秋に日本人が旅するところ、外国人が旅するところは同じなのでしょうか。「観光庁 宿泊旅行統計調査」の2017年9月から11月に宿泊した人数を比べてみました。
日本人・外国人が秋に宿泊する都道府県ベスト10
それでは、さっそく両者のデータから見てみましょう。この人数は、観光、ビジネスなど用途を問わず、宿泊者数を出したものになります。
1位 東京都 7,445,860人
2位 北海道 5,508,050人
3位 大阪府 4,204,460人
4位 千葉県 3,900,010人
5位 静岡県 3,847,640人
6位 神奈川県 3,692,330人
7位 長野県 3,299,050人
8位 福岡県 2,873,080人
9位 沖縄県 2,807,340人
10位 愛知県 2,793,720人
出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査 平成29年1月~12月分(年の確定値)集計結果第3表
1位 東京都 2,501,530人
2位 大阪府 1,665,520人
3位 北海道 1,104,050人
4位 京都府 767,970人
5位 千葉県 719,930人
6位 沖縄県 675,730人
7位 福岡県 514,000人
8位 愛知県 478,610人
9位 神奈川県 418,390人
10位 山梨県 363,180人
出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査 平成29年1月~12月分(年の確定値)集計結果第3表
どちらも東京が圧倒的1位で、ベスト3の都道府県が共通しています。基本的に首都圏、大阪、福岡、愛知といった都市圏がランクインしています。
日本人のランキングにあって、外国人のランキングにないところは、静岡と長野。逆に外国人のランキングにあって、日本人のランキングにないところは、京都と山梨になります。
山梨は富士山ビューが人気と考えられますが、次のデータも参考になりそうです。山梨県に住んでいる外国人が選ぶ秋のベストスポットは、昇仙峡、西沢渓谷、富士河口湖畔のもみじ回廊となっています。
日本人と外国人のランキングの違いについて、さらにくわしく見てみましょう。
日本人・外国人が秋に観光で宿泊する都道府県ベスト5
さて、先ほどの宿泊者数ですが、観光庁が各宿泊施設に調査票の提出をしてもらってまとめた宿泊者の実人数になります。
その調査票には、実人数の他にのべ人数の欄があったうえで、次のような項目があります。「最近1年間に訪れた宿泊者の宿泊目的を延べ人数で見たおおよその割合(例えば、70%, 30%)でお答えください。A.観光レクリエーションB.出張、業務」。
これをもとに、各月の観光レクレーション目的の人数が推定されています。ざっくりしたものではありますが、参考に上位5位の人数をみてみます。
1位 北海道 3,115,550人
2位 千葉県 2,742,510人
3位 静岡県 2,453,720人
4位 沖縄県 2,366,710人
5位 長野県 2,276,270人
出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査 平成29年1月~12月分(年の確定値)集計結果第3表
第1位 東京都 1,275,630人
第2位 大阪府 1,058,780人
第3位 北海道 916,300人
第4位 京都府 679,640人
第5位 沖縄県 630,970人
出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査 平成29年1月~12月分(年の確定値)集計結果第3表
北海道と沖縄が共にランクインしています。秋の北海道は、気候が良くて景色がきれい、海の幸はおいしくなってくるうえ、夏のトップシーズンより安く旅行できるというのが魅力。沖縄は過ごしやすい季節になり、まだ海に入れるという絶妙なタイミングです。
日本人の方にランクインしている千葉は、房総がドライブに格好の時期で、東京ディズニーリゾートや成田前泊ユースも多そうです。また静岡と長野はやはり、温泉がしみる季節で人気を集めているでしょう。連休が多い秋に、首都圏からちょっと遠出するのにはいい距離感でしょう。
一方、外国人の方は京都がランクインしています。秋の京都といえば、日本人も大好きですが惜しくも6位でした。
外国人のランキングには、静岡と長野という日本人が温泉目当てであろうスポットが入っていないのが興味深いです。外国人の観光目的で人気の都道府県は、通年では東京、北海道、大阪、京都、沖縄の順で、順位は変われどベスト5は変わらないようです。
こんな風に、日本人と外国人が秋に宿泊する都道府県の違いがみえました。今年の秋も、北海道の宿泊者が戻ってくることを祈っています。