クアラルンプールの様子
KLの見どころを屋根なし2階建てバスで周る
最初に断っておきますが、Hop On Hop Off Bus Tours は、マレーシア発祥のプログラムではありません。スペインのパルマ・デ・マヨルカ、イギリスのロンドン、インドのグルガオンにオフィスを構えるisango! 提供のプログラムになります。
同社は世界300カ所以上の旅先でチケットの手配から体験プログラムの提供を行っており、その数あるサービスの中の1つが、クアラルンプールにおける屋根なし2階建てバスツアーなのですね。
クアラルンプールは、広いです。夏目漱石も驚いた東京ほどの広さはありませんが、KLCCもあれば、パビリオンのあるブキッ・ビンタンもあります。KLセントラル駅周辺のにぎわいも、チャイナタウンもあります。ボタニカルガーデンにセントラル・マーケット、屋台街、新王宮など必見のスポットも目白押し。
こうしたクアラルンプールの見どころを、1~2日で自分の足で周るとなると、かなりのスケジュール調整が必要になります。
その点、屋根なしの2階建てバス(ダブルデッカーバス)に乗れば、難しく考えなくても、それらの見どころを一気に周ってくれるのですね。
スコール後のバスツアーは気持ちがいい
Hop On Hop Off Bus Toursの最大の魅力は、大迫力の景観と車上を横切る爽快な夜風、さらにはコース設定にあります。
クアラルンプールは高層建築が多い大都市のため、視線は上に上に自然と向かっていきます。その意味でHop On Hop Off Busバスは天井が解放されているため、大パノラマを一望するには最適の車両。
しかも、筆者が乗車した時間は夜でした。スコールの後の気温が下がったタイミングだったため、まるで秋の東京やニューヨークのように、すがすがしい風が車上を吹き抜けていきました。
終始、気持ち良さそうな顔をして、ペトロナス・ツイン・タワーやパビリオンの露骨なまでに成金趣味な輝きを、目を細めて眺めている同乗者の表情が、印象的でした。
乗客同士が自然と仲良くなれるバスツアー
バスのルート設定も適切なため、主要な見どころは全て周ってくれます。筆者が乗り込んだタイミングはスコール直後で、通り道の街路樹に雨粒がたくさん残っていました。
車高の高いHop On Hop Off Busが枝葉に触れると、スリル満点のシャワーが降ってきます。そのようなアクシデントを繰り返しているうちに、乗客同士も自然と仲良くなれるから不思議です。
車内の同乗者だけでなく、通行人との距離感も縮まります。筆者も日本の都市で屋根なし2階建てバスを見ると、思わず道路から手を振ってしまいますが、同じようにクアラルンプールでHop On Hop Off Busに乗っていると、マレーシアの道行く人たちの中には、自然と手を振ってくれる人も出てくるのですね。
筆者の前に座った台湾人女性2人は、韓国人だと勘違いされたのか、親指と人差し指を交差させる韓国流のハートを作って必死に関心を引こうとするマレー系の男性に、アプローチを受けていました。こうしたコミュニケーションも、Hop On Hop Off Bus Toursの楽しみの1つかもしれませんね。
乗車料金はわずか1,300円ほど
値段の安さにも注目です。24時間乗り放題のチケットであっても、必要な予算は日本円で1,300円くらい(55リンギ)。ピンク色の案内板が掲示された乗り場は中心部に23カ所あり、KLCC、セントラル・マーケット、チャイナタウン、ブキッ・ビンタン、KLタワーなど、主な観光地を結んでいて、どこから乗っても降りても自由です。
「Very convenient for travelers」
「Good service. Quick and allows you to hop on at any point」
など、「とても旅行者には便利」「いいサービス。あっという間に、どこにでも飛び回れる」といった評価も公式ホームページには見受けられます。乗り合わせた各国の同乗者たちも、大興奮の様子でした。
チケットについてはインターネットで購入も可能です。週末の夕方に訪れる絶望的な渋滞時の利用は避けたいですが、それ以外の時間帯における市内観光の足としても、大いに利用したいですね。
[All photos by Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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