巨大天然橋・青緑色の川・鍾乳洞!中国山地の「帝釈峡(たいしゃくきょう)」【広島県】

Posted by: 鳴海汐

掲載日: Oct 24th, 2019

帝釈峡は、中国山地の中央、市区町村でいうと広島県の庄原市と神石高原町にまたがる、全長およそ18kmの渓谷です。その景観の美しさから、日本百景に選出され、国定公園になっています。帝釈峡は南北に伸びているため、「上帝釈」と「下帝釈」といった呼び分けをすることも。

帝釈峡

「上帝釈」と「下帝釈」

帝釈峡
「上帝釈」は、石灰岩が浸食して作り出した天然橋や代表的な鍾乳洞が見学できるエリアです。

帝釈峡
石灰岩のため、水の色が青く見えるのが特徴。

帝釈峡
今回ご紹介するゆっくり歩いて1時間ほどの範囲は、アップダウンがなくよく整備された砂利道で、小雨程度でも楽しめます。レンタル自転車で周ることも可能です。

「下帝釈」は、人造湖ながら神秘的な雰囲気の神龍湖のあるエリアです。紅葉が美しいところであり、アクティビティも、遊覧船、モーターで動くオープンボート、カヤック、水陸両用車、セグウェイと豊富です。

それでは、「上帝釈」の見どころをいくつか紹介しましょう。

天然橋「鬼の唐門(おにのからもん)」

帝釈峡
単に「唐門」と呼ばれることもある「鬼の唐門」。高さおよそ8メートルで、通り抜けできるところが、まるで岩が割けたように見えます。

国天然記念物「雄橋(おんばし)」

帝釈峡
写真ではうまく伝わらなくてもどかしいのですが、びっくりするほど大きな橋です。長さ90m、幅18m、高さ40mというあまりの大きさに、神様か鬼がかけた橋と言われていたそう。昔は、この上をたくさんの人が行き来していたそうです。

帝釈峡
橋の下から見上げても、その入り組んだ表面にインパクトを感じます。渓水に石灰岩が浸食されることで下の方が貫通してできたこのアーチ。世界三大天然橋の一つです。

鍾乳洞「白雲洞(はくうんどう)」

帝釈峡
灰白色の鍾乳洞です。3億年前に海底で生まれた石灰岩が浮き上がり、200万年から300年前までの間に、雨水で溶けてスペースができて洞窟になったそう。入る前からひんやりしているのですが、洞内は年間を通じて11℃前後に保たれているんですって。

水滴がときどき上から落ちてくるのですが、コースには木の板が張ってありますので、足元は安心です。どこからか風が吹きつけてくるポイントもあります。

見学できるのは200mほどで、その先は「奥行不明」というのがミステリアスですが、帝釈峡のあたりには、地底に広大な鍾乳洞が数えきれないほどあると言われているそうで、果てしないのです。

帝釈峡
こちらは電球の光で育つ植物が生えたポイントです。

見学15分で料金300円です。気軽に立ち寄れて、怖くない鍾乳洞でした。

これらの絶景をみるのに、長時間の山登りは要りません。散歩感覚で来れるのがうれしいところ。トイレがキレイだったことも付け加えておきましょう。

帝釈峡
所在地:広島県神石郡神石高原町東城町帝釈未渡
電話番号:0847-86-0611(帝釈峡観光協会 平日9:00~17:00)
HP:http://taishakukyo.com/
PROFILE

鳴海汐

Shio Narumi ライター

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

SHARE

  • Facebook