日本人にバレてない!マレーシア東岸沖46kmの離島の楽園リゾート「ラグーナ・レダン」【マレーシア】

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Sep 22nd, 2019

南の島の楽園というと、どこを思い浮かべますか? 海外だとハワイやグアム、国内では沖縄でも石垣島や竹富島などの離島を思い浮かべる人が多いはず。ただ、その手の場所は、日本人がすでにたくさん訪れています。「ハワイに行ったよ」と自慢しても、「私もこの前に行った」と切り返されて、なんだか気分が台無しなんて瞬間もあるはずです。

そこで今回は日本人にまだ「発見」されていない、南の島の楽園を紹介します。ウミガメの産卵も行われる海洋公園の離島で、海に入ればウミガメや南国の魚と一緒に泳げますし、陸地に目を向ければジャングルトレッキングも楽しめます。

場所はマレーシア半島の東岸に浮かぶレダン島。「ペナンでも、ランカウイでもなく、レダン?」と疑問に感じたマレーシア通の人も含めて、穴場のリゾート地を探している人は、東岸にあるダイバーの聖地・レダンをぜひチェックしてみてください。

日本には知られていない「穴場」の南国リゾート

マレー半島東岸のクアラ・トレンガヌ

マレー半島東岸のクアラ・トレンガヌの朝

今まで、マレーシアに訪れた経験はありますか? マレー半島の南半分を占めるマレーシアと言えば、このところ日本人がリタイアした後に移住する国として名を聞きます。レダン島はそんなマレー半島の東岸、クアラ・トレガンヌの沖合46kmの海上に浮かぶ離島になります。

2200万分の1の東南アジア地図を広げても、小さくて記載がないような離島。日本人には無名の存在ですよね。しかし、中華圏の人には、とても有名な島。レダン島で泊まったホテル『LAGUNA REDANG ISLAND RESORT(ラグーナ・レダン・アイランド・リゾート)』の支配人によれば、かつてこの島は漁民が暮らすだけの静かな離島だったとか。

本土からも46kmと離れているため、一般的な観光客はほとんど存在せず、ダイバーが美しい海を求めて訪れるだけの秘境だったと言います。46kmと言えば、ちょうど東京の新宿から八王子に行くくらいの距離。確かに近くはありませんよね。

レダン島の船着き場

レダン島の船着き場

しかし、2000年に変化が訪れます。島に一緒に渡った台湾人や中国人のジャーナリストたちは年齢が若いせいか、支配人から説明を受けても、いまいちピンときた顔をしていませんでしたが、20年ほど前にレダン島を舞台にした香港映画『Summer Holiday(2000年)』が撮影され、その人気を受けて一気にリゾート化されていった歴史があるのですね。

船着き場からはジョンディアのトラクターで客車を引っ張ってホテルまで運んでくれる

船着き場からはジョンディアのトラクターで客車を引っ張ってホテルまで運んでくれる

確かに島に訪れてみると、耳に入ってくる言葉は中国語(マンダリン)が多いです。支配人に主な客層を聞くと、中国人とマレーシア人が半々くらいとの話。もちろん、欧米の宿泊者も目に留まりました。ただ「日本人は?」と聞くと、「very less(ほとんど見かけない)」と言いますから、日本には「穴場」の南国リゾートと言えそうですね。

見知らぬ旅行者と仲良くなれるベランダがロマンティック

レダン島のホテル『LAGUNA REDANG ISLAND RESORT』

レダン島のホテル『LAGUNA REDANG ISLAND RESORT』

レダン島には現在、幾つものホテルが誕生しています。その中で筆者が今回泊った場所は、Google reviews(322件)が4.4と高評価のLAGUNA REDANG ISLAND RESORT(ラグーナ・レダン・アイランド・リゾート)になります。

まさに上述の映画による島の人気を受けてオーナーが土地を購入し、2003年にオープンさせたリゾートホテル。部屋は276室が敷地内に存在し、それぞれの客室が2階建ての木造リゾートマンションのような建物に設けられています。

建物の外観は、レダン島の伝統的な建築様式を取り入れており、屋根(と入り母屋)の形が、富山県や岐阜県で見られる合掌造りのような傾斜を見せています。雪はもちろん降りませんが、島にはスコールが降ります。恐らくその激しい雨水を、一気に地面に落とすための傾斜なのかもしれません。

