【実は日本が世界一】海は広いな大きいな〜、日本の海は世界で一番?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 23rd, 2021

オリンピックがいよいよ開幕を迎えます。この時期は、いつも以上に世界の国々への関心が高まりますよね。一方で世界を知るほどに日本への愛着や好意が増すきっかけにもなります。そこで日本と世界の関係を考えるひとつの材料として、意外にも日本が世界で一番の分野を紹介します。今回のテーマは海。しかも海の深さ、深海の話題です。

海に潜る人

深海の広さ(体積)は世界一

深海

日本の国土は狭いけれど、海の広さでは世界トップクラスだとどこかで聞いた覚えがありませんか?日本の総務省によれば、国土の広さは世界で60番目。海の広さ(領海と排他的経済水域の合計)は世界で6番目。

海岸線の長さも世界で6番目です。なんとあの広大なオーストラリア(7位)をおさえて、日本には長い海岸線が29,751kmも続いているのです。その長さは地球1周(40,075km)には届かないものの、地球を3分の2ほど周った距離に等しいです。

さらに、排他的経済水域内にある海の体積を考えると、世界4位になるといいます。国土は狭いものの、いざ海という発想になると極めて豊かな世界が広がる日本。しかも海の一分野に限ってみれば、日本は世界でNo.1になれるポイントもあるのだとか。

そのポイントとは、ずばり深海の広さ(体積)ですね。

日光が入ってこない真っ暗な世界

深海魚

そもそも深海とは何なのでしょうか?『広辞苑』(岩波書店)で調べると、

<海洋学では海面から2000メートル以深をいう>(『広辞苑』より引用)

とあります。もはやそのエリアは日光が入ってこない真っ暗な世界。

『小学館の図鑑NEO+もっとくらべる図鑑』(小学館)によると、深海2,000mとは世界で最も深いロシアのバイカル湖の湖底(1,741m)よりも深く、世界で最も深くまで潜るアザラシ(キタアザラシ)ですらたどり着けない深さだと書かれています。

日本が世界一の分野は同じ深海でももっと深く、水深5,000~6,000m、さらに6,000m以深の水域となります。このレベルの深海の広さ(体積)がダントツで世界一なのだとか。

水深6,000mより深い水域といえば、潜水調査船「しんかい6500」が最も深く潜った6,527mがあり、全長10cm程度のヨミノアシロという深海魚が暮らし、体長4.5cm程度のカイコウオオソコエビが世界で最も深いマリアナ海溝の底で静かに暮らしている世界です。

海溝が日本の近海にはたくさん

日本海溝

どうして日本は水深6,000m以上の水域が広い(体積が大きい)のかというと、日本海溝(最深部は8,058m)、伊豆・小笠原海溝(最深部は9,780m)などが日本の近海にはたくさんあって、その奥深くに豊かな深海の世界が広がっているからです。

今回のオリンピックでは、海外からの観戦客に出会う機会はありませんが、新型コロナウイルス感染症の影響が終息し、再び海外との交流が活発になって、ロシアだとかカナダだとか広大な国土を持つ大国の人に出会い気後れを感じたとしましょう。その際は内心、私の国は深海の広さ(体積)が世界一だと胸を張れば、その気後れもどこかに消えてなくなるかも!?

[参考]
わが国の200海里水域の体積は? – 笹川平和財団
深海に囲まれた国 日本 – 東北大学総合学術博物館

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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