【希少価値!全国の混浴温泉】湯けむりが漂う総ヒバ造りの千人風呂 酸ヶ湯温泉<青森県>

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Apr 16th, 2021

人気の温泉の中でも希少価値の高い混浴温泉。混浴温泉は古くからの名湯であることが多く、歴史や風情を味わうことができます。また、家族やパートナーと一緒に、湯に浸かりながらゆったりと会話を楽しんだり、美しい景色を眺めたり、特別な時間を満喫できるのも魅力ですね。そんな混浴温泉を紹介していきます。

青森県酸ヶ湯温泉

希少価値の高い日本の文化

混浴温泉は、実は年々減っている絶滅寸前ともいえるお風呂なのです。というのは、現行の旅館業法(平成29年12月改正)では、「共同浴室を設ける場合は、原則として男女別に分け、各1か所以上のものを有すること 」「共同浴室にあっては、おおむね10歳以上の男女を混浴させないこと」が義務付けられており、混浴が認められるのは例外の場合のみ。混浴風呂の新設は認められていないからです。今や希少価値の高い日本の文化であり、残ってきた混浴は泉質が素晴らしい名湯が多いので、これ以上減少しないことを祈りたいものです。

手負いの鹿が傷を癒やした「酸ヶ湯温泉」

青森県十和田八幡平国立公園北に位置し、300年も昔から開かれていた山の温泉宿「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」。手負いの鹿を追った狩人が、鹿が傷を癒やしている湯を発見したのが始まりといわれます。世界的に有名な版画家・棟方志功画伯や、「混浴を守る会」(平成17年発足)の永久名誉顧問・三浦敬三氏(日本スキー界の草分けで、三浦雄一郎氏の父)もこよなく愛した温泉です。

総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」

酸ヶ湯温泉 ヒバ千人風呂1

160畳もの広さの総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」には、熱の湯、冷の湯、四分六分の湯、湯滝など5つの温泉があります。入浴の仕方は、こちらを参照してください。

入浴の仕方 ご滞在のしおり 酸ヶ湯温泉
https://www.sukayu.jp/inside/bathroom.html

酸ヶ湯温泉の効能とは

酸ヶ湯温泉 ヒバ千人風呂2

酸ヶ湯温泉(青森県青森市)

名前の通り強酸性の泉質でpH値が1.8(平成24年10月調査)で、食用酢(pH2.6〜3.0程度)よりも強い酸性(pHの値が小さいほど、酸性が強い)。目に入るとしみるほどで、肌の古い角質を溶かすピーリング効果及び殺菌効果があります。硫黄の香りがたまらないというファンも多いですよ。「療養に適した温泉」(療養泉)として、効能が認定済み。

酸ヶ湯温泉の効能とは

泉質:酸性・含鉄・硫黄ーアルミニウムー硫酸塩塩化物温泉(硫化水素型)(低張性酸性高温泉)

適応症:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器疾患、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進など

女性の気持ち「混浴って大丈夫?」

現在は浴槽の女性用部分に仕切りがあり、男性から見られずに千人風呂につかれます。また湯は白濁しており、気温の低い冬は湯気で視界がききにくいです。女性専用時間の午前8時~9時(宿泊客は午後8時~9時も可能)は、気兼ねせず入浴でき安心。アクセサリーは外して入浴しないと、酸性の湯のため金属が変色するので注意。

マナーを守って、入浴を

酸ヶ湯温泉 ヒバ千人風呂3

第一条 男性入浴者は女性入浴者を好奇の目で見るべからず
第二条 女性入浴者は男性入浴者を好奇の目で見るべからず
第三条 混浴は老若男女を問わず和を尊び 大らかで豊かな入浴の姿を最高と為すべし
「混浴を守る会」(青森県酸ヶ湯) 三か条

人がいる温泉内および入浴中の他人をスマホなどで撮影するなど、もちろん禁止。犯罪行為であり、通報されます。ルールを守り、気持ち良く入浴して、混浴温泉を守りましょう。

酸ヶ湯温泉 日帰り利用・湯浴み着情報

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂(青森県青森市)

●日帰り温泉 可能 詳細はこちらでご確認ください → https://www.sukayu.jp/inside/bathing.html
●料金 大人1,000円(2021年3月26日現在)
●日帰り利用時間 7:00~18:00(最終受付17:30)
●湯浴み着販売 あり(1,100円/2021年3月26日現在)
●湯浴み着着用入浴 可能
●タオルを巻いての入浴 不可
●水着着用 不可
●女性専用時間 8:00~9:00は女性専用時間(宿泊客は20:00~21:00も可能)

住所:青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50
電話:017-738-6400
公式サイト:https://www.sukayu.jp

写真提供:公益社団法人青森県観光連盟

※記事掲載の情報は、2021年4月現在のもので、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更になる場合があります。最新情報については、必ず公式サイトで確認あるいは直接施設へお問い合わせください。

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

SHARE

  • Facebook