西京漬「蔵みそ漬」で知られる「京都一の傳」
日本で初めて開設された京都中央卸売市場と共に、昭和2年(1927年)に創業した「京都一の傳」。魚や肉の切り身を、京都の白味噌・西京味噌を基にして調合した秘伝の味噌床で漬け込んだ西京漬(さいきょうづけ)「蔵みそ漬」で知られています。創業90余年、まもなく100年を迎える老舗です。
京都の老舗から取り寄せた西京味噌に、伏見の名蔵元による本格純米酒、本樽仕込みで二年間熟成させた醤油などを練り合わせた味噌床に、最も脂がのる時期にとれた魚を二昼夜以上じっくりと漬けこんでいます。
魚の旨みを封じ込め、おいしさを最大限に引き出すその技術は、「秘伝」として永い時をかけて磨かれ、受け継がれてきました。
職人による目利きで徹底的に吟味した素材を、一つひとつ手作業で切り身にしています。添加物不使用、全ての工程で妥協をせず本物にこだわる「蔵みそ漬」。
「銀だら」をはじめ、「さわら」「キングサーモン」など、そのまろやかな甘みや、とろけるような舌触りが人気を呼び、お取り寄せでも親しまれています。
錦市場近くにある京町家の本店
(C)京都一の傳
京の台所・錦市場のすぐそばにある、黒壁がシックな「京都一の傳 本店」。風情ある京町家空間で、名物の「蔵みそ漬」を四季折々の京懐石と共にいただけます。
(C)京都一の傳
堂々と「一」と書かれた暖簾をくぐると、ショーケースには多彩な「蔵みそ漬」がズラリと並んでいます。一番人気の「銀だら」をはじめ、「さけ」「さわら」やセット商品、既に焼いてあるレンジでチンするだけの「焼き蔵みそ漬」などもあります。
(C)京都一の傳
階段を上がると、2階の食事フロアです。雰囲気のある町家空間にステンドグラスをあしらった和モダンなテーブル席。
(C)京都一の傳
アンティークのテーブルや椅子、戸棚が和の空間に調和した、クラシカルで落ち着ける空間です。
(C)京都一の傳
絵画やお花が配された、ゆったりとくつろげる座敷席もあります。
(C)京都一の傳
11種そろう京都の銘酒と共に、京懐石「【霜月】の御膳」を堪能
京情緒あふれる空間でいただけるのは、「蔵みそ漬」を中心とした月替わりの懐石料理(コース3,950円・税込、お抹茶付きコース4,250円・税込)。お昼のみの提供です。
まずは京都「一保堂茶舗」の玉露「適露(てきろ)」500円(税込)を注文。水出しの玉露は、西京焼と相性が良いそうです。お茶の渋みをほとんど感じない、まろやかな味わい。
京都の錚々たる蔵元からの日本酒を味わえる「11種の日本酒ペアリングセット」980円(税込)。料理に合うお酒11種が1杯ずつ(各20ml)。口休めにアンデスの塩が添えられています。
どの料理にどのお酒が合うか、番号入りで明記されています。京都に来たからには地元のお酒を味わいたいもの。ぜひ番号通りに試してみて下さいね。
俳優・佐々木蔵之介さんのご実家「佐々木酒造」の「聚楽第」にはじまり、伏見「澤屋まつもと」の「守破離」、伏見「齊藤酒造」の「英勲 古都千年」と、京都の名蔵元のお酒がズラリと並びます。
「【霜月】の御膳」から「季節の前菜の盛り合わせ」。「京都一の傳」の「一」の文字を模ったという一文字皿に盛りつけられています。
トロっとした舌触りがたまらない「蕎麦がき茶わん蒸し」、旬の味がマッチした「柿と秋刀魚はさみ揚げ」、「揚げ銀杏」「菊花蕪」、京都らしいお麩の料理「利休麩と人参葉の胡麻和え」。
「鰤のお造り」は「雲丹醤油」でいただきます。まさしくお酒が欲しくなる「甘えび酒盗」には、京都府南部にある「城陽酒造」のふくよかな米の旨みと酸味の調和がとれた「城陽」がよく合います。
そして、秋ならではのほくほくとした「栗茶巾」。
椀物は「蟹真丈の椀」。すまし汁は、カツオとマグロを独自に配合した秘伝のだしがよくきいています。魚のすり身に蟹の身を混ぜ込んだ真丈は、ふっくらとした口当たりで優しい味わい。
朱の華やかな器が運ばれてきました。
ふたを外すと中には「白子豆腐揚げ出汁」が。季節の味、タラの白子を葛で寄せて揚げています。揚げた白子のトロリとした舌触りと、熱々のだしとが口の中で溶け合いたまらないおいしさです!
