日本の都道府県にはさまざまな観光地があります。限られた予算と時間の中で全国各地に繰り返し行くチャンスは少ないと考えると、できれば必見のエリアを効率よく周りたいですよね。
そこで今回はTABIZINE5周年を記念して、TABIZINEで執筆する旅慣れたライターたち22人に、各都道府県の主要観光地一覧を提示し、TOP5を選んでもらいました。その結果を独自のシステムでポイント化し、集計してランキングを作成してみましたので、ぜひともチェックしてみてください。今回は岩手編です。
第5位・・・陸中海岸ドライブ(7.6ポイント)
最初は、陸中海岸ドライブがランクインしました。陸中海岸とは岩手県の太平洋側に延々と続く隆起海岸とリアス式海岸で、以前は陸中海岸国立公園にも指定されていました。しかし、東日本大震災ではリアス式海岸の入り江が災いして、津波が大きくなり、甚大な被害を生んでしまったエリアでもあります。東日本大震災を受けて、同地は三陸復興国立公園に名称が変わりました。
名称が変わったと言っても、もちろん陸中海岸の美しさは変わりがありません。岩手県内で言えば、国道45号線が青森県から南下する形で太平洋沿いに続いていて、久慈、宮古、釜石、大船渡、陸前高田を経て県境を超え、宮城県へと入っていきます。その壮大な道のりには、津波に根こそぎさらわれてしまった高田松原の跡地など、いまだに震災の傷跡も残されています。ただ美しいだけではない、自然に秘められた恐ろしいエネルギーを感じられるドライブになりますよね。
第4位・・・安比高原(7.8ポイント)
筆者にとっても個人的に青春を連想させる土地、安比高原が第4位にランクインしました。安比高原とは岩手県北部の奥羽山脈の一部、秋田県との県境にも近いオールシーズンのリゾート地になります。「APPI」のロゴはなんだかオシャレで、リアウィンドウに「APPI」ステッカーを張り付けているトヨタ『ランドクルーザー』を東京で見たときは、他人とは思えない親近感を抱いた覚えがあります。
と、安比高原を高く評価するライターの声もありました。筆者にとっては学生のころ、夜行バスに乗ってスノーリゾートを楽しみに何度も足を運んだエリアになります。上質の雪と、多種多彩なコースが用意されており、大いに楽しみました。夏も冬も楽しめる岩手を代表するリゾート地ですね。
第3位・・・奇跡の一本松(8.2ポイント)
(C)岩手県観光協会
震災前の高田松原
先ほど少し話に出てきましたが、かつて高田松原は7万本近い松の木が植樹された名勝でしたが、東日本大震災の大津波で、ほぼ全ての松が根こそぎ消滅してしまいました。しかし、その松原で奇跡的に残った象徴的な松があります。それが「奇跡の一本松」ですね。
残念ながら、海水の影響で松は枯れてしまいました。しかし、枝葉、幹の部分などがレプリカとして保存処理が行なわれ、今も陸前高田に設置されています。震災後の岩手県に訪れていないという人は、7万本近くあった巨大な松原の中で奇跡的に残った一本松を見に、出かけてみるといいかもしれませんね。
第2位・・・小岩井農場(8.4ポイント)
日本最大級の観光牧場として知られる観光スポットが、小岩井農場になります。訪れた経験のない人でも、『小岩井農場』ブランドの牛乳やヨーグルトなどを口にした経験のある人は多いはず。
位置的には盛岡からほど近く、奥羽山脈の一部に属する雫石にあります。「南部富士」と呼ばれる2,000m級の岩手山を一望できる場所にあり、敷地内には国の重要文化財に指定された現役の農業施設が点在しています。
そもそも小岩井という名前は、明治時代(1891年)に不毛の荒野を基盤整理し、畜産をベースとした農業経営を確立した小野義眞(日本鉄道副社長)、岩崎彌之助(三菱社社長)、井上勝(鉄道庁長官)の頭文字から付けられた名前なのだとか。子どもから大人まで楽しめる観光地、必見ですね。
第1位・・・平泉の中尊寺(17.2ポイント)
やはり岩手県の観光地と言えば、奥州平泉の中尊寺が思い浮かびますよね。世界遺産にも選ばれる超定番の観光地で、中尊寺の中でも金色堂に対する評価の声が多く集まっていました。
歴史はもちろん、美術が好きな人にも外せない観光地。平泉は岩手県南部に位置します。一関の北側で、東北新幹線も一ノ関駅には停車しますから、関東方面からは比較的アプローチしやすい立地にあります。同じく世界遺産の毛越寺、近隣の厳美渓と併せて大いに楽しみたいですね。
以上、プロの旅ライターが選ぶ岩手県の観光地トップ5を紹介しましたが、いかがでしたか? 岩手県は南北に長く、県内には奥羽山脈、早池峰山を最高峰とする北上高地があり、その山地に挟まれる形で北上盆地があります。
太平洋側には日本を代表するリアス式海岸があり、河童伝説で有名な小京都の遠野、宮沢賢治ゆかりの花巻温泉、焼石岳のふもとにある夏油温泉もあります。数えきれないほどの魅力が詰まった観光県ですから、次の旅行の行先として選んでみてくださいね。
『【岩手県のグルメとお土産】魅力的な旨いもの、持って帰りたい美味12選』も要チェックですよ。
厳美渓
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●調査内容:47都道府県のおすすめ観光地
●調査実施期間: 2018年7月18日~2018年7月31日
●調査人数:22名(男性:4名 女性:18名)
●調査対象:TABIZINEにて記事を執筆するトラベルライター