カナダ旅行で食べ歩きしたい市場「St.Lawrence Market(セント・ローレンス・マーケット)」を現地ルポ【カナダ・トロント】

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jan 27th, 2020

米ナショナル・ジオグラフィック誌が、「世界で最高のフードマーケット」と評価した場所が、カナダのトロントにあるとご存じでしょうか。今回は現地でフードツアーを行っているEating Through ToのMackenzie Puticiさんと一緒に、トロントにあるセント・ローレンス・マーケットを周ってきました。

「リノベ」で作られた歴史あるフード・マーケット「St.Lawrence Market/The South Market(セント・ローレンス・マーケット/サウス・マーケット)」って?


トロントのセント・ローレンス・マーケットは、トロントの中心部から2kmほど離れた場所にある市場です。

一般的にセント・ローレンス・マーケットと言えば、フロント・ストリート・イーストの道路沿いにあるレンガ造りの建物(南棟)で、別の場所にあったマーケットが転居し、1899年に増築して、1970年代にリノベーションをした歴史が同地にはあります。


トロントは五大湖のひとつ、オンタリオ湖に向かって緩やかに傾斜している街で、セント・ローレンス・マーケットも傾斜地に沿って作られています。トロントのウォーターフロントは埋め立てで拡張されてきた歴史があり、昔はマーケットも南端が湖に面していたのだとか。

建物(南棟)は階が上下に分かれていて、メイン・フロアとその下の階にあるフロアに、合計で120店以上のお店が入居しています。

 

「ここは当たり」と直感で分かる場所

「ここは当たりだ」

と、入った瞬間、直観しました。通りに面した正門のエントランスをくぐると、メインフロアの手前には韓国系の方が経営しているお土産屋があり、入って左手に果物や野菜の売り場、正面に肉屋が続いて、一番奥に生魚の切り身など海産物を扱うお店が続いています。

マーケット内で楽器を演奏する人

下の階にも、お土産物屋やパン、ドライ・ナッツ、野菜などを扱うお店があり、滞在中にあらためて朝一番で訪れてみると、イート・イン・スペースで地元の高齢者が新聞を広げ、コーヒーとパンを食べていました。

声をかけてみると、日課のように訪れている地元の方だと分かります。観光客ももちろん集まりますが、何よりセント・ローレンス・マーケットは、地元の方の「台所」でもあるのですね。

 

チーズやワインなど美食グルメを楽しめる

Eating Through ToのMackenzie Puticiさん

Eating Through ToのMackenzie Puticiさんのフードツアーは、このセント・ローレンス・マーケットを舞台に行われました。

カナダの美食文化(ガストロノミー)は、お隣のモントリオールと共にここ5年、10年でかなり発展してきているとかで、ワイン作り、チーズ作りにおいてもトロントのあるオンタリオ州は盛んだと言います。


その言葉通り、セント・ローレンス・マーケットには、地元のチーズを食べられるお店、地元のワインを取りそろえたお店もあり、オンタリオ州、お隣のケベック州の商品が数多く並んでいました。

例えばMackenzie さんがプッシュしてくれたローカルチーズ、Gunn’s Hill 5 brothers(0.094kg CA$5.92=494円ほど)、Grey Owl(0.086kg CA$5.16=431円ほど)、Le Baluchon Organic, raw milk(0.138kg CA$8.00=668円ほど)は、どれも絶品ぞろい。


ワイン売り場では、フレッシュなブドウの甘みと香りが感じられる、毎日でも飲みたいカナダ産のテーブルワイン(白)を試飲させてもらいます。


同じフロアでは近海のオイスター、生魚も販売されていて、すしにできる(Sushi gradeと書かれている)生魚も充実して売られていました。聞けば現地在住の日本人も買いに来るとの話。テーブルや椅子も各所に用意されているため、食べ歩きにも適していましたよ。

カルーセル・ベーカリーのサンドイッチはトロントで最強の食べ歩きグルメ

カルーセル・ベーカリー

食べ歩きで言えば、カルーセル・ベーカリー (Carousel Bakery)も外せません。トロント発祥のピーミール・ベーコンをコーンミールで覆い、さらにバンズで挟んだサンドイッチになります。

これだけだと若干、味わいが単調になりますが、マスタードをふんだんにトッピングすると、劇的に風味が変化します。

カットしたサンドイッチの一部

マスタードと言っても、単に安っぽくスパイシーなだけのマスタードではありません。特にMackenzieさんがNO.1だとプッシュするハニー・マスタードがすごくマッチして、マスタードの酸味と甘み、辛みにより、ベーコン本来のうまみがぐっと引きたちます。

筆者はわけあって、受け取ったばかりのサンドイッチに挟まれたピーミール・ベーコンを、落としてしまうというアクシデントもありました。しかし、見かねた店員さんが、新しいベーコンを追加で挟んでくれます。

お店の周辺には常に人だかりが見える


そんなうれしいエピソードがあったからでしょうか。筆者には店員さんの思いやりが加味され、余計においしく感じた気もします。とはいえ、その点を差し引いても小腹が空いたときにかじりつきたい最高の軽食。時間帯によっては行列ができるほどの人気店です。

朝5時からの営業日もあるトロントニアンの台所

クリスマスシーズンは、本物のモミの木も販売されている


トロントにあるセント・ローレンス・マーケットは、バレエなどの練習にも使われていたセント・ローレンス・ホール、主に週末にマーケットが開催される北棟、そして今回紹介した南棟に分かれています。旅行者が訪れたい場所は南棟。

朝も意外に早く、火曜から木曜日は朝8時から午後6時まで。金曜日は8時から午後7時、土曜日はなんと朝5時から夕方まで開いています。


どこかへ出かける前に立ち寄るだとか、滞在の最終日にお土産を買いに出かけるだとか、さまざまな楽しみ方ができるはず。

「世界最高のフードマーケット」は分かりやすい観光スポットでもありますから、ぜひともチェックしてみてくださいね。

St.Lawrence Market/The South Market(セント・ローレンス・マーケット/サウス・マーケット)
住所:93 Front St E, Toronto, ON M5E 1C3, Canada
営業時間:【火~木】8:00~18:00、【金】8:00~19:00、【土】5:00~17:00
定休日:日・月曜日
電話:+1 416-392-7219
HP:http://www.stlawrencemarket.com/

[All photos by Masayoshi Sakamoto]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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