世界でも類を見ない!まるでラピュタのような「友ヶ島」に音声AR美術館が誕生【和歌山県】

Posted by: あやみ

掲載日: Oct 9th, 2019

ラピュタのようだと話題の無人島「友ヶ島」。友ヶ島と聞くと、ひとつの島だと思ってしまいますが、じつは地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の総称名なんです。中でも「沖ノ島」は要塞時代を思わせる砲台跡が残る神秘的な島。風光明媚な観光スポットとして近年、注目を集めています。そんな沖ノ島の第3砲台跡に「音声AR美術館」が誕生! さっそく現地に赴き、音声ARアートを体験してきました。


(C)あやみ

世界的にも珍しい“音の展示”を体験できる「美術館」


(C)あやみ

「友ヶ島第3砲台美術館」は、音声ARにより空間に配置された”音の展示”を楽しむことができる世界的にもレアな美術館。全11箇所にビーコンが設置されていて、スマートフォンなどで専用アプリを起動した状態で、展示室に入ると、鑑賞者の位置情報を把握し、音声が自動的に再生される仕組みになっています。

常設展の「サウンドスケール」は「和歌山児童合唱団」の美しい歌声で「和歌山のわらべ唄」を聞くことができます。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

10月31日(日)までは、期間限定の特別展示「ヤミツク~くらやみのいきものに関する研究結果展~」も鑑賞できます。友ヶ島に存在したという架空の生物「ヤミツク」を調査・研究していた博士の記録を追体験できるんです。今回は、こちらの特別展示を鑑賞してきました。ちなみに時間があれば、アプリの画面を切り替えるだけで、常設展と特別展示の両方を楽しめますよ。

謎の生物の調査を追体験しながら第3砲台を巡る!?


(C)あやみ

専用アプリ(無料)を起動したスマホを片手に、第3砲台の中へ向かいます。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

各弾薬庫の中は真っ暗! スマホのライトで先を照らしながら進んでいくと、博士の調査・研究に関するアートが置かれています。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

スマホがビーコンに反応すると、音声ARがスタート。ヘッドホンで博士の独白を聞きながら、アートを鑑賞。すると、いつの間にか「ヤミツク」の物語にどっぷりと入り込んでいきました。


(C)あやみ

音声は博士の独白もですが、バックの音楽も臨場感たっぷりで迫力満点! 迫り来る“何か”を感じつつ、順番に弾薬庫の音声ARアートを巡っていきます。


(C)あやみ

怖かったのが、この地下へ続く入り口。地下トンネルの中は狭くて真っ暗。階段を下りるのに勇気がいりました。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

地下の弾薬庫。漆黒の闇の中、目の前の展示物と、それを拡張する物語(音声情報)を一緒に楽しむ音声ARアートを鑑賞。弾薬庫の中はひんやりとした空気が漂い、物語の展開も合間って鳥肌が立ちました。


(C)あやみ

反対側の地上に出ると、ひらけた空間の砲座に出ます。ラピュタのワンシーンを彷彿させる景色ですよね。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

こちらは砲座にある音声ARアートのひとつ。このアートにたどり着くころには「ヤミツク」の物語も終盤。手に汗を握る展開になっています。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

果たして「ヤミツク」の正体とは? 人類を襲う危険な敵とは一体? 約40分間、美術館の音声ARアートを鑑賞しましたが、聞き逃せない展開に、ドキドキが止まりませんでした。

豪華メンバーが友ヶ島を「音のアート」で彩る


(C)友ヶ島第3砲台美術館

特別展示「ヤミツク~くらやみのいきものに関する研究結果展~」は、カンヌ広告祭などの受賞歴を持つ木谷友亮氏をディレクターに迎え、小説家の三崎亜記氏が実際に友ヶ島を訪れ、書き下ろしました。

さらに、常設展示の「「サウンドスケール」は、音声制作・クリエイションは作曲家の松本昭彦氏が手がけ、建築家で東京大学准教授の川添善行氏が監修しています。また、世界的なファッションブランドからテクノロジー企業まで、幅広い視野でクリエイションを提供する「2nd Function」が総合演出を担当。

ココでしか体験できない幻想的な世界観をたっぷりと堪能できますよ。

加太港から友ヶ島の第3砲台までの道のり


加太港から船に乗り込む様子 (C)友ヶ島第3砲台美術館


(C)あやみ

加太港から船に揺られること約20分、友ヶ島に到着します。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

そこから木々の生い茂る坂道をひたすらのぼっていきます。友ヶ島の坂道は急。初秋でも汗が額からこぼれ落ちるほどの運動量がありました。歩きやすいスニーカーで行くこと必須です。また、蚊や蜂などの虫が多いので、虫除けスプレーの携帯も忘れずに。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

海を望めるこの場所に出たら、もう一踏ん張りです。


(C)友ヶ島第3砲台美術館

緩やかになった坂をのぼっていくと、第3砲台に到着。友ヶ島の港から第3砲台へは約20分です。

美術館誕生で友ヶ島を何倍も楽しめる


(C)友ヶ島第3砲台美術館

自然豊かで、神秘的な世界が広がる友ヶ島は魅力的なスポット。ただ訪れるだけでも十分に価値のある島です。しかし、美術館が第3砲台に溶け込むように誕生したことで、島歩きを何倍も楽しめることに!


(C)友ヶ島第3砲台美術館

専用アプリ「友ヶ島」には常設展「サウンドスケール」、特別展示「ヤミツク~くらやみのいきものに関する研究結果展~」(10月31日まで)、音声ガイドで友ヶ島の要塞を探索できる「友ヶ島要塞探索の旅」が入っていて、友ヶ島の魅力をさまざまな角度から体験できます。

今回、初めて音声AR美術館を体験して感じたのは「場所」「音声」「アート」が共鳴して重なると、まったくの異世界を堪能できるということ。

目でアートを見て、音で臨場感を味わい、場所で空気感を感じる・・・その3つが揃ってこそ、味わえる楽しさがありました。友ヶ島を訪れることがあったら、ぜひ「友ヶ島第3砲台美術館」の音声ARアートを体験してみてくださいね!


(C)あやみ

■友ヶ島第3砲台美術館
開館:2019年10月3日(木)よりスタート
場所:和歌山市加太2673番地 友ヶ島(沖ノ島)/第3砲台跡
開館日時:水曜日休館 ※ただし、12月1日〜2月29日は土・日・祝のみ開館/12月29日〜1月3日を除く
料金:無料 (企画展は別途有料となる可能性があります) 
鑑賞方法:音声ARアプリ『友ヶ島』をインストールし、友ヶ島/第3砲台跡にお越し下さい。

■企画展『ヤミツク ~くらやみのいきものに関する研究結果展~』
期間: 2019年10月3日(木)〜2019年10月31日(木)
URL:https://ymtk.t3fm.jp

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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