いわく付きとなった物件の事故履歴を帳消しにして、クリーンな空き部屋へと浄化(ロンダリング)するのが生業という御子(みこ)の成長物語を描いた『ルームロンダリング』のドラマ版が、いよいよ11月より放送されます。
去る1日、放送に先駆けて第1話の先行上映会が都内にて行われ、ヒロイン御子を演じた池田エライザさんと悟郎役のオダギリジョーさんのスペシャルトークショーが開催されました。
このたび、TABIZINEではイベント終了後の池田エライザさんを直撃! ドラマの見どころや、池田さんの旅にまつわるとっておきのエピソードを語っていただきました。
「ルームロンダリング」するために御子の叔父・悟郎が探してくるワケあり物件の先々で待ち受けているのは、幽霊となって部屋に居座るこの世に未練たらたらな元住人たち。映画でお馴染みの「津軽弁のパンクス」こと公比古のほか、ドラマ版には新たなキャラクターも登場。そして、昔、住み込んだ部屋のお隣さんだった亜樹人との恋にも、ついに進展が・・・!?
深夜ドラマの枠でも映画と同じクオリティ
池田エライザ(以下、池田):深夜ドラマの枠にも関わらず、映画と同じクオリティのままでやれちゃうものなんだ! と驚きました(笑)。映像もキレイだしお話も深くて。まさに映画の世界観がそのまま続いている感じがしてホッとしましたね。
御子ちゃんの衣装も映画で着ていたものが再び登場するんです。カニの仮装をしている「はぐむくん」はちょっぴり成長してしまって(笑)。3センチ背が伸びたと言っていました。映画版も手掛けられた片桐健滋監督も、より一層「監督らしく」カッコよくなられていて。
池田:そうですね。御子ちゃんが悟郎叔父さんに懐いているんだと思います。「やんちゃゴコロのある大人」という感じで御子ちゃんを見守ってくださるので、肩ひじ張らずに一緒に居られるんです。撮影中も面白いことを沢山されていて・・・。
池田:基本的には台本通りですが、現場はいたずらっ子だらけなのでお互いに笑わせあっていますね。
御子ちゃんは「ナチュラルボーンたらし」!?
池田:ふふ。春が来たんですよ、御子ちゃんにも。一応、(御子ちゃんが)自分で切ったということになっています(笑)。
池田:そう。そのときにボソボソ御子ちゃんが言ってるんですよ。本当は亜樹人に気づいて欲しくて・・・という思いもあるんだけど、表向きには「絵を描くときに髪が長いと邪魔だから」っていう可愛らしい言い訳も付けているんですよ。
池田:そんなわけないじゃないですか!
池田:そう。おそらく御子ちゃんは(映画版の最後で)「ありがとう。じゃ、またね」って言ってて、亜樹人が「え!? あれっ?」っていうところまでが映画版の『ルームロンダリング』なんです。
池田:ズルい女なんですよ、御子ちゃんは。
池田:そうなんですよ。自分に自信がないから相手の気持ちをなかなか受け止められないんですけど、御子ちゃん自身は「ナチュラルボーンたらし」みたいなところがあるんです。
池田:だって、お化けをたらしまくっているじゃないですか(笑)。
池田:「お化けたらし」だし、亜樹人に対してもそう。駆け引きができないから「一緒に食べるつもりで来たのに、なんで帰るの?」って訊いちゃうんです。
公比古がいない『ルームロンダリング』なんて寂しい
池田:どんなに成長しても御子ちゃんは「ヒュッ」て元に戻ってしまう瞬間があって。
池田:そうです、そうです! まさにそんな感じではあるんですが、カメみたいにゆっくりでもちゃんと歩いてはいるんじゃないかな。特に5、6話で悟郎叔父さんや公比古たちと一緒にいる時に、御子ちゃんがすごくホッとした表情を見せていて、内弁慶っぷりが全開になったりするんですよ。
池田:亜樹人に見せる可愛らしい顔とは違う、あっけらかんとした御子ちゃんが見られるのも、それまでの1~4話で少しずつ自分をほぐしてあげることが出来たからなんじゃないかな。だからこそ、5、6話を見ないのは本当にもったいない!
