イギリスの消費税(VAT)システムとは?

(C) Pcess609’s / Shutterstock.com Concept of VAT
イギリスにもVAT(Value Added Tax)という消費税にあたるものがあります。税率は現在20%ですが、実は日本よりもっと細かく軽減税率(5%)のもの、非課税(0%)のものと分かれています。すべて税込み価格で表示されているため、購入する際に実際の消費税分を把握するのは難しく、感覚として「消費税高いな・・・」と思うことはほとんどありません。
非課税(0%):生鮮食品などの生活必需品と子供用品、交通費。
減税(5%):ガスや電気などの公共料金。
標準税(20%):アルコール、外食、娯楽、チョコレートなど。
生活必需品は0%で、ぜいたく品は20%というのがおおまかな目安です。
イギリスではスーパーマーケットでの食材は安いのに外食には消費税20%、さらにチップが加算され割高に感じるというのも納得ですよね。
チョコレートケーキは消費税0%、チョコレートビスケットは消費税20%!?

(C) Lesya Dolyuk / Shutterstock.com チョコレートケーキ
紅茶の国イギリスでは、お茶うけとして生活の一部に根付いているケーキ、ビスケットはともに「生活必需品」と認められており基本的に非課税。一方「チョコレート」はぜいたく品となっており、標準税率の20%。ここで、紛らわしいのが「チョコレートケーキ」は非課税の0%なのに対して、チョコレートでコーティングされたチョコレートビスケットはなんと標準税の20%!
ジャファケーキ(Jaffa cakes)これってケーキ?それともビスケット?

(C) Ai Fletcher
イギリスでとてもポピュラーなオレンジ風味のチョコレート菓子ジャファケーキ(Jaffa Cakes)。うすいスポンジケーキの上にマーマレードのようなジャムとチョコレートでコーティングされた紅茶にとてもよく合うお菓子です。実際に食べてみるとケーキと呼ぶには薄すぎるし、ビスケットと呼ぶには軟らかい・・・というのが正直なところ。さて、みなさんにはチョコレートケーキに見えますか?それとも、チョコレートビスケットに見えますか?
このお菓子を巡って1991年に、発売元のマクビティがイギリス政府を相手取って裁判を起こしました。
政府側は名前はケーキだがどう見てもビスケット。スーパーなどでもビスケットの棚で売られている。また、ケーキとしてではなく、ビスケットとして食べられているので、ジャファケーキはビスケット、つまり税率20%課税と主張しました。
実際にスーパーマーケットでは、完全にビスケットの棚に陳列されています。

(C) Ai Fletcher
しかしマクビティは、ビスケットは日が経つとしけって柔らかくなるのに対して、ケーキは、日が経つと固くなっていくという特性を主張。巨大ジャファケーキを作って日ごとに固くなっていくことを証拠として提出。なんと、これが決め手となってジャファケーキはビスケットではなくケーキと認められ現在も、消費税0%で売られています。