お待ちかね!「蔵みそ焼」と土釜炊きのご飯
そして、待ってました! メインの「銀だらの『蔵みそ焼』」。ほんのりと甘みがあり、まさしくまろやかな味わい。一切れ一切れ遠火の中火にじっくりとかざし、飴色に焼きあがっています。
しっかりと脂がのりジューシーで、とろけるような舌触りがくせになりそう。パリッと焼かれた皮までおいしくいただけます。
「蔵みそ漬」に合うというお酒は、伏見の「齊藤酒造」による「英勲 古都千年」。旨味とコク、ほどよい香りと辛さとのバランスが抜群です。
実は欲張って一品ものもお願いしていました。京都に来たからには「出汁巻き卵」580円(税込)をいただきたいもの。だしがたっぷりで濃厚な味わいです。ふんわりとしてなめらかな口当たりが京都らしい一品。
こちらは「生麩田楽」680円(税込)。京都ならではの伝統的な食材、生麩4種(餅麩、蓬麩、南京麩、胡麻麩)の味噌田楽です。
田楽味噌には、西京白味噌を使用。外は香ばしく、中はもっちりとした独特の食感の生麩に、白味噌のコク、香り、甘味がよく合います。
おいしいものを堪能し、ほろ酔い気分で時間を忘れかけていた頃、「丹波産こしひかりの『土釜炊きご飯』」がやってきました!
着席してから火を入れ、西京焼を提供するタイミングに合わせて炊き上げているそうで、炊きたてほやほやをいただけます。ふっくらとしたお米がつややかに光っていますよ!
「銀だらの『蔵みそ焼』」をいただいている時に供されるので、まずは「蔵みそ焼」と共に。そして最後に「合わせ味噌椀」「京漬物」といただくと、和の味わいに心の底からほっとします。
デザートには「栗ロールケーキ」とお抹茶。和栗を使った秋らしいクリームはあっさり風味。マスカットが酸味を、木の芽が和の香りを添えています。こちらも店内で作られているそうです。
お酒をいただきながら、お昼にほどよい品数のおいしいお食事を堪能し、くつろぎのひとときを過ごさせていただきました。
1階ではお土産を購入できる!ジェイアール京都伊勢丹 B1店もオープン
帰りがけには1階の店舗でお土産を購入できます。「銀だらの『蔵みそ焼』」を気に入ってしまい、家族とも分かち合いたい!とお買い物。
もしお土産を購入せずに後悔した場合は、ご安心下さい。2021年8月、京都駅の「ジェイアール京都伊勢丹」地下1階に店舗が誕生しました。新幹線に乗る前にこちらで購入することも可能です。また、オンラインショップもあります。
https://www.ichinoden.jp/kyotoisetan/
■京都一の傳 お取り寄せページ
https://www.shop-ichinoden.jp/
(C)京都一の傳
京都を観光するなら、京都らしい落ち着いた和の空間で、本格的な和食を味わいたいですよね。そんな時に最適な「蔵みそ焼」と京懐石のランチ。コース仕立てにして良心的価格。一皿一皿丁寧に、趣向を凝らした料理を堪能できます。
住所:京都市中京区柳馬場通り錦上る十文字町435番地
電話:075-254-4070
(受付時間 10:00~18:00 ※食事専用ダイヤル)
営業時間:11:00~16:00(L.O.14:30)
定休日:水曜(祝日の場合は翌木曜、12月31日~1月4日)
URL:https://www.ichinoden.jp
お取り寄せページ:https://www.shop-ichinoden.jp/
[Photos by Yo Rosinberg]
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