
南座隣「祇園饅頭」の工場が東山に
鴨川にほど近い四条通りの祇園にある南座。年末の歌舞伎の顔見世興行で知られています。その西隣にあるのが「祇園饅頭」です。文政2年(1819年)に創業し、「祇園のお饅頭やさん」と呼ばれていたことから、屋号となったそうです。名物の「志(し)んこ」は創業当時から親しまれています。

店頭に並ぶ和菓子を作る工場が、京都市営地下鉄・東山駅からすぐの白川沿いに佇んでいます。こちらの店頭では、作りたての和菓子を買うことができるのです。平安神宮や南禅寺が徒歩圏内で、美術館や劇場のある岡崎界隈へもすぐです。

今となっては希少な風情あふれるたたずまい。作り込まれたのではなく、日々営んでいくうちに自然と育まれた味わいがにじみ出ています。いつも変わらぬ光景です。
秋には限定の栗もちがおすすめ!

秋に店の前を通り、「くりもち」の文字を見かけるとつい購入してしまいます。栗赤飯や栗蒸しようかんもあります。一つひとつ丁寧にむき、せいろで蒸したほくほくの丹波栗を使っています。こちらで作ったできたてを味わえますよ。

定番は名物の「志んこ」(にっき、白、抹茶)、シナモン風味の「にっき餅」、「六方焼(ろっぽうやき)」「お赤飯」。「おはぎ」も人気です。

春には「桜餅」、6月末には「みな月」、夏には「水ようかん」や「わらび餅」など、季節ごとに限定の和菓子は変わっていきます。でも筆者にとっては、秋の「栗もち」が最高!秋になると買いに寄りたくなるのです。
関東から京都に移り住んだ筆者は、京都のお饅頭屋さんでは秋になるとどこの店頭にも「栗もち」が並ぶのを知り、「京都の人は本当に季節と共に暮らしているのだな・・・」と感動したのです。
観光シーズンには、お店の雰囲気に引き寄せられた人が列をなしています。人が少なければチャンスです!ぜひ味わってみて下さいね。
栗もちと塩まめ餅をいただきます!

では、今年初の栗もち(200円・税込)をいただきます。小ぶりでちょうどよいサイズです。

断面を見ると、大きな丹波栗が一粒、中身の半分以上を占めています。もっちりとしたお餅は薄めで品が良く、とってもやわらかいのです。あんは、こしあんで舌触りがなめらか。そこに存在感のあるほっくりとした栗が鎮座し、三者のバランスが絶妙!

こちらは塩まめ餅(170円・税込)。たいてい栗もちと一緒に購入します。小さいので、おやつに2ついただくのがちょうどいいです。

やわらかいお餅の中には粒あんと立派な黒豆がごろごろと入っています。甘すぎず自然で素朴な味わいがクセになってしまいます。塩気がきいていて、この甘じょっぱさがたまりません!
秋に近くを通ることがあれば、ぜひ栗もちと塩まめ餅を味わってみて下さい!食べ歩きにもぴったりなサイズですよ。今となっては滅多にない風情あふれる工場で、できたてのお餅を買うのもいい気分です。
祇園饅頭 工場
住所:京都府京都市東山区三条通白川橋西入大井手町103
電話:075-771-1353
営業時間:10:00~17:30頃
定休日:木曜(変更の場合あり。祝日の場合は営業)
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ロザンベール葉
主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。
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