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圓満寺で縁結び祈願
最近、道後温泉を旅する女子の間でひそかに人気上昇中のスポットが、恋のパワースポットとして知られる圓満寺(えんまんじ)。
知らなければ見逃してしまうくらい小さなお寺ですが、仏堂にはインパクト大の「湯の大地蔵尊」が鎮座しています。1855年に道後温泉のお湯が止まってしまったとき、このお地蔵様に祈願したところ、再びお湯が湧き出るようになったことから、「湯の大地蔵」と呼ばれるようになったのだとか。
圓満寺にある恋の開運アイテムとして有名なのが、「お結び玉」。お地蔵様が左手に持っている湯玉をモチーフにしたもので、左手にのせて願いごとをすると、恋愛成就にご利益があるといわれています。
願いが込められたカラフルなお結び玉が並ぶ境内は、絶好のフォトスポット。着物を着て撮影すれば、最高に映えること間違いありません。
住所:愛媛県松山市道後湯月町4-49
電話:089-946-1774
「ぎやまんガラス美術館」でガラス細工にうっとり
道後温泉本館から徒歩3分。水と緑あふれる庭園に囲まれた「山の手マリアージュガーデン」に、女子が熱視線を注ぐスポットがあります。それが、約300点のガラス細工を展示する「ぎやまんガラス美術館」。
「ぎやまん」とは、オランダ語の「Diamant(ディアマント)」、ポルトガル語の「Diamante(ディアマンテ)」に由来し、金剛石をガラス切りに使用したことから、特にカットガラスや無色のガラス、厚みのあるガラスを指します。
道後温泉本館の象徴である振鷺閣の赤い板ガラスをはじめ、展示作品は江戸時代のぎやまん・びいどろ、明治・大正時代の和ガラスなど、貴重なものばかり。色とりどりのガラスアートで埋め尽くされた館内は宝石箱のようで、先人たちの繊細な美意識にうっとりさせられます。
庭園にも白鷺のオブジェやワインボトルの滝といった遊び心あふれるガラスアートが散りばめられており、ガラス細工と自然の調和も見どころ。
「山の手マリアージュガーデン」には、ランチやディナー、アフタヌーンティーなどが楽しめるカフェダイニングもあり、美意識を磨く優雅なひとときを過ごすのにぴったりです。
坂の上の雲ミュージアムで松山の文学にふれる
正岡子規を輩出し、夏目漱石らが小説の題材にした松山は日本有数の文学のまち。松山の文学に触れたいなら、「坂の上の雲ミュージアム」に行ってみましょう。
坂の上の雲ミュージアムはその名の通り、『坂の上の雲』をテーマにした博物館。『坂の上の雲』は、産経新聞の夕刊に1968年4月から4年半にわたって連載された司馬遼太郎の小説です。
主人公は松山出身の秋山好古・真之兄弟、正岡子規の3人。東郷平八郎、伊藤博文、小村寿太郎、セオドア・ルーズヴェルトなど国内外の著名人も数多く登場し、近代国家としての歩みをはじめた明治日本を描いています。
安藤忠雄氏設計のスタイリッシュな館内では、主人公3人の足跡や松山に点在するゆかりの場所などを紹介しているほか、毎年内容が変わる企画展も見応えがあります。
実際にストーリーを知ったうえで訪れれば感動もひとしお。松山を訪れる前に、ぜひ一度『坂の上の雲』を読んでみてはいかがでしょうか。
松山名物鍋焼きうどんにトライ
松山で一度は食べたいローカルグルメといえば、名物の鍋焼きうどん。道後で営業する「mammam(まんま)」は、確かな味で地元の人にも人気のお店です。
松山鍋焼きうどんの有名店はほかにもありますが、mammamの一番の自慢が「ダシ」。瀬戸内のいりこと、天皇にも献上される北海道・南かやべ産の真昆布を使ったダシは、無添加にこだわり、手間ひまかけて作り上げた逸品です。
鍋焼きうどんとともに、ダシを取ったいりこと昆布を甘めに煮込みかき揚げにした「まんま名物いりこと昆布のかきあげ」を食べるのが地元の人に人気のスタイル。
ほんのり甘くまろやかなダシと、なつかしい甘さの具材が調和した鍋焼きうどんは、身体に染み入るようなおいしさ。どこまでもやさしく深い味わいは、一度食べたらきっとまた食べたくなること請け合いです。
住所:愛媛県松山市道後湯之町1-39
電話:089-934-3204
旬の野菜や伊予牛を使った料理に舌鼓
松山城や「坂の上の雲ミュージアム」観光前後のランチにおすすめなのが、ロープウェー街にある「お野菜食堂 SOHSOH(ソウソウ)」。
「1グラムでも多くお野菜を」をコンセプトにした野菜料理のお店ですが、ベジタリアンというわけではなく、肉や魚をはじめとするさまざま食材と、和食に中華、イタリアン、エスニックなど多彩な調理法を掛け合わせたヘルシーな食事が楽しめます。