ただ、富山や岐阜の合掌造りと違って、瓦に竹富島の家屋を思わせる赤瓦が使われています。その色彩が熱帯の植生とマッチして、見た目にも南国リゾートの気分を大いに高めてくれました。

個人的に魅力を感じた客室の特徴は、広々としたベランダ。デッキチェアを2つ並べてもまだゆとりのある軒の深い独立したベランダは、隣の部屋のベランダと適度なスペースを設けて隣り合っています。この距離感が苦手の人も居るかもしれませんが、ベランダに出ると隣の人との会話が自然に始まる近さがあります。見知らぬ人と気さくに交流を持ちたい人には最適の間取りですね。

ベランダから見える庭の樹木

ベランダから見える庭の樹木

実際に筆者が洗い物を干そうとベランダに出ると、隣の部屋から同じ取材旅行に参加した台湾人ジャーナリストも出てきて、一気に仲良くなるきっかけが生まれました。星が奇麗だと言って、夜のビーチに潮騒を聞きに散歩にも行った夜も。旅の醍醐味(だいごみ)の1つは、こうした人との出会いにもあるはずです。

ウミガメとの遊泳やジャングルトレッキングなどアクティビティも充実

ビュッフェスタイルの食事風景

もちろん今回は広告記事ではありませんので、ホテルを手放しに褒めちぎるつもりもありません。

正直な感想を言えば、食事は満足のいくレベルに達していませんでした。朝・昼・夜と3食が全てビュッフェ形式で、メニューは中華系の料理が基本になります。南国だけにフルーツがとびぬけて美味しいかと言えば、意外にもそうではありません。むしろ、日本のフルーツ栽培のレベルの高さを、南国で思い知らされるくらいでした。

食事の一例

しかし、ホテルが提供するアクティビティの充実度には、目を見張る部分がありました。

ホテル専用の港から船を乗り継いで、島の北部にあるウミガメの産卵地に出かけるツアーがあったり、シュノーケリングでウミガメと泳ぐプログラムがあったり。

さらには敷地内の入り口からジャングルへ入ってミニトレッキングを行うツアーなど、日本では決して味わえない体験のプログラムが充実しています。

ジャングルトレッキングの入り口はホテルの敷地内にある

その上、ホテルの目の前のプライベートビーチは、24時間泳ぎ放題です。砂粒が疑いなく白く、美しい弧を描きながらどこまでも続いていて、(7月、8月の最盛期は多少異なるかもしれませんが)9月の頭に訪れたタイミングでも、夏の湘南みたいな混雑は全く見られませんでした。

ホテルの目の前のプライベートビーチ

ホテルの目の前はプライベートビーチ

ホテルの「Doorstep to Paradise(ドアを開ければ、そこは天国)」というキャッチコピーも誇張ではありません。ライフジャケット、シュノーケリンググッズ、シーカヤックなどの貸し出しも迅速に行ってくれます。水着のまま部屋を飛び出して、目の前の海で思う存分アクティビティを楽しめるのですね。

ベランダの手すりを野生のリスが走り回る

先ほどは、敷地内からジャングルトレッキングに出かけられると書きました。LAGUNA REDANG ISLAND RESORTは、背後にジャングルを抱えた自然豊かな場所に立地しています。敷地内には野生の動物も多く、ベランダの手すりをリスが駆け回っているかと思えば、階段の真ん中に巨大なカエルが鎮座している瞬間にも出くわしました。

海上から見たホテル。背後はジャングル。

海上から見たホテル。背後はジャングル。

「どこか日本人が知らない南国のリゾート地に行ってみたい」と、遅めの夏休みを計画している人は、レダン島のLAGUNA REDANG ISLAND RESORTも有力な選択肢になってくれるはず。

もちろん、ナイトライフ系の余興も充実していて、例えばDJの音楽に合わせてビーチで踊れる時間もありますし、浜辺のバーは深夜まで開いています。マッサージもあり、何より清潔感も素晴らしいので、日本人好みでもあるはず。

アクセスは首都のクアラルンプールから国内線に乗り継いで、半島の東岸にあるクアラ・トレンガヌを目指す必要があります。まちの桟橋からレダン島行きのフェリーが出ています。航空券やフェリーチケット、宿泊先を上手にブッキングして、ジャングルと海洋公園の白砂ビーチに囲まれた離島の隠れ家リゾート地を目指してみてくださいね。

[All photos by Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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