池田:しないですよ~! 公比古がいない『ルームロンダリング』なんて寂しいじゃないですか。
池田:1話では矢本悠馬さん扮する「元ヤクザのお化け」こと純也が床下から現れて、3話では「サンタクロースのコスプレをしたお化け」こと、生駒里奈さん演じる「まくず」が登場するのですが、回によって全然雰囲気が変わります。
池田:そう。ドラマ版は深夜枠なので、冒頭はダークで派手なんです。まずは映画版を観ていない人にも『ルームロンダリング』を幅広く知っていただいて、3、4話とストーリーが進んでいくにつれて、御子ちゃんがお化けに対して何をしているのか、それをすることによって御子ちゃんはどうなるのか、というところをしっかり描いているんです。
池田:セットとか衣装は全部映画版と同じなので、ドラマで興味を持たれた方に映画版もぜひ見ていただきたいです。
台本を読んだだけで涙が止まらなかったラストシーン
池田:実は5、6話はロードムービーの要素もあって、御子ちゃんも旅に出るんですよ! トラックの荷台に公比古と宇野祥平さん演じる「侍のお化け」こと三平太を乗せて、悟郎さんの運転で公比古のお墓がある青森まで行くんです。御子ちゃんは助手席で景色を眺めたり、コテージに泊まったり・・・。
池田:そうなんです。テーマは「ふるさと」なんですが、御子ちゃんには無いからよくわからないんです。それで悟郎さんに「ねぇ、ふるさとって何?」って訊くのが、5、6話の重要なテーマになっていて・・・。
池田:オチは言えないんですけど、とにかく悟郎さんがカッコイイんです! オダギリさんが「5、6話のオリジナルストーリーが好き」って言っていたのも、きっと出番が一番多いからだと思うんですよ(笑)。全てのオダギリさんファンがひれ伏すような素晴らしいシーンになっていると思います。
ラストシーンは、私も台本を読んだだけで涙が止まらなくて、「カット!」の声がかかった後もひとりで肩を震わせて嗚咽していたくらい(笑)。本当に大好きなシーンになりました。
池田:生まれ育った福岡と母方の実家があるフィリピンだと思います。でも、ある意味では中学1年生の時からお世話になっている(所属)事務所も「第2のふるさと」と言えるし、「おかえり」って言ってくれるところは、全部ふるさととして自分の中に残っていくんじゃないかな。
池田:両方に共通して言えるのが「人が温かい」ということ。南の国だからというのもありますが、みんなゆったりしてるじゃないですか。フィリピンの人たちは皆おおらかですし、愛情深い人が多い気がする。でも時にはそのルーズさが、いわゆるA型っぽい人だとちょっとイラっとすることもあるかもしれない(笑)。
池田:私はB型なので、何もしなくても誰にも怒られない南国の雰囲気が肌に合います(笑)。
旅に持っていきたいお気に入りの1冊
池田:うわぁ、いいですねぇ。今年ロンドンに旅行に行ったのですが、あえてあの曇天の空の下で、アルベール・カミュの『異邦人』とかを読んだら「dope(ドープ)」なんじゃないかな。「元祖サイコ」とも言うべき不条理を描いたあの作品を、夜の丘とかで読んでみたいかも(笑)。
あとは有名なトラファルガー広場もすごく本が読みたくなるスポットでしたね。今回の旅では世界遺産にもなっているバースやストーンヘンジにもバスツアーで行って、ウィンザー城まで1日で回ったので、本を読んでいる時間は全然なかったのですが・・・。
池田:あ、漫画を30冊くらい読んだかも。
池田:電子書籍で板垣巴留さんの『BEASTARS』(ビースターズ)とか、(映画からコミカライズされた)『空海 -KU-KAI-』とか。漫画だけでもスマホの中に3,000冊くらい入っているんです。
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ドラマで演じた役柄とは対照的に、ひとこと話すたびに表情がクルクルと変わる、とってもキュートな池田エライザさん。「ふるさと」にちなんだフィリピンの魅力や、今年訪れたばかりのロンドンと大好きな本にまつわる素敵なエピソードを紹介してくださいました。
ドラマイズム『ルームロンダリング』は、11月4日よりMBSにて毎週日曜深夜0時50分~、11月6日よりTBSにて毎週火曜深夜1時28分~放送予定。
公式サイト:https://www.mbs.jp/roomlaundering/
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