンディまでは鉄道で移動し、キャンディ以降、シーギリヤやアヌラーダプラ、象の孤児院などはツーリストカーで周りました。

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できるだけ多くの滞在日数を確保して、現地の空気を肌で感じながらゆったりと周る。そうすれば、この国の癒しパワーにたっぷりのエネルギーをもらえるはずです。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

春奈

Haruna ライター

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

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