
(C)Masato Abe
霧雨の中の久住山登山
阿蘇くじゅう国立公園に指定され、「九州の屋根」とも呼ばれる大分県の九重連山。なかでも標高1,787mの久住山(くじゅうさん)は、九重連山のシンボルとしてたいへん人気の高い山です。久住山の西側にあたる牧ノ戸登山口は標高1,330mにあるため高低差が少なく、初心者でも登ることができるルート。2時間あまりで久住山の頂きにたどり着きます。

(C)Masato Abe
実はこの朝は天気が心配でした。低気圧が近づき前日から大雨だったのです。午後から天気が良くなるという予報でしたが、案の定、早朝は霧雨。登山口でためらっていると遠足でしょうか、小学生のグループが元気よく雨の中を登っていきます。というわけで後を追うように登ることにしました。

(C)Masato Abe
シャクナゲが美しく雨に濡れていました。しかし周囲は霧がかかり何も見えません。ちなみに九州でもっとも高い山は、久住山のすぐ東隣に位置する中岳で標高1,791m。久住山から1時間あまりで往復できるのですが、雨と霧で何も見えないようならば無理はしない予定です。

(C)Masato Abe
登り道はところどころ大きな石が並んでいる箇所もありますが、気を付ければ大丈夫。1時間ほど歩き「扇ヶ鼻分岐」を過ぎると平坦な高原地帯に変わります。歩いているうちに少し霧が晴れてきたようです。
天気は好転!久住山から360度のパノラマ

(C)Masato Abe
予想よりも早く雲が下から上に上がってきて、あっという間に視界がきくようになりました。久住山の頂きがすぐ目の前に迫り、久住高原から遠い阿蘇も見渡せます。

(C)Masato Abe
「久住分かれ」の平らな場所に避難小屋があり、ここにトイレもあります。人気のある九重連山は、ここを分岐に登山コースが縦横無尽に走っています。北に向かって下りていけば1時間あまりで、有名な法華院温泉山荘もあります。

(C)Masato Abe
そして、久住分かれから20分ほど登り、久住山の山頂に到着。雨が上がってまだ間もないのですが、山の天気は変わりやすいという言葉通り、空気が澄んで360度素晴らしい景色が広がります。2枚組の上の写真は久住山の北側に広がる活火山特有の荒涼とした風景ですが、


(C)Masato Abe
南に目を向けると(2枚組の下の写真)、阿蘇に続く緑の高原が遠く広がっています。この光景を見るだけでも登ってきた甲斐があります。

(C)Masato Abe
久住山から東に山々が連なっています。標高1,780mの天狗ヶ城(てんぐがじょう)を超えると、中岳があるのです。行ってみましょう。

(C)Masato Abe
途中、天狗ヶ城の南側に美しい火口湖がありました。御池(みいけ)という名前だそうです。冬場には、この御池に分厚い氷が張り、そり遊びやアイススケートまでできるのだそうです。

(C)Masato Abe
天気のいい稜線歩きは気持ちのいいものです。まもなく九州の最高峰1,791mの中岳に到着です。
九重連山を望む自家源泉の温泉宿「九重観光ホテル」

(C)Masato Abe
下山の途中、この日の宿、九重観光ホテルが遠く山あいの間に見えました。牧ノ戸登山口からも近い、やまなみハイウェイにある九重観光ホテルです。

(C)九重観光ホテル
九重観光ホテルは創業60年あまりといい、九重連山の三俣山を望む、標高1,160mに位置します。もともと九重連山に登る登山者たちの宿だったそうで、「日本百名山」の著者・深田久弥氏や、マナスルの第3次登山隊長として日本人初の8,000m峰登頂を成功させ、文化功労者となった槙有恒氏の定宿だったといいます。そして槙氏は「牧の戸温泉」の名付け親でもあるそうです。

(C)九重観光ホテル
ホテルの敷地内に自家源泉があります。かけ流しです。泉質は単純硫黄泉。大浴場と露天風呂もリニューアルされ、目の前の九重連山を望みながら、温泉を楽しむことができます。そして、一昨年にできた新館には和室にツインベッドルームの和洋室もあり、ゆったりと足を伸ばすことができます。

(C)九重観光ホテル
ちなみにホテルの隣には九重地熱発電所と呼ばれる、珍しい地熱を利用した発電所があります。地熱発電は温泉の蒸気を利用した地球環境にやさしい電力で、ホテルの電力もこの自然エネルギーを100%使用しているのだそうです。

(C)九重観光ホテル
新型コロナウイルス感染拡大防止のために観光産業の自粛も長引き、全国のホテルや旅館などたいへん経営状況が厳しくなっているといいます。旅が自由にできるようになったら、宿泊することで観光地を応援したいものです。

