2015年にリニューアルした「キレイ」なレース場
都心からもっとも近いオートレース場である川口オートレース場は、女性客や家族連れの来場者が心地良く過ごせるように、さまざまな工夫が施されていると耳にしたことがあります。
まずアクセス方法。川口オートレース場には900台以上の無料の駐車スペースがあり、また、レース開催日にはJR西川口駅やSR南鳩ヶ谷駅から無料の送迎バスも出ています。今回は、京浜東北線の西川口駅から送迎バスを利用したのですが、乗車前に検温がありました。バスに揺られて10分強。レース場の入場時にもサーモグラフィーでの検温があり、しっかり感染症対策が取られていました。
場内に入ってみて驚いたのは、想像以上に施設がキレイなこと。川口オートレース場は2015年に特別観覧席をリニューアルしたばかり良い意味で予想を覆されました。
初心者でも気軽に100円から賭けられる
最初にオートレースの基礎知識をごく簡単にご紹介しましょう。オートレーサーは全国で約400人。最年少は20歳、最高齢は74歳という幅広い年齢で構成され、十数人の女性のレーサーも活躍中です。女性選手の中でも注目は、佐藤摩弥選手。全国約400人のレーサーのうち、14位にランクされています!この日も最終レースに登場。一番人気にこたえ、見事1位でゴールしました。
車券は競馬の馬券同様、100円から購入可能。人生を賭けるのではなく、お遊び感覚で楽しむことができるのです。森くん(森且行選手)以外のレーサーを知らない私は、何も考えずに、まずは、愛犬の誕生日の数字の車券を購入しました……。
オートレースの賭式は、「3連単」「3連複」「2連単」「2連複」「ワイド」「単勝」「複勝」の7種類。車券の細かい説明や買い方は割愛しますが、決して難しくありません。筆者は、主に「2連複」「ワイド」を購入していましたが、森且行選手のレースだけは「単勝」を購入しました。「森且行」と名前の入った、車券が欲しかったのです(笑)。
オートレースは、600cc(新人選手のみ500cc)のバイクで着順を競うというもの。公営競技中最速のレースで最高時速は約150キロに達します。オートレースの選手といえばやはり、上述の元アイドル・森且行選手が有名ですよね。この日も10レースに出走しました(レースは基本的には1日12レース。後半に行くほどレースの重要度が増していきます)。
スタートシーンやゴールシーン、見どころは盛りだくさん
車券を購入したら、さあどこでレースを見るとしましょうか。臨場感のあるスタート地点へと行きました。迫力のあるエンジン音に圧倒されていると、「今日はナイターだからこの程度だけど、ナイターでない時はもっとすごいよ。とても会話なんてできないもの」と同行者。え、マジですか!近隣が住宅街の川口オートレース場では、ナイター開催時には、「ナイター専用消音マフラー」を使用。エンジン音が抑えられます。それは気になる!今度はナイターでない時に足を運んでみようかしら。
そんなやりとりをしているうちに、あっという間にレースはスタート。時速約150キロで目の前を駆け抜けていくのですから当たり前ですが、すごい迫力です。
ラグジュアリーに観戦できる有料席も多彩
ふと周囲を見回してみると、スタート地点だけでなく、ゴールシーンを見下ろせるスタンドや、選手が走行する高さと比較的近い位置、はたまたレース音は生で聞きながら、モニター画面でライブ中継を見る人など実にさまざま。それぞれ趣味嗜好があり、お気に入りの場所があるのだとか。せっかくなので、友人曰く「女性にも人気だよ」という有料エリアにも足を運んでみることにしました。
基本的には無料でレースを見ることができます。ガラス張りとなっている有料エリアも多種多彩。予算(1,000~5,000円)や好みに応じて選ぶことができます。
迫力あるレースを実感したいならスタンド、ゆっくり見たいときには特別観覧席と、シーンによって使い分けられるのもうれしいですね。特に女性におすすめだというのが、第1コーナー前を眼下に、迫力の攻防を眺めることができる「ホールショット」(レース用語で、スタート直後に第1コーナーにトップで進入すること)と呼ばれる観覧席。
カップルシートやスタンダードベンチシートなど複数の席種があり、グループ席で盛り上がっている人たちもいました。気の置けない仲間と、ここでお酒を飲みながらレースを見るのも楽しそうです。実際、お酒を持ち込んで、グループで楽しんでいる人もいましたよ。
エアコンもきいているし、Wi-Fiもあるし、トイレもキレイ。快適です。トイレといえば、このフロアの女性お手洗いの個室のひとつに、森選手のサインを発見!ぜひ探してみてください(笑)。
充実の飲食店も魅力。レース場でビアガーデン気分に
そろそろ喉がかわいてきました。冷たいビールで喉を潤し、少し何かつまみたいところです。縁日のように立ち並ぶ屋台をひと通り見渡し、「もりのや」のげそフライ(250円)を購入。店のおじさんが「辛子をたっぷり付けるとおいしいよ」と教えてくれました。これは、ビールにも、ハイボールにもチューハイにも合いそう!
レース場は食べ物の料金も良心的で、レースに興味がなくても、名物料理を目当てにレース場に訪れる人もいるというのも納得(笑)。今回はいただかなかったのですが、オートレース場名物の「もつ煮」は、提供する店によっても味に違いがあり、それぞれにファンがいるそうです。
この日は結局5時間ほどレース場にいたのですが、レースを見たり、飲食したり、レース場を散策したり、あっという間。日が落ち、照明に照らされるレース場も幻想的です。あー、もう少し飲んじゃおうかな。
ハンデ制度や試走、ランキング、路面温度、予想屋など、オートレースを楽しむさまざまな要素があるのですが、スペースも尽きそうなので、それはまた別の機会に。知れば知るほど深みにはまっていきそうです。
川口オートは、行きたいと思った時に、気軽に立ち寄れるアクセスの良さも魅力。なお、車券は、レース場や場外車券売場のほか、ネット投票ホームページを通して、パソコン、スマホからの購入ができます。レース場で臨場感を楽しむのも良し、ネットで車券を購入して気軽に運試しするのも良し。さまざまな楽しみ方ができるオートレース、なかなか奥が深いです!
[All photos by kelly]