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CAのフレンドリーさは世界一!? 国際線と国内線を乗り倒して感じたマレーシア航空の魅力

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Sep 21st, 2019.

同じ航路に複数の航空会社が飛行機を飛ばしている場合、どのように便を選択していますか? 値段、安全性や会社(その背後にある国家)のイメージ、機内食の充実度など、さまざまな点を総合して検討していると思います。プラスしてキャビンアテンダント(CA)の人当たりや接遇を重視する人もいると思いますので、今回はとりわけCAの人がらに素敵な印象のある、マレーシア航空の魅力を紹介します。

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「このTシャツのブランド、私も好きです」と気さくに握手を求めてくるCA

今まで筆者は、CAの接遇に何度も心を打たれた思い出があります。キャセイパシフィック航空のCAには、傷心旅行の痛みを分かち合ってもらった思い出がありますし、チャイナエアライン(中華航空)のCAには、フライト後にアムステルダムのおすすめカフェを個人的に教えてもらった経験もあります。もちろん日系の航空会社のCAも素晴らしく、立ち居振る舞いは圧倒的に洗練されている感がありますよね。

ただ、どの会社のCAにも、どこかかしこまった「演者」の部分があって、容易には乗客に素の部分を見せようとしないプロの職業意識を多かれ少なかれ感じます。もちろん、この訓練された振る舞いは疑いなく見事に美しいのですが、旅先で疲れや緊張がある場合、余計に「距離」や「緊張」「よそよそしさ」を感じる場合があると思います。

その点、マレーシア航空のCAは、容易に素の部分を見せてくれる場合が多い印象があります。先日、成田とクアラルンプールの国際線の往復、クアラルンプールからクアラ・トレガンヌの国内線往復に取材で乗ったときも同じでした。

どのフライトにも共通して感じた好感ポイントは、CAの距離感の近さ。例を挙げればきりがありませんが、筆者が着ていたのTシャツのロゴを見て「私もこのブランドが大好きです」と男性CAが握手を求めてきたり、筆者が手に提げていたマレーシア政府観光局のバッグを見て、「何かイベントがあったのですか?」と女性CAが話しかけてくれたり。

Baggage Reclaim(手荷物受取所)で、筆者がスーツケースの返却を待っていると、機内でサービスを対応してくれた女性CAが、自分の荷物を受け取った後で再び話しかけてくれる出来事もありました。この距離感は、日系の航空会社に勤務するCAには、期待できない近さですよね。

いい意味でCAも普通の人だと感じさせてくれる

クアラルンプールからクアラ・トレガンヌ行きの国内線航路では、悪天のため着陸に2度失敗して、引き返したフライトがありました。乱気流にもまれて、機内の乗客からは悲鳴が何度も上がります。

クアラルンプールに着陸すると、筆者と同行していたイタリア人の女性ジャーナリストが泣き始めます。最悪の事態を連想させるくらいのフライトだったわけですね。その泣く姿を目にすると、マレーシア航空のCAは立場を超えて、年来の旧友のように寄り添っていました。

同日の深夜に再出発したクアラ・トレガンヌ行きの便では、前の便の悲惨さをみんなでCAに伝えます。誰もかれも、気分が変な感じで高ぶっていました。新しいメンバーに変わったCAたちは「Oh, really?」と目を丸くして、友だちのような距離感で会話の相手になってくれました。

こうした「気さくさ」やある種の「軽さ」を、マイナスに感じる人も、もちろんいるはずです。CAはもっと高根の花でいてほしいとの意見ですね。航空サービスリサーチ会社の英SKYTRAXに寄せられる旅行者たちの口コミを見ても、似たような意見が幾つか見られました。

しかし、マレーシア航空のCAたちは、美しいコスチューム(あるいは制服)をぬぎ家に帰れば、普段の生活が待っている普通の人間なんだと、いい意味で感じさせてくれる親しみやすさがあります。あまりにかしこまった振る舞いをするCAより、人がらが伝わってくる接し方に、筆者は個人的に好感と居心地の良さを覚えました。

2014年の悲劇を乗り越えようと奮闘するマレーシアのフラッグ・キャリア

もちろん、マレーシア航空について語る上で、2014年の2件の墜落事故は避けて通れません。2014年に起きたマレーシア航空370便の事故と、同年にミサイルで撃墜されたMH17便の一件ですね。

この2つの出来事で同社は経営難になり、国有化されました。経営再建のために新規出資を受け、政府は立て直しを急いでいます。

事故の後にマレーシア航空に乗った友人からは、「がらがらだった」と聞いた覚えがあります。しかし、今回のマレーシア旅行で乗った国際線、国内線は、きっちりと座席が埋まっていました。予断を許さないものの、前向きな改善が着実に進んでいるのかもしれませんね。

先ほど触れた英SKYTRAXの発表する『World’s Most Improved Airlines 2019』(世界で最も改善された航空会社2019)でも、マレーシア航空がフィリピン航空ブリティッシュ・エアウェイズに次いで第3位に入っています。さまざまなカテゴリーにおける改善と世界的な評価の変化が見られた航空会社に贈られる名誉ですから、度重なる事故と経営難を乗り越え、復活を果たそうと挑戦するマレーシアのフラッグ・キャリアの歩みが、評価されつつあるのですね。

「おいしくない?普通に」と日本人カップルが機内食を完食

機内食に関しても日本積みのメニューは、かなりおいしいかったです。インドネシアのバリに乗り継ぎで行くという日本人のカップルが「おいしくない?普通に」と語り、隣の席でもりもりと機内食を口にしていた姿も思い出します。

エコノミークラスのシートが、革張りの機体もありました。座り心地も1人当たりの空間の広さも、悪くはなかったと記憶しています。エンターテインメントの充実度、例えば映画のラインアップなどには正直不満を覚えましたが、それでもCAの接遇とコミュニケーションでチャラになった気がします。

マレーシアと日本の間には、直行便が日本航空全日本空輸、LCC(格安航空会社)のエアアジアから運航されてます。どれも素晴らしい航空会社ぞろい。

しかし、同国のフラッグ・キャリアであるマレーシア航空を選択すれば、他の航空会社の便ではちょっと期待できない(かもしれない)、CAとのフレンドリーなコミュニケーションが待っているはず。

マレーシア人主体のCAとの会話を通じて言葉と対人感覚の準備も整えられます。着陸後には旅のスタートも切りやすいはず。その意味でマレーシア旅行では、やはり同国のフラッグ・キャリアを選んでみてください。機内から一足先にマレーシア旅行が始まる感覚があって、楽しいですよ。

All photos by Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

[参考]

World’s Top 100 Airlines 2019 – SKYTRAX

※ World’s Most Improved Airlines 2019 – SKYTRAX

Malaysia Airlines has one of Asia’s best safety records

MH17 crash: Malaysia PM Mahathir denounces murder charges – BBC

 

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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