Masato Abe 還暦特派員
大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。
山、川、里の幸に酔いしれる!地元食材の豊かさを堪能できる宿「湯治場ガニ湯
Feb 28th, 2021 | Nao
大分県竹田市、くじゅう連山の山麓に位置する長湯温泉。世界屈指の炭酸泉が湧く温泉地であり、古くから湯治場として栄えた歴史を有します。清らかな自然に恵まれたこの地域は山や川、里の幸が豊富で、とびきりの地元食材を味わえる食事処も充実。今回は、外湯めぐりの拠点にも最適な宿「湯治場ガニ湯本舗 天風庵」をご紹介しましょう。
県で一番古い和菓子店、音の鳴るトンネル・・・滝廉太郎ゆかりの地・竹田城下
Feb 17th, 2021 | Nao
大分県南西部に位置する竹田市。岡藩の城下町として栄えた中心部は歴史の息吹が根付き、情緒あふれる地として知られます。また作曲家・滝廉太郎が少年時代を過ごしたことから、同氏ゆかりの名所も点在。町全体がコンパクトにまとまっており、街歩きしやすいのも特徴です。今回はそんな竹田城下町のおすすめスポットをご紹介しましょう。
地球の鼓動を間近に体感!別府温泉で訪れるべき“熱い”名所3選【大分県】
Feb 16th, 2021 | Nao
温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇り、“おんせん県大分”の中でもひときわ存在感を放つ、別府温泉。街の至るところで蒸気が立ち上るこの地を歩けば、地球の鼓動を感じられることでしょう。今回は、自然の力強さ、大地の息吹を間近に体感できるスポットを3つご紹介!
“日本一の炭酸泉”長湯温泉のシンボル的立ち寄り湯「御前湯」で楽しむ3種の
Feb 14th, 2021 | Nao
大分県のほぼ真ん中に位置する竹田市、長湯温泉。湧出量や炭酸ガス濃度、温度から「日本一の炭酸泉」とも称され、全国から湯治客が訪れる名湯として知られています。立ち寄り湯は20カ所以上も点在し、多彩な温泉を楽しめるのも魅力。今回は、はじまりは江戸時代の殿様の湯屋という由緒正しい「御前湯」をご紹介しましょう。
炭酸濃度はバブの12倍!?「ラムネ温泉館」のシュワシュワ感がたまらない【
Feb 8th, 2021 | Nao
もはや入浴剤の代名詞ともいえる花王の「バブ」。寒い日や疲れた時に入るシュワシュワのお風呂は極上そのもの。ところがなんと、大分にはそのバブの12倍もの高濃度な炭酸泉があるんです!今回は、まさにラムネに浸かっている気分になれる「ラムネ温泉館」をご紹介。
洗練デザインに包まれた現代版湯治宿。おこもり旅にも最適な「クアパーク長湯
Feb 3rd, 2021 | Nao
世界でも稀有な炭酸泉が沸く、大分県竹田市の長湯温泉。江戸時代より湯治場として栄えた歴史ある温泉として知られています。2019年には療養複合施設「クアパーク長湯」が誕生。片道50mに及ぶ歩き湯など“現代版の湯治スポット”として早くも話題に。念願叶って宿泊してきましたので、魅惑の湯治体験をリポートします。
“塩麹ブーム”の火付け役!江戸時代から続く老舗「糀屋本店」【大分県】
Jan 28th, 2021 | Nao
素材の旨みを引き出す万能調味料「塩麹」。2010年代初頭、爆発的なブームが起こったのを覚えている人も多いのではないでしょうか。実は、このブームに火をつけたのは大分県にある老舗こうじ専門店。今回は、塩麹を日本の定番調味料へと導いた「糀屋本店」をご紹介しましょう。
漁師町の万能調味料「ごまだし」を全国区に!漁村女性グループめばる【大分県
Jan 25th, 2021 | Nao
大分県の南東部に位置し、漁師町として知られる佐伯市。海の幸に恵まれたこの地域の郷土食のひとつが「ごまだし」です。かつては漁師家庭に受け継がれる手作り調味料でしたが、漁村のお母さんたちによって商品化が実現。今では佐伯を代表する特産品に!今回は「ごまだし」を全国に知らしめた「漁村女性グループめばる」をご紹介します。
絶景と秘湯に出会う山旅(8)日本百名山の久住山と牧の戸温泉・九重観光ホテ
Jun 19th, 2020 | 阿部 真人
慎重な行動は必要ですが、ようやく都道府県境をまたぐ移動ができるようになります。体を解放し心を癒やしてくれる、とっておきの旅をしたいもの。ならば絶景と秘湯の山旅はいかがでしょう。たどり着いた頂きからの絶景は、あなたの足で歩いたからこそ。そして秘湯はあなただけのご褒美。今回は多くの人びとに愛されてきた日本百名山の久住山と牧の戸温泉・九重観光ホテルへの旅をご紹介します。
【2019年最新版:大分旅行まとめ】一人旅にもオススメ!パワースポットか
Dec 30th, 2019 | TABIZINE編集部
大分県といえば、温泉で有名な場所。湯布院や別府などで知られ、日本一の湧出量、源泉数を誇ります。そんな大分県には、温泉の他にも、神秘的な神社仏閣や魅力的な観光地が多数点在しているんです。大分のパワースポットから絶品グルメ、宿まで18選をご紹介しましょう! ぜひ、大分旅行の参考にしてくださいね。