
アングロ・サクソン時代はウェセックス王国の首都であったウィンチェスター。当時はロンドンと同じくらい栄えていたそうです。巡礼地として知られた英国最大規模のウィンチェスター大聖堂は、映画「ダ・ヴィンチ・コード」の撮影に使われたスポット。中世の雰囲気が残るこじんまりと心地よい街は、日本に例えるなら「鎌倉」です。
英国最古のパブリックスクール「ウィンチェスター・カレッジ」

1382年に開校した現存する最古のパブリックスクールです。ウィリアム王子も通ったイートン校の60年も前に設立されました。
黒死病で人口が大幅に減り、聖職者の養成を目的として始まった学校です。当時の入学の資格は生徒の親の収入が低いことだったそうです。

女子禁制の環境で、唯一生徒と関りを持つことになったのが洗濯女です。生徒たちがわき目もふらず勉強するために、不美人が選ばれていたとか!
そんな話をききながら、OBによる45分間のガイドツアーが進みます。

14世紀に建てられた、学校の中で最も重要な建物であり続ける教会の内部に入るのは、かなり特別な機会に思われました。
他にも、ハリーポッターの食堂のモデルとなった職員用の食堂や、映画「レ・ミゼラブル」のロケで使われた礼拝堂なども見ることができます。
なお、ガイドツアーの料金£8は現金のみ受け付けています。ATMは街の中心部まで歩いて10分のところにあるので用意してから向かいましょう。ガイド参加者が使えるお手洗いはありません。荷物は鍵のかかる倉庫内に保管してもらえます。
ナショナル・トラストの粉ひき所「ウィンチェスター・シティ・ミル」

ここは、17世紀につくられた粉ひき所を再現したところです。建物取り壊しの危機やユースホステルだった時代を経て、2004年に90年ぶりに復活しました。
土日は粉ひきの実演をしています。施設内に入るなり、ボランティアガイドさんがやってきて説明を始めてくれます。

小麦を上から入れると、石臼の真ん中に少しずつ注がれます。2つの石のプレートの間で挽かれた小麦は、粉になってプレートの外側に出てきます。

最初は小麦が石臼の真ん中に注がれるまでを見学します。


地下では、それが袋に出てくるまでを見ることができます。動力は水車です。
イッチン川の水流がものすごい勢いであることが実は一番印象に残りました。ガイドの方によると、古代ローマ時代に、人工的に川の流れを変えたせいだということでした。2000年前の話ですが。

こちらのウィンチェスター・シティ・ミルでは挽きたての小麦粉を販売しています。小麦を丸ごと挽くので全粒粉の状態で出てきます。パンなどに最適な質感に仕上がるそうです。
工業用では、段階的に種類の違う鉄のローラーの間を順々に通過していきます。それによって表皮など取り除かれ、精製されます。全粒粉にする場合は、一度分けたものをまた合わせるのだそうです。
おすすめスポット:パン屋さん「ホクストン・ベイクハウス」


アーティザンのパン屋さん「ホクストン・ベイクハウス」。
ウィンチェスター・シティ・ミルの小麦粉を使ったパンを買うことができます。粉のうまみがしっかり感じられる、しっかり噛み締めたいパンでした。
地元民からは、すぐ売り切れるという「カントリー・ブレッド・サワドー」をすすめられました。サワドーはフランスパンのような食感のパンです。シーソルトが効いていて、美味しくて食べすぎました。
おすすめスポット:カフェ「フォルテ・キッチン」

ランチに地元民からすすめられたのが、「フォルテ・キッチン」。中がほどよく力の抜けたおしゃれ具合でした。

こぶりながら本格的なハンバーガーを満喫しました。
おすすめスポット:イーチン川沿いの遊歩道

聖十字救貧院のあたりから街の中心部に伸びる川沿いを散歩するのが最高でした。釣り人たちが釣り糸を垂れているのを眺めたり、散歩中の犬がじゃばじゃば川に入ったりするのを横目にぶらぶら進みます。

近くには木の枝を壁に沿わせている家が多いのも素敵でした。ロンドンから100kmほどの距離なので気軽に行けますよ。
[All photos by Shio Narumi]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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