香川県や大阪府の総面積よりも広い市町村とは
日本一広い自治体が今回のテーマです。実際にどのくらい広いかと言えば2,177.67平方キロメートルで、香川県や大阪府の総面積よりも広いです。香川県は1,875.83平方キロメートル、大阪府は1898.47平方キロメートル。言ってしまえば、1つの自治体が1つの都道府県の広さを超えているのです。
都道府県の中で全国3番目に狭い東京都の広さも、2193.96平方キロメートルです。この日本一広い市町村は東京都に迫る広さだとも言えます。具体的には、どこの市町村がこれだけの広さを誇っているのでしょうか?ヒントは地理の教科書で「中央高地」と呼ばれる県にあります。ピンときますか?
外国人旅行者が殺到する自治体
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「中央高地」といえば本州の中央部、高い山脈が並ぶ山梨県・長野県・岐阜県を意味します。日本一広い自治体は、その中の岐阜県北部にあります。岐阜の北側は富山県です。周辺に暮らす人はピンと来るかもしれません。
答えは高山市です。岩波書店『広辞苑』によれば、
<飛騨地方の中心都市。もと江戸幕府の幕領で代官を置いた場所>(『広辞苑』より引用)
と書かれています。観光地的に言えば「飛騨の小京都」と呼ばれ、新型コロナウイルス感染症の影響が出る前は、外国人旅行者が殺到していた上三之町などのある場所です。
同じくTABIZINEでも繰り返し取り上げてきた奥飛騨温泉郷・新穂高温泉郷も高山市内にあります。
人の住める場所の広さは東京23区の半分以下
どうして、これほど高山市は広いのでしょうか?
高山市の公式ホームページによると、2005年(平成17年)の「平成の大合併」で、もともとあった(旧)高山市・生川村(にゅうかわむら)・清見村(きよみむら)・荘川村(しょうかわむら)・宮村(みやむら)・久々野町(くぐのちょう)・朝日村・高根村(たかねむら)・国府町(こくふちょう)・上宝村(かみたからむら)の1市2町7村が合併したために、これだけ巨大な自治体になったのだとか。
しかし、これだけ広くても、同市は岐阜北部の山岳地帯にある自治体です。総面積から林野や湖沼を除いた人の住める土地(可住地)は、10分の1程度で272.12平方キロメートルしかありません。
東京23区の総面積は627.6平方キロメートルですから、23区の半分にもなりません。23区で広さトップ5の大田区・世田谷区・足立区・江戸川区・練馬区を合計した数字(269.94平方キロメートル)と同じくらい。東京都全体と同じくらい広い自治体でありながら、人の住めるエリアは東京23区の半分以下という場所が高山市なのです。
言うまでもなく冬は豪雪があり、市の一部は特別豪雪地帯に指定されています。
新型コロナウイルスが終息したら飛騨高山の古いまち並みに出かけて、踏みしめる自治体の土地の広さが東京都に匹敵すると感じてみてください。高山市のスケール感が足元から伝わってくるはずです。
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[参考]
※ たかやましキッズページ 人口と面積 – 高山市
※ 面積と可住地面積比率 – 富山県
※ 岐阜県高山市
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