紅葉ドライブも楽しめる八幡平
標高1614mの八幡平はなだらかな高原が続く山塊で東北地方の紅葉の名所。全長27キロの八幡平アスピーテラインも、岩手山や八幡平の山並みを遠望しながらドライブが楽しめるルートです。
その途中にあるアスピーテライン頂上駐車場が八幡平登山の入り口です。ここにはレストハウスがあり、レストランやお土産店、休憩所もあるほか、八幡平周辺の観光情報も得ることができます。
八幡平は日本百名山のひとつですが、そのなかでももっとも簡単に登れる山かもしれません。駐車場から30分もあれば山頂にある展望台に行くことができるからです。
八幡平を歩き紅葉を楽しむ
もっとも簡単に登れる百名山とはいえ、山頂往復だけでは八幡平を歩いたとはいえません。おすすめの散策は半日かけて八幡平のシンボル・八幡沼からもうひとつの展望所・源太森へ向かい、さらに黒谷地湿原に至るコースです。
山頂周辺にはたくさんの池や沼が見られます。これらは太古の昔に水蒸気爆発によって形成された火口に水がたまったものだといい、これらの池や沼が映し出す青空と樹木が八幡平の特徴です。こちらは山頂に向かう途中の鏡沼。
鏡沼を過ぎるとまもなく山頂展望台。あまりに平らなのでまったく実感がありません。かつては盛り土されていたそうですが、やがてそれも崩れてしまったため展望台が作られたといい、現在の展望台は2代目になるそうです。
展望台からの景色もほぼ平らです。八幡平という地名は、1200年前、蝦夷征伐でこの地を訪れた征夷大将軍の坂上田村麻呂が、この景色に感激し山頂で戦の神様である八幡大菩薩に戦勝祈願と戦勝報告を行ったとする伝説に由来しています。
八幡沼は八幡平の中でもっとも大きな池で周囲1.5キロ。1時間ほどあれば歩いて回れます。天気が良い日は展望台から鳥海山や岩手山などを望むことができます。
八幡沼の周囲には湿原が広がり、散策は木道を歩きます。春はミズバショウ、夏はニッコウキスゲにヒメシャクナゲやコバイケイソウ、秋は草紅葉と、湿原では四季それぞれの草花を楽しむことができます。
紅葉の見ごろは9月下旬から10月の上旬にかけてでしょうか。アスピーテライン周辺は10月中旬まで紅葉を楽しむことができます。
八幡沼から30分ほどで八幡平山頂とは別のもうひとつのピーク・源太森に着きます。標高は1595m。とはいってもほんのわずかな登りなのです。
源太森から見える八幡沼。わずかにここが高くなっているのが分かります。
さて源太森からさらに東の黒谷地に向かいます。しばらくすると下り坂に。初めて傾斜のある場所と景色が広がります。
周辺にはここかしこにリンドウの花が咲いていて秋を感じさせます。
そして上を見上げると赤く染まったナナカマド。赤い色はナナカマドだったのですね。
ふたたび視線を下に落とすと登山道のかたわらにはシラタマノキでしょうか。確かではありませんが、可愛らしい白い花が咲いていました。
源太森から30分ほど下ってくると黒谷地湿原に到着です。八幡沼周辺から一段低くなっています。
この黒谷地湿原は太古の昔の噴火によって、川がせき止められてできた湿原なのだそうです。周囲には池塘も見え、展望所や木道も整備されて歩きやすくなっています。黒谷地湿原から折り返して登山口に戻りましょう。これで合計4時間ほどの散策になります。
野趣あふれる藤七温泉
登山口から歩いて20分ほど下った標高1400mの地点にあるのが、藤七温泉彩雲荘です。山小屋と違って個室になります。とはいえ個室にテレビはありません。こちらの宿の魅力はなんといっても開放感あふれる露天風呂と食事なのです。
上から見下ろすと建物の右下にいくつもの露天風呂があるのが分かります。すべて混浴ですが、女性専用の露天風呂もありますのでご安心を。もちろん男女別の内湯もあります。
高く澄み渡った青空と紅葉の下、野趣あふれる露天風呂は、すべて源泉かけ流しの単純硫黄泉。温泉成分が溶け出した泥が湯床に堆積して、それらを使って泥パックができます。手足や顔にすりこんでよく洗うとすべすべになるのです。
©藤七温泉彩雲荘
たくさんのおかずが並ぶバイキング
実は藤七温泉、露天風呂とともに評判なのがバイキングで頂く夕食。決しておしゃれではありませんが、八幡平の山の幸はもちろん、きりたんぽや蕎麦など東北の家庭で頂くような料理がずらっとテーブルに並びます。
こちらは鶏むね肉の酒蒸しに、山菜ちらし寿司。
さらにトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼに、野菜スティックなどなど。
結局あれもこれもと、こんなに盛り付けてしまいました。ちなみに朝食の漬物バイキングも魅力的なのです。藤七温泉彩雲荘は温泉を満喫したい方、そして東北の美味しいものを色々と頂きたい方にはおすすめの宿なのです。