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ドイツのなかの異国に出会う、ザクセン州の美しい5都市をめぐる旅

Posted by: 春奈
掲載日: Jun 22nd, 2019.

東ドイツのザクセン州は、「ドイツのなかの異国」とでもいうべき、多様な文化に彩られた土地。バロックの街並みが美しい古都ドレスデンが有名ですが、そのほかにもドイツの少数民族が暮らす城塞都市など、エキゾチックな風景が点在しています。知らなかったドイツの表情に出会える、ザクセン州の美しい5都市をめぐりましょう。

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エキゾチックな東ドイツ・ザクセン州

東ドイツの東南部に位置するザクセン州は、サクソン人が住んでいた地域。チェコとポーランドとの国境に位置し、ドイツのほかの地域とは一味違う、独自の文化と景観を誇ります。

州都ドレスデンは、壮麗なバロック様式の街並みが印象的なドイツ屈指の古都で、芸術と音楽の都。最大都市ライプツィヒは、バッハをはじめ、そうそうたる音楽家が活躍した、音楽と学芸の町。さらに、マイセン磁器のふるさとや、スラブ系の少数民族であるソルブ人が暮らすポーランドとチェコとの国境沿いなど、見どころは多岐にわたります。

牛肉煮込みのドレスデン風ザウアーブラーテンや、チーズケーキの一種アイアーシェッケ、希少なザクセンワインなど、独自のグルメに出会えるのも魅力。「ドイツのなかの異国」とでもいうべき、多彩な文化や風景との出会いが待っています。

ドレスデン

ザクセン州の州都ドレスデンは、かつてザクセン王国の都が置かれた古都。アウグスト強王らが完成させた壮麗な街並みは、「エルベ川のフィレンツェ」「百塔の都」と称えられました。

ドレスデン観光の中心となる旧市街は、壮麗なバロック様式の建造物が並ぶ重厚なたたずまい。第二次世界大戦でがれきの山と化したもの、戦後時間をかけて再建され、かつての美しい姿を取り戻しています。

音楽と芸術の都として名高いドレスデン。世界で最も美しい歌劇場といわれる「ゼンパーオペラ」や、ツヴィンガ―宮殿内の「アルテマイスター絵画館」、マイセン磁器の名品に会える「陶磁器コレクション」など、ザクセンのハイレベルな芸術文化に触れられるスポットが充実。ザクセン王家の財宝が並ぶ、レジデンツ宮殿内の「緑の丸天井」も見逃せません。

ドレスデン復興のシンボルとして輝きを見せているのが、フラウエン教会。できる限りオリジナルの資材を用いて元の姿に忠実に再現され、今日では和解と平和の象徴となっています。

旧市街のみならず、ドレスデンは新市街や近郊にも見どころがいっぱい。「世界で最も美しい牛乳屋さん」と称される新市街の「ドレスナー・モルケライ・ゲブリューダー・プフント」、近郊のモーリッツブルク城やピルニッツ宮殿、ザクセン・スイス国立公園など、楽しみは尽きません。

ライプツィヒ

ライプツィヒは、ザクセン州最大の人口を抱える学芸の町。中世の時代から商業や金融で栄え、1409年には、ゲーテやニーチェ、森鴎外が学んだライプツィヒ大学が創立。1650年には、世界で初めての日刊紙が創刊されます。

ドレスデンと並び称される音楽の都としても有名、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は、世界最古の民間オーケストラ。本拠地のゲヴァントハウスでは、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、ワーグナーといった、そうそうたる音楽家が活躍しました。

13世紀創建のトーマス教会は、バッハが指揮をとったことで有名。1723~1750年まで、トーマス教会の音楽監督を務めたバッハは、「マタイ受難曲」などの名曲を生みました。その功績を称え、トーマス教会の向かいには、バッハ博物館が開設されています

ライプツィヒは、ドイツにおけるカフェ文化発祥の地。バッハにちなんだコーヒーやケーキがある「カフェ・カンドラ―」など、この町ならではのクラシカルなカフェ文化を体感してください。

マイセン

ドレスデンの北西約30kmに位置するマイセンは、小さくも美しい城下町。マイセン磁器のふるさととして知られ、有田焼で有名な佐賀県有田町とは姉妹都市の関係にあります。

マイセンのシンボルが、町を見下ろす高台に建つアルブレヒト城。アウグスト強王の命により、宮廷錬金術師ベトガーがヨーロッパ初の白磁を発明したのは、1709年のこと。白磁製造の秘密を守るため、アウグスト強王はベトガーをアルブレヒト城に幽閉し、1710~1864年まで、この城でマイセン磁器の製造が行われていました。

1865年、マイセン磁器工房は町外れに移転。現在では、見学用工房に磁器博物館、世界最大のマイセンショップ、カフェやレストランを備えた、マイセンのすべてが堪能できる施設になっています。2019年末まで、ベトガー没後300年を記念した特別展を実施中。

中世の面影を残す、可愛らしい旧市街の町並みとあわせて、マイセン磁器の華麗なる世界をのぞいてみてください。

バウツェン

バウツェンは、ドイツの少数民族ソルブ人が暮らすラウジッツツ地方の中心都市。約4万人のソルブ人が暮らしており、道路標識などはドイツ語とソルブ語が併記されています。

塔と城壁に囲まれた旧市街が見どころで、フリーデンス橋の上から眺める城塞都市は、数百年ものあいだ時を止めているかのよう。21世紀の現代に、こんな街並みが残っているとは・・・!

旧市街の中心は、中央広場。広場に面して市庁舎が建ち、その奥には、珍しいカトリックとプロテスタント両派の聖堂であるザンクト・ペトリ大聖堂がそびえています。ドイツでありながら、建物のシルエットや色使いなどに、異国の雰囲気を感じるはず。

旧市街の高台にそびえるオルテンブルク城内には、ソルブ人の文化を紹介するソルブ博物館があり、この地方の民族衣装や、独特の色合いと精緻な模様が印象的なイースターエッグは必見です。

ゲルリッツ

ゲルリッツは、ポーランドとの国境に接する町。ゲルリッツからナイセ川に架かる橋を渡れば、そこはもうポーランドです。

戦争の被害が大きかったドイツにあって、戦火をほぼ逃れたゲルリッツは、東ドイツで最も美しいといわれる古都のひとつ。

町にはゴシックやバロック、ユーゲントシュティール様式の堂々たる建造物が混在し、しばしば映画の撮影が行われるため、「ゲリウッド」とも呼ばれます。1913年に閉館したゲルリッツデパートは、2014年公開の映画「グランド・プダペスト・ホテル」のロケ地となり、一躍有名になりました。

観光のハイライトは、市庁舎やシュレジア博物館のあるウンターマルクト周辺と、ライヒェンバッハ塔や聖三位一体教会が建つオーバーマルクト周辺。市内には、3500もの歴史的建造物が並び、天井のない博物館の様相を呈しています。

日本でドイツ旅行といえば、南ドイツのバイエルン州が一番人気ですが、郷土色豊かなドイツは、土地ごとに異なる趣が感じられる国。歴史に裏打ちされた、重厚な美しさをもつザクセンで、自分だけの旅を楽しんでみませんか。

[All Photos by shutterstock.com]

春奈

Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。


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