
敷地は圧巻の3000坪!国の重要文化財に指定される大邸宅

3000坪という広大な敷地に40以上の部屋、7棟の土蔵、池泉式庭園を有するお屋敷「石谷家住宅」。石谷家は元禄年間初期から大庄屋や宿場問屋、林業によって栄華を極めた旧家です。明治30年代の当主・石谷伝四郎は、実業家の傍ら政治家としても活躍しています。
江戸時代の木造家屋を大正8年から10年もの歳月をかけて改築した近代和風建造物で、平成22年には国の重要文化財として登録。江戸から昭和という長い歴史の重なりを垣間見ることができるのも魅力です。
迫力満点の梁組は必見!

主屋の入り口をくぐると高さ14mもの吹き抜けの土間が出現。内玄関として利用されていた空間で、出入り業者と家人との情報交換の場でもあったのだそう。

見上げれば、赤松の巨木と欅が織りなす大迫力の梁組。 なんとも豪壮な佇まいで、往時の繁栄ぶりがうかがえます。
匠の技と繊細な美意識がそこかしこに

接客時に使われていた数奇屋風仕様の「和室応接」。中庭を望むように濡れ縁がまわる書院座敷です。
天井板には杉の根元から作られた製材、濡れ縁には栗板、縁の天井には杉の柾目が採用。最高級の資材や職人技が光る設えにも注目したいところ。

石谷家の全景を鳥瞰した図柄が彫り込まれた欄間。繊細で緻密な細工は実にお見事!
SNSでも注目を集める風流なお座敷

インスタで話題となっているのが、江戸期の建物を継承している「江戸座敷」。
まず目を奪われるのが、“ハート型”の木枠が施された障子。思わず写真を撮りたくなるキュートなフォルムですが、実はこれ、猪の目という文様。ハートの形はイノシシの目を表していて、災いを除き、福を招く意が込められているようです。

(C)石谷家住宅
さらに江戸座敷で人気を呼んでいるのが、緑のリフレクション。凛とした日本庭園がテーブルに映り込む様は、ため息の出る美しさ!

かつての食堂は喫茶・軽食スペースに。四季折々に美しい雅な庭園を眺めながらのひとときは贅沢そのもの。
デザインを手がけたのは、民芸運動の指導者と知られる吉田璋也氏。民芸調に仕上げられたテーブルや椅子は味わい深く、趣たっぷり。石谷家の生活空間で最も使用されていた部屋であり、豪商の暮らしぶりを間近に感じられる場所ともいえるでしょう。

コーヒーは鳥取の郷土工芸品「牛ノ戸焼」のカップにて提供されます。緑と白の釉薬のコントラストが印象的。2日前までに予約すれば、カレーやお蕎麦などの軽食を味わうこともできますよ。
江戸から昭和という時代が折り重なる「石谷家住宅」。歴史に想いを馳せながら、和風建築の粋を体感してみてはいかがでしょうか。
石谷家住宅
住所:鳥取県八頭郡智頭町智頭396
電話:0858-75-3500
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:火曜日・水曜日(水曜日が祝日の場合は翌日)12月28日〜1月3日
入館料:大人 600円 高校生 500円 小・中学生 400円
URL:
https://www.ifs.or.jp
[All photos by Nao]

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Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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