(C) HandmadePictures / Shutterstock.com Jaffa cakes
イギリスのスーパーマーケットでは、どの店舗でもほぼ確実に取り扱われている超人気商品のジャッファケーキ。12個入りが1ポンド前後(もちろん、消費税0%)で購入できます。イギリスを訪れたらぜひこちらを購入して実際に食べて、ケーキかビスケットかジャッジしてみませんか?
あなたが知りたかったことが、この記事で参考になりましたか?
Ai
20代のころからイギリス在住。科学者。フットボールに夢中な男の子の母親として奮闘中。ヨーロッパ各地のマーケット(蚤の市)散策、ワイン、見晴らしのよい絶景スポット、特に海が大好き。
世界のどこにいても、毎日を気楽に楽しめるヒントを共有していきたいです!
イギリスで「カツカレー」が大ブーム!人気の秘密と、日本では絶対に入ってい
Sep 2nd, 2021 | フレッチャー愛
イギリスではここ数年、カツカレーが大人気の日本食としてブームに!なぜ「カツ」?なぜ「カレー」が人気なの?在住者の視点からイギリス人にうける人気の秘密に迫ります。
うさぎが卵を産む!?「イースター」に食べるおいしいものセレクション【イギ
Apr 3rd, 2021 | フレッチャー愛
欧米ではおなじみのイースター(復活祭)。日本人から見ると「?」という組み合わせの「ウサギと卵」など、イギリス在住ライターが現地で楽しまれているイースターにちなんだおいしい食べ物をご紹介します。
外食が50%オフに!イギリス版「Go To Eatキャンペーン」現地ルポ
Sep 7th, 2020 | フレッチャー愛
日本でも9月から飲食店支援策として「Go To Eatキャンペーン」が始まります。イギリスでは一足先に外食50%オフの「Eat out to Help out(外食して支援しよう!)」というキャンペーンが8月中に行われ、大盛況となりました。筆者が体験した“イギリス版Go To Eat”を現地よりお伝えします!
気分はもう英国!旅に行けない代わりにイングリッシュ・ブレックファストを作
Mar 30th, 2020 | Nao
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。せっかく計画した旅行をキャンセルした人も多いのではないでしょうか? 旅好きにとって旅に出られないというストレスは相当なもの。こんな時は旅先で食した思い出の料理を作って、妄想旅行を楽しんでみるのはいかがでしょう。今回は、イギリスを旅した気分になれること間違いなしのイングリッシュ・ブレックファストをご紹介!
在住者が厳選!まずいと言われるイギリスの日本よりおいしい食べ物7選
Mar 17th, 2020 | フレッチャー愛
イギリスと言えば食べ物が残念な国として有名ですが、おいしいものももちろんあります。在英TABIZINEライターが絶対の自信を持っておすすめする、イギリスで日本より安くておいしいもの7選をお届けします!
バレンタインやお土産にも!イギリスのスーパーで買えるチョコレート6選
Feb 4th, 2020 | フレッチャー愛
2月14日のバレンタインデーまであとわずか! チョコレートが大大大好きなイギリスの、スーパーマーケットで手に入るバレンタインに最適なチョコレートを、在英TABIZINEライターがご紹介します。イギリスお土産としてももちろんおすすめです。
砂糖たったの12%なのに絶品!ホテルショコラの「神様のアイスクリーム」を
Dec 9th, 2019 | フレッチャー愛
昨年日本上陸を果たし11月1日に新たに表参道店もオープンしたイギリスの高級チョコレートショップホテルショコラ(Hotel Chocolat)。ショップに併設されているカフェで砂糖がたった12%しか入ってないのに絶品と話題の神様のアイスクリーム(Ice cream of the Gods)を実際に食べてきました!
今が旬!? 寒い冬の日こそおいしい「イギリスビール」を現地在住ライターが
Nov 26th, 2019 | フレッチャー愛
暑い夏の日のビアガーデンでキリっとしたのど越しのラガービールでのどを潤す!ビール好きにとっては最高のシーンですが実は寒い冬だってビールはおいしい!!コク深く香り豊かなイギリスの地ビールはまさに冬ビールに最適。TABIZINEの在英ライターが飲み比べます!
消費税0%のケーキと消費税20%のビスケット。その違いって何?【イギリス
Oct 26th, 2019 | フレッチャー愛
10月1日に消費税の増税が始まりましたがみなさんはもう慣れてきましたか?イギリスの消費税に当たるVATは現在20%。ところが、チョコレートケーキは消費税0%に対して、チョコレートビスケットは消費税20%。そこでイギリスで物議をかもしたジャファケーキ(Jaffa cakes)という名前のティータイムに人気のお菓子についてご紹介します!
ヴィーガン発祥の地・イギリスで見る「ヴィーガン」というライフスタイル
Oct 9th, 2019 | フレッチャー愛
最近よく聞くようになった「ヴィーガン」(完全菜食主義)をご存じですか?その発祥地イギリスでは、ヴィーガン人口が確実に増えています。今回は、イギリスで手に入る手軽なヴィーガン食の紹介と、ヴィーガンの根底にある「人間が自然から搾取をしない」ためのヴィーガン流ライフスタイルについてご紹介します。