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【連載】ベストシーズンを迎える海外の旅先 <3月編 ネパール>

Posted by: 春奈
掲載日: Mar 1st, 2019.

この連載では、1ヵ月ごとに、その月にベストシーズンを迎えるおすすめの海外の旅先を紹介していきます。この記事が、みなさんにとって新たな旅先発掘のきっかけになることを願って。第3回目となる3月におすすめの旅先は、神秘の国ネパール。知られざる魅力に迫りましょう。

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この連載では、1ヵ月ごとに、その月にベストシーズンを迎えるおすすめの海外の旅先を紹介していきます。この記事が、みなさんにとって新たな旅先発掘のきっかけになることを願って。

第3回目となる3月におすすめの旅先は、神秘の国ネパール。首都のカトマンズやその周辺に広がる世界遺産の歴史ある街並み、手つかずの雄大な自然など、知られざる魅力に迫りましょう。


神秘の国ネパール

ネパールは、インドと中国というアジアの大国に挟まれた内陸国。日本のような島国ではありませんが、険しい山々に囲まれながら、独自の伝統文化を守ってきたため、「陸の孤島」と称されます。数百年も前から変わらない古色蒼然とした街並みや、手つかずの雄大な自然は、別世界に迷い込んだかのような非日常感を与えてくれます。

ネパールといえば、2015年の大地震が記憶に新しいところですが、主要な歴史的建造物は復興を遂げ、電気やインターネットなどのインフラも向上。首都カトマンズは、ロンリープラネットが選ぶ「2019年に行くべき世界の都市(Best in Travel 2019 – Top Cities)」で第5位に選ばれました。傷跡から少しずつ立ち直りつつあるネパールに、いま再び注目が集まっています。

神々の棲む街カトマンズ

中東部に位置するカトマンズは、200万以上の人口を抱えるネパールの首都。国土の大部分を山岳地帯が占めるネパールにあって、カトマンズ周辺には盆地が広がっていることから、古くから文化の交流が生まれ、仏教やヒンドゥー教の聖地が誕生。「人よりも神々のほうが多く住む街」と呼ばれるようになり、1979年には「カトマンズ盆地」として世界遺産に登録されました。

カトマンズ観光の中心地が、「王宮広場」の意味をもつダルバール広場。その名の通り、旧王宮が建つ広場で、いくつもの寺院や、クマリの館など、カトマンズを代表する歴史的建造物がひしめき合っています。運が良ければ、生き神として崇められる少女「クマリ」が、館の窓から顔をのぞかせる瞬間が見られるかもしれません。

カトマンズ郊外の見どころのひとつが、ネパール最古の仏教寺院といわれるスワヤンブナート。緑に囲まれた小高い丘の上に建つ寺院で、世界を見守るブッダの眼が描かれた黄金色のストゥーパ(仏塔)が印象的です。

無数の猿が暮らしているため、別名は「モンキーテンプル」。猿のいる寺院の風景も独特の風情があるものですが、荷物を盗られないようご注意を。

古都パタンとバクタプル

世界遺産のカトマンズ盆地には、カトマンズ以外にも2つの都市があります。それが、古都パタンとバクタプル。いずれもカトマンズから日帰りで足を延ばせるところにありますが、都会の喧騒を感じるカトマンズに比べるとずっと静かで、しっとりとした古都の情緒が楽しめます。

パタンは299年に造られたといわれるカトマンズ盆地で一番古い街で、中世の時代にはマッラ王国の都として栄えました。正式名称は、「ラリトプル(美の都)」。その名の通り、古くからこの地に住んでいたネワール族の芸術文化が花開いた街で、寺院や民家に施された優美な彫刻の数々に目を奪われます。

「信仰の街」の異名をもつ古都バクタプルは、カトマンズ盆地で最も中世の景観を残している街。田園地帯の小高い丘の上にあるため、近代化の波を受けず、数百年ものあいだ変わらない風景がそのままに残っているのです。カトマンズとパタンにもダルバール広場がありますが、ネパールで最も美しいといわれるバクタプルのダルバール広場は、ネパール観光のハイライトのひとつになるでしょう。

癒し系の湖畔の街ポカラ

「ネパール中西部の宝石」とも呼ばれるポカラは、カトマンズの西200キロのところに位置するネパール第2の都市。ヒマラヤ山麓と湖のほとりに位置し、第2の都市だというのが信じられないほど、喧噪のカトマンズとは別世界ののどかな田舎街です。

目立った観光スポットがあるわけではありませんが、街にいながらにして富士山をゆうに超える7000メートル級の山々と湖が織りなす絵ハガキのような風景を見ることができ、癒しパワーは抜群。カトマンズよりも静かで、物価が安く、居心地のよいカフェなどもたくさんあるポカラは、のんびり過ごすにはうってつけの場所なのです。

アンナプルナ方面のトレッキングの拠点でもあるポカラ。アウトドア派なら、ポカラ発のトレッキングツアーに参加して、ネパールの大自然を堪能するのもいいですね。

世界遺産チトワン国立公園

ネパールといえば山のイメージが強いですが、「ヒマラヤトレッキングはハードルが高い」という人もいることでしょう。タライ平原に位置するチトワン国立公園なら、アウトドア初心者でも、気軽にネパールの大自然とふれ合うことができます。

チトワン国立公園は、ネパールに7カ所ある国立公園のひとつで、かつてはネパール王家の狩猟地でした。ジャングルにはトラやサイ、シカなど、約50種類のほ乳類、500種以上の野鳥などが生息しており、1984年には世界自然遺産に登録されています。

そんなチトワン国立公園での一番のお楽しみが、エレファントサファリ。ゾウの背中に乗ってジャングルに分け入るだけでも興奮ものですが、いつどこで出会えるかわからない野生動物との遭遇は格別。動物園で見るのとは、感動の度合いがまったく違います。

ネパールの気候

標高差の激しいネパールには、標高によって亜熱帯性気候から高山の極地気候まで、5つの気候帯があります。カトマンズとポカラは温帯性気候と亜熱帯性気候で、一番寒い1月でも、日中なら長袖シャツで過ごせます。

ネパールの季節は、6月~9月の雨期と10月~5月の乾期に分けられ、旅行により適しているのは雨が少ない乾期。そのなかでも、暑すぎず、寒すぎず、過ごしやすい気温の3~4月と10~11月がベストシーズンです。ヒマラヤが美しく見えるこの時期は、トレッキングなどにも適しています。

ネパールは、神々しいまでの大自然を擁する国。首都カトマンズ周辺からでさえも、美しい山々の稜線を望むことができます。せっかくなら、ベストシーズンに出かけて、青空をバックにした孤高の山々の風景を眺めたいものですね。

ベストシーズンシリーズ、以下もあわせてぜひ。

『2019年に行きたい海外の旅先12選 ~ベストシーズンの月とともに~』
『【連載】ベストシーズンを迎える海外の旅先 <1月編 スリランカ>』
『【連載】ベストシーズンを迎える海外の旅先 <2月編 ランカウイ島・ペナン島>』

[All Photos by shutterstock.com]

春奈

Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。


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