人気は「お野菜たっぷり玄米定食」で、週替わりのおかず5種類に、玄米ご飯と汁物が付いた定食。大きな具がごろごろと入った豚汁が付く「お野菜たっぷり玄米定食 具だくさん酒粕豚汁付き」なら、さらにボリューム満点です。
ロープウェー街でちょっぴりシックなディナーを楽しみたいなら、「チャーリーズベジタブル with プチスリーズ」へ。無農薬や減農薬にこだわった野菜を使った野菜巻きや、A4ランクの伊予牛を使ったステーキが自慢のお店です。
カウンターの目の前の鉄板で焼き上げられる伊予牛のステーキは、地元では有名な黒毛和牛1頭買いにこだわった「さがら精肉店」から仕入れたもの。とろけるように柔らかいステーキは、驚くほどジューシー。フレンチシェフが作る独自のソースとともに、口福な時間を過ごしてください。
新鮮な地元野菜を豚バラ肉で巻いた「やさい巻き」も人気のメニュー。野菜のうまみとお肉のうまみが凝縮されたおいしさが体験できます。
道後のアートなホテルにステイ
近年、道後温泉には昔ながらの温泉旅館に加え、気軽に温泉が楽しめるスタイリッシュな宿が増えています。
そのひとつが、2020年7月にオープンした「道後hakuro(ハクロ)」。「道後温泉への旅を、今よりもっと気軽に、思い思いのスタイルで楽しめるように」との思いから生まれた「宿泊特化型+α」の温泉ホテルです。
3タイプの客室はすべて洋室で、無駄を排したミニマルな空間ながら、全室にLPレコードプレーヤーを備えるなど遊び心をプラス。宿泊費も手頃で、「ちょっといいビジネスホテル」感覚で泊まることができるので、ひとり旅にも最適です。
緑をアクセントにした「Nest Lounge」はゲスト専用の共用スペースで、フリードリンクを楽しんだり、備え付けの雑誌を読んだりと思い思いのひとときを過ごすことができます。
各地から招いたアーティストによる館内アートも道後hakuroの自慢。天然温泉の大浴場では墨絵アーティスト、茂本ヒデキチ氏によるダイナミックな壁画とともに、ひと味違った温泉体験ができますよ。
レトロな三津浜を散策
松山市郊外にある三津浜は、近年注目を浴びるレトロタウン。
江戸時代に松山の外港として栄え、明治時代~大正時代の趣を感じる建物が点在する三津浜では、古民家を改装したショップやカフェが花盛り。カメラ片手に歩きたい、旬の女子旅スポットとして人気を集めています。
約500年もの歴史がある渡船「三津の渡し」は、三津浜の代名詞。三津と対岸の港山のあいだ約80メートルを結ぶ小さな船で、誰でも無料で利用でき、地元の人の足にもなっています。
周辺には小さな漁船がずらりと並び、ひなびたムードたっぷり。誰もがなつかしい気持ちになれるはずです。
近年、三津浜で急増しているのが、歴史ある建物を利用したショップやカフェ。
うつわ好きなら、県内外の12名の作家の作品を販売する「みつうつわ」は見逃せません。築100年を超える古民家を利用した店内に、手仕事の温もりが感じられる食器やアクセサリーが並びます。
特色のある個人の作家の作品を集めているので、ほかでは見つけられない、一目惚れ級のうつわに出会えるかも。
住所:愛媛県松山市住吉1-3-37
電話:080-4037-7807
個性的な4つのショップが集まる「みつのほ」の一画にあるのは、マクラメ編みアクセサリーを扱う「Rainbow Elephant(レインボーエレファント)」。天然石好きが高じてマクラメ編みに出会ったオーナーが手作りしたネックレスやブレスレット、チャームなどが並んでいます。
Rainbow Elephantでは、石選びにこだわって、石を活かした作品作りを心がけているのだそう。好みの石を使ったオーダーも受け付けています。
住所:愛媛県松山市三津2-14-23みつのほ内
まち歩きでお腹がすいたら、「三津カフェ」でランチといきましょう。明治時代に女学院の同窓会館として建てられた「白楊会館」を利用したカフェで、手前にツリーハウスが建つ外観は、ジブリの世界を思わせる不思議な光景。
緑あふれる店内は、ゆったりとした配席で思い思いの時間を過ごすことができます。
お店のイチオシは、「季節のごはんプレート」。「チキン南蛮」または「チキンと野菜の黒酢あんかけ」のメインと、月替わりの小鉢がセットになったボリュームたっぷりのメニューです。二度揚げで柔らかくジューシーなチキンと、てんさい糖でやさしく味付けした旬の味覚を楽しんで。
ワッフルやケーキなど、スイーツメニューもあるので、昼下がりの休憩にもどうぞ。
コンパクトな日程でも観光に温泉にグルメにショッピングにと、多彩な体験ができる松山・道後温泉は、「温泉に行きたいけど、温泉だけじゃ物足りない」という欲張りな願いを叶えてくれる場所。
今度のお休みは、優しい時間が流れる松山で、心と身体がよろこぶひとときを過ごしませんか。
[Photos by Haruna]