ベトナム中部に位置する古都ホイアンは、ベトナムで最もフォトジェニックな街。最旬リゾート・ダナンから日帰りできる観光地として、注目度上昇中です。こぢんまりとした街ながら、旧市街全体が世界遺産に登録されており、観光にカフェに、ショッピングにと、楽しみが満載。行けばきっと魅せられる、ホイアンでしたい8つのことをご紹介します。

ランドマークの日本橋と対面

世界遺産の古都ホイアンのシンボル的存在が、「日本橋」の愛称をもつ「来遠橋（らいおんばし）」。1593年に建設された屋根付き橋で、ベトナムの2万ドン札にも描かれているほどの名所です。

「日本橋」の異名をもつようになったのは、この橋が当時ホイアンに住んでいた日本人によって造られたといわれているから。中には小さな寺があり、橋の両側を可愛らしい申と犬の像が守っています。

天井からは、カタカナで「ホイアン」と書かれたちょうちんがつるされており、日本とのつながりを実感することができますよ。

歴史的建造物めぐり

誰もが驚くような派手な見どころはないかわり、ホイアンは天井のない博物館のような街。パステルイエローに彩られた旧市街には、古い邸宅や寺院、会館といった歴史的建造物がひしめき合い、中継貿易都市として栄えたころの面影を今に伝えています。

ホイアン旧市街で目を引くのが、この地に移り住んだ華僑たちが出身地ごとに建設した「会館」と呼ばれる集会所。ホイアンには福建会館、潮州会館、廣肇会館などいくつもの会館があり、優美な彫刻や華やかな色使いなどでその美しさを競っています。

名物ホワイトローズにトライ

小さな街でありながら、ホイアンにはいくつかの名物グルメがあります。そのひとつが名前も麗しい「ホワイトローズ」。ホワイトローズとは、米粉の皮にエビのすり身餡を包んだ蒸し餃子のことで、薄く透き通った皮が見た目にも美しい一品です。

ホイアンにはホワイトローズを出す店が多数存在しますが、ホワイトローズの製造を一手に担っているのが、旧市街の北に位置する「ホワイトローズ」。一日2000個、ホイアンで食べられるホワイトローズのほとんどがここで作られているというから驚きです。くにゅっとした独特の食感の皮と、エビのうまみが詰まった餡との、絶妙のハーモニーをお試しあれ。

おしゃれカフェめぐり

街歩きにもひけを取らないほどのホイアンのお楽しみが、カフェめぐり。ホイアンには、ノスタルジックな建物を利用して、ベトナムとヨーロッパの要素を融合させたおしゃれカフェがたくさんあるのです。

ホイアンを代表するカフェとして有名なのが、「ホイアンロースタリー」。ホイアン市内に６店舗を構える名物カフェで、ビストロ併設のリバーサイド店の上階からは、トゥボン川のパノラマも楽しめます。

一方、路地裏にたたずむ隠れ家カフェが「エスプレッソステーション」。ここにあると知らなければなかなかたどり着けない一軒家カフェで、空間もメニューもフォトジェニック。凍らせたコーヒーにミルクを注いで飲むアイスキューブコーヒーやピンクラテなど、見た目もユニークなドリンクが楽しめます。

ホイアンのカフェについては、『ランタンで有名なベトナム・ホイアン旧市街で訪れたい！お洒落カフェ４選』もあわせてぜひ。

こだわりショップ＆市場でショッピング

外国人旅行者が多いホイアンは、おしゃれなベトナム雑貨も充実。なかでも人気を集めているのが、「サンデーインホイアン」。「週末の女性のライフスタイル」をコンセプトにしたキュートなセレクトショップで、西洋的な雰囲気を加えたベトナム雑貨は、主張しすぎずどんなインテリアにも合わせやすいのがポイントです。

こだわり派のセレクトショップとあわせてチェックしたいのが、ホイアン市場。ローカルなたたずまいの市場ですが、竹やココナッツの小物入れやラタン製品など、意外にもハイセンスなアイテムが潜んでいます。

定価がないので交渉は必須ですが、セレクトショップに比べると値段が安く、ばらまき土産の調達にもぴったり。ダナンの市場よりもホイアンの市場のほうが、ベトナムらしい小物類が充実している印象です。

幻想的な夜の街を散策

ホイアン旧市街が、最も美しくきらめくのが、夜。色とりどりのランタンにあかりが灯り、街全体が幻想的なムードに包まれます。ホイアンといえば、毎月旧暦の14日に開催される「ランタン祭り」が有名ですが、祭りの日でなくても、美しいランタンの競演が楽しめます。

ロマンティックなディナーを楽しみたいなら、ぜひ「カーゴクラブ」など、トゥボン川に面したレストランのテラス席を予約して。

ライトアップされ、ひときわ厳かな姿を見せる夜の来遠橋（日本橋）も必見です。

トゥボン川のボートに乗る

夜の旧市街散策とともに楽しみたいのが、トゥボン川の手漕ぎボート。昔ながらの木造の手漕ぎボートで橋の下をくぐる瞬間は、なかなかスリリング。船上から見る旧市街の風景は格別です。

おすすめの時間帯は夕暮れ時。日が暮れ始めるとあっという間に真っ暗になってしまうので、サンセットタイムにボートでの遊覧を楽しみたいなら、少し早めに旧市街に到着するといいでしょう。ボートからは灯篭流しにもトライできます。

市街地から離れてリゾートステイ

街歩きのイメージが強いホイアンですが、中心街を離れると、そこは田園風景が広がるのどかなリゾート地。ホイアン郊外は宿泊費も安いので、あえて中心部から離れてリゾートステイを楽しむのもおすすめです。

宿泊施設によっては、旧市街への無料送迎サービスがありますし、なかったとしても、そこはタクシー料金の安いベトナム。足に困ることはありません。いつも賑やかな街なかに滞在するよりも、中心部から少し離れたほうが、リラックスしたひとときが過ごせるはずです。

数百年も前から時間が止まってしまったかのような、情緒あふれる街並みが魅力のホイアン。ダナンから日帰りで訪れる人も多いですが、時間が許せば2泊、3泊とのんびりと滞在して、独特の雰囲気をじっくりと味わいたいものです。

[All photos by Haruna]
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『世界遺産の古都、ベトナムのホイアンで時間旅行を楽しむ』も要チェックですよ。

春奈

Haruna ライター

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。