ときには刺激的だったり、ときには爽やかだったり。
ピリッとした辛味と芳醇な香りが織りなすスパイス。
食べた瞬間から、舌と胃だけでなく細胞まで熱くしてくれるスパイスはもはや快楽性物質ではないでしょうか。
ところでここ数年、“スパイスカレー”なるものが大阪で爆発的なブームを巻き起こしており、大阪名物の新定番として注目されています。
さらにそのムーブメントは東京にも飛び火し、専門店が続々と登場。その勢いはとどまることを知らず、大阪に負けない盛り上がりを見せているんですよ。
今回の特集では、そんな東京でも食せる魅惑のスパイスカレーをピックアップ。
第1回は、大阪スパイスカレーブームの立役者とも囁かれる「旧ヤム邸 シモキタ荘」をご紹介しましょう!
スパイスカレーの定義とは?
さて、そもそも「スパイスカレー」ってどんなものなのでしょうか?
某店主によれば、スパイスカレーの発祥は大阪・北浜にある「カシミール」というお店とのこと。その独創的な味に影響を受け、数々の名店が大阪で誕生。カレーマニアの枠を超えて幅広い層に親しまれるようになったのだそう。
一方、東京にも以前からスパイスカレー的なカレーを提供するお店は存在していたようなのですが、数も少なく今日のようなブームにはならなかったとのこと。
さらにスパイスカレーには以下のような特徴があることも判明しました。
・基本はライス。
・野菜やアチャール(インド版漬物)がトッピングされたワンプレートスタイル。
・スパイスやハーブはお店独自で調合。
“これといった決まりはない”とも言えるスパイスカレー。この自由なスタイルこそが個性ある味わいを生むのかもしれません。
行列が絶えない超人気店
下北沢駅から歩くこと7分にある「旧ヤム邸 シモキタ荘」。大阪に3店舗を構え、スパイスカレーブームを牽引してきた「旧ヤム邸」の東京1号店です。筆者が訪問した土曜日はランチタイム終了間際ながらも10人ほどのお客さんが並んでいました。
ランチメニューは月替わり
カレーは毎月新しいメニューが登場。季節に合わせて具材や味付けが変わるのだそう。フランス料理のような長いネーミングに味への期待もますます膨らみます!
古民家を改装したという店内はどこか懐かしい雰囲気。アンティークな雑貨や柱時計が配され情緒たっぷりです。
「ラッシー/450円」。濃厚ながらもすっきりした甘味と酸味。カレーとの相性もバッチリ。
スパイスと和素材が奏でる、唯一無二のキーマカレー
キーマカレー3種を味わえる「ぜんがけ/1,350円」に「パクチー/200円」をプラスしてオーダー。左上にあるのは和風ダシをベースにした「ヤムカレースープ」。食べ進める途中でお皿に注げば香りや味の変化を楽しめます。
中央にターメリックライスが鎮座。ちなみに玄米もセレクト可能です。キーマカレーそれぞれに惣菜がトッピングされているのが「旧ヤム邸 シモキタ荘」の特徴。まるでアート作品のようなビジュアル感にうっとり…。
「しらす明太カブおろしがけ、シマチョウ煮込みの味噌トマポークキーマ」。柔らかく濃厚なシマチョウにトマトの酸味が見事にマッチ!さらに明太子の深みとカブおろしの清涼感がアクセントに。
「枝豆山椒ディップのせ、春のキャベツ入り!グレフル系鶏キーマ」。鶏キーマにキャベツの甘味とグレープフルーツの酸味がプラス。山椒の香り豊かな枝豆ディップとも絶妙なコンビネーション。
「ピリッとチリチーズと食べる、ミルキーグリーンな牛豚キーマ」。牛豚キーマはミルクのまろやか感とほうれん草のコクが調和。チーズの濃厚でピリッとした辛味とカルダモンの爽やかな香りも際立ちます。
総評:カレーの常識を覆す、独創的な素材使いに脱帽!
スパイスに意外な和素材を組み合わせるなど、カレーの既成概念にとらわれない独創性は唯一無二。一皿で多彩な風味や味、クリエイティビティなコンビネーションを体感できるのが魅力に感じました。
月ごとにメニューが登場するので、何度でも通ってしまいたくなるほどの魔力に溢れた名店であること間違いなし!
住所 東京都世田谷区代沢5丁目29−9
電話番号 03-6450-8986
営業時間 平日11:30-15:00(LO14:30) 18:00-22:00 (LO21:30)土日祝11:30-15:30 (LO15:00)17:30-22:00 (LO21:30)
定休日 火曜日
https://twitter.com/kyuyamshimokita
[All photos by Nao]
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