フランスと日本の台所の違いは、フランスには食器洗い機が必ずといっていいほど備え付けられていることではないかと思います。逆に、フランス人に日本では食器洗い機がない家も多いと話すと、家電製品大国なのに、信じられない!と必ず驚かれます。なぜ多くのフランス人の家では、食器洗い機が備え付けられているのでしょうか。
家事時短のため
フランス人夫婦は、共働きが多く、特に子どもを抱える家庭では、いかに家事を時短するかということが大事です。そのため、フランス人ママの必需品といえば、食器洗い機。朝ご飯で使った食器を食器洗い機に入れて子どもを送って仕事へ行き、夜ご飯を食べた後に、食器洗い機を回して、1日の食器洗いが終了。1日1回ボタンを押すだけで、食器を洗うことができるので、かなりの家事時短となるのです。
キッチンのシンクが小さいため、食器洗いの際に不便
フランスで何度か引っ越ししてみて感じることは、キッチンのシンクが日本に比べて小さいということです。フランスでは、大きなアパートであっても、日本のワンルームマンションに取り付けられているような、小さいシンクということが多々あります。シンクが小さいと子どもを抱える家では、食器の量も多く、とにかく洗いにくいのです。食器洗い機があるからシンクが小さいのか、シンクが小さいから食器洗い機が必要なのかわかりませんが、食器洗い機がフランスで普及している理由がわかります。
洗い物が積んであることを好まない
フランスでは、オープンキッチンの家やアパートが少なくありません。フランスでは、物をあまりゴチャゴチャ置かないスッキリとした空間を好む人が多いので、オープンキッチンに食器が山積みという状態が嫌という人が結構います。使った食器を食器洗い機に入れておけば、わざわざ洗った食器を拭くという手間なしに、清潔な空間を保つことができるのも、食器洗い機が必需品となっている理由のひとつです。
狭いキッチンでも食器洗い機を置けるような設計
日本で食器洗い機があまり普及していない背景に、キッチンが狭いからということが理由のひとつに挙げられています。フランスでも大都市パリなどでは狭いアパートも多く、キッチンが日本に比べても大きいとはいえません。しかし、キッチン自体食器洗い機が置けるように設計されているという違いがあります。その分、日本のキッチンに比べて、収納スペースが小さいというのが特徴です。
食器は基本的に同じ種類を多数所有
1日1回食器洗い機を回すのだと、食器が足りなくなるのでは?と疑問に思いますよね。フランスでは、食器やナイフ、フォーク、スプーンは同じ種類のものを家族の人数分の倍以上は所有しています。そのため、朝使用しても、夜食器が足りないということはないのです。
食器洗い機OKな食器がほとんど
日本では、作家さんの器を集めているという人も少なくありません。和食器は食器洗い機で洗えないものもあり、食器洗い機は便利そうだけど、あまり使えないなぁという人も多いのではないでしょうか。フランスでは、和食器のような器の文化があるわけではないので、食器洗い機が使える食器がほとんどとなっています。
フランス人いわく、食器洗い機を使うことで子どもたちとの時間や自分のための時間が持てると、生活にも少しは余裕ができるようになるとのこと。フランスの食器洗い機の普及からは、家事の時間をなるべく減らして、プライベートな時間を大切に過ごすというフランス人の国民性が見えるようです。
[All photos by Shutterstock.com]
Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
日本人が意外に知らない、ヨーロッパ主要8か国の国民性とは?
Dec 30th, 2023 | 春奈
【2023年12月30日更新】漠然としたイメージはあっても、意外とヨーロッパの国ごとの国民性はあまり知られていません。一見似ているようで実は違う、個性豊かなヨーロッパ主要8か国の国民性をご紹介します。
【大学生が見た海外の“今”】研修中のカメラロール見せてください!フランス
Dec 7th, 2023 | TABIZINE編集部
TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第4回は、フランス編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のA.Kさんです!
フランス・バスク地方の伝統菓子「メゾン・アダム」「メゾン・パリエス」の素
Oct 15th, 2023 | ロザンベール葉
日本でもすっかり定着したマカロン。巷で見られるものは厳密にはパリ風マカロンと呼ばれ、フランスには素材や製法、特徴が異なるさまざまなマカロンが存在します。フランス・バスク地方、大西洋岸のサン=ジャン=ド=リュズという港町で見つけた「メゾン・アダム」のマカロン、「パリエス」のムシューと呼ばれる2品を実食ルポでご紹介します。
【機内食ルポ】エールフランス航空「関西空港~パリ」エコノミー搭乗体験をコ
Sep 1st, 2023 | ロザンベール葉
フランスを代表する航空会社「エールフランス航空」。世界500都市以上に就航し、世界有数の路線網を維持しています。ハブ空港であるパリ=シャルル・ド・ゴール空港から日本へは、成田、羽田、大阪の3都市と定期運航。そんなエールフランス航空の最新情報を、ここ十数年毎年搭乗している筆者が、搭乗・機内食ルポとともにお届けします。
【世界の病院食ルポ】フレンチなのに、機内食みたい!?2023年8月ボルド
Aug 31st, 2023 | sweetsholic
機内食にもお国柄が表れるように、入院中の食事もその国ならでは。こちらの記事では、世界の病院食にフォーカス! というわけで、今回は筆者の暮らすフランス編。ワインの銘醸地ボルドーにほど近い場所にある、リブルヌ・ロベール・ブラン総合病院の入院食をルポします。
【世界三大美術館】エルミタージュ・ルーブル・もうひとつは葛飾北斎を見られ
Mar 24th, 2023 | 坂本正敬
世界を代表するとされるものを3つ取り上げて、「世界三大〇〇」と呼ばれるさまざまなものがありますよね。そこで、どんな事物がそういわれているのか調べてみました。あなたはどれだけ知っているでしょうか? 今回は、旅の目的地にもなる世界三大美術館を紹介します。
【フランスは空前絶後の日本ブーム!】フランス人に人気の日本のお菓子ランキ
Mar 12th, 2023 | sweetsholic
味も食感も、材料さえも想像がつかない、見慣れないパッケージの輸入菓子。大人の私たちもワクワクしませんか? 同じように、私たちが見慣れている国内のお菓子も外国人の目には斬新に映るようです。そこで今回は、フランス人に人気の日本のお菓子をランキング形式でお届けしたいと思います。
【世界の立入禁止スポット人気記事ランキング】遺跡や聖地・心霊スポットまで
Jan 2nd, 2023 | TABIZINE編集部
遺跡や宗教の聖地、人が住まなくなった廃墟の街、心霊スポットなど、世界のミステリアスで美しい立入禁止スポットを紹介する連載「世界の立入禁止スポット」。これまで公開した記事の人気ランキングを発表します。
【今行ける海外2022】「フランス」の渡航条件情報・ワクチンやパスポート
Nov 5th, 2022 | TABIZINE編集部
新型コロナウイルスに関連して、海外への渡航条件や入国制限措置は刻々と変化しています。海外旅行の際は、最新情報の事前確認が必須です。世界各国・各エリアの入国に関する情報から、帰国の際の水際対策までをまとめてお届け! 今回は2022年11月時点でのフランスの情報を紹介します。
【あの国はなぜ親日国なのか?】「フランス」が欧州の中でも親日的な4つの理
Oct 24th, 2022 | アンダルシア
世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。