熱田神宮の朔日参りに立ち寄りたい「あつた朔日市」
三種の神器のひとつ「草薙神剣」を御神体によらせられる「熱田大神(天照大神)」が御祭神の「熱田神宮」。広大な境内には、樹齢1000年の御神木の大楠に、一度も実をつけたことがないと伝わる「不実梅(ならずのうめ)」や、45もの社が祀られています。
そんな熱田神宮で古くから伝わる「朔日(ついたち)参り」。毎月1日(朔日)に、1か月を無事に過ごせたことへの感謝と、新しい月の無病息災・家内安全・繁栄などを祈念する風習です。この風習を広く伝えるため、熱田区のまちづくり団体「あつた宮宿会(みやしゅくかい)」の皆さまにより、2016年から「あつた朔日市」が開催されています。
地元の食の老舗、大学、地域NPOを中心に2014年に発足した志高い団体で、「あつた朔日市」のほか「あつた紙芝居」、「名古屋あつたカルタ」などの活動を通し、熱田の魅力を世界に向けて発信しています。
朔日市限定あつた宮餅
熱田に縁のあるお店が並びにぎわう中の目玉が「朔日市限定あつた宮餅(1,000円・税込)」です。ひつまぶしで有名な「あつた蓬莱軒」と、名古屋土産でおなじみ「きよめ餅総本家」、熱田で愛され続ける和菓子屋さん「亀屋芳広」、ほうじ茶が人気のお茶屋さん「妙香園」という、熱田区の老舗4社がコラボした特別な品。赤と金の豪華な箱に中に、月替わり和菓子が2つ、ほうじ茶餡のお餅が3つ入っています。
3月の朔日市の月替りは「雛祭り」。お雛さまとお内裏さまが可愛らしく並んで、食べるのがもったいないですね。
妙香園のほうじ茶を練り込んだ亀屋芳広の餡を、きよめ餅の羽二重餅が包みこんでいます。ほうじ茶がしっかり香り、最後までその余韻を残します。
あつた蓬莱軒の鰻のタレをベースに作ったソースが添えてあり、みたらしのタレのように甘じょっぱく、少しつけただけでも懐かしい甘さが広がります。小ぶりな大きさのお餅は、絹のようにしっとりなめらかで、甘すぎず上品な味にホッコリ。
毎月の季節を感じながら朔日参り
神宮の門前や名鉄神宮駅前には「あつた宮餅」のコラボ老舗のひとつ“きよめ餅”を販売している店舗もあります。
丁寧に炊き上げた北海道産小豆のこしあんを、秋田産白玉粉と餅粉のやわらかな羽二重餅でくるんだ“きよめ餅”。通常のこしあんのほか、贈答品に紅白のきよめ餅、土日祝限定のきなこ味、季節限定などもあり、3月は「さくら味」が登場していました。“熱田詣りにきよめ餅”として広まり、参拝銘菓、名古屋土産になっています。参拝のお帰りに、熱田名物のきよめ餅を手土産するのもいいですね。
歴史上の武将たちにも崇敬された熱田神宮で朔日参りをしたら、「あつた宮餅」をいただき、1か月の感謝と無事を願うのもいいでしょう。12か月それぞれの味覚を堪能できます。
開催時間:毎月1日(9:30〜14:00)
開催場所:熱田神宮境内
住所:〒456-8585 愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1
問い合わせ:あつた宮宿会
HP:http://atsuta-miyashuku.com/
[All photos by kurisencho]