コロッケ&ミンチカツで人気の老舗精肉店「豚捨(ぶたすて)」
伊勢神宮内宮の参道「おはらい町」のほぼ真ん中に広がる「おかげ横丁」。お伊勢参りブームが起こった江戸末期から明治期の伊勢路を再現したエリアです。伊勢造りという伝統建築様式が用いられた街並みは風情たっぷり。地元グルメや土産物屋も軒を連ね、多くの観光客で連日賑わいを見せています。
その一角にあるのが。明治42年創業の老舗精肉店「豚捨(ぶたすて)おかげ横丁店」です。扱うのは松阪牛のルーツともなっている黒毛和牛「伊勢肉」。伊勢近郊の契約農家で肥育された未経産の生後30カ月以上の雌牛のみを使用しているそう。
インパクトある屋号は豚を飼っていた初代・捨吉さんが精肉店を始めたことから、いつの間にか「豚捨」になったとか。なんともユニークな由来に驚き!
コロッケ目当ての行列を横目に見ながら2階へ。お座敷席はゆったり広々。外観同様にノスタルジックな趣が漂います。
「牛鍋」で伊勢肉を心ゆくまで堪能
人気の牛丼とも迷ってしまうところですが、豚捨の実力を体感するならばぜひ「牛鍋(桧)」(3,560円)を。牛鍋は通常、厨房内で火入れされて供されますが、今回は特別に生の状態を見せていただきました。
見事なまできめ細やかな霜降りの肩ロース。赤身と脂身の境界がはっきりしていて鮮度の良さが一目瞭然です。伊勢肉は契約農家から一頭買いで仕入れ、自社工場で加工まで一元管理。熟成具合も一頭ずつ見極め、ベストな状態のものを提供しているのだとか。
自家製の割下はやや甘めの関東風。火入れされてもなお肉質の繊細さがわかります。
溶き卵にくぐらせていただきましょう。驚くべきはその柔らかさ! 口に入れた瞬間にふわっとほぐれます。霜降りながらも脂感は控えめで、重たさを感じません。さらに印象的だったのが旨味の向こう側にある甘味。香りと味わいのグラデーションがなんとも魅惑的です。
豚捨の名物「しぐれ煮」の小鉢も。和牛のコクと旨味がこれでもか!というほど凝縮して、ご飯が進む進む。
ちなみにメニューには「すきやき」もあり、こちらは肉を焼いてから砂糖と醤油で仕立てるスタイルだそう。お値段は8,000円とやや高めですが、伊勢牛のおいしさを知ってしまったからには絶対に食べてみたい!
1階では伊勢肉も販売。すき焼き用の高級部位から100g486円の小間切れまで多彩なラインナップです。地方発送も可能なので、お土産にもおすすめ。
やっぱり食べたいミンチカツ
牛鍋で身も心も満たされましたが、揚げ物は別腹・・・。ということで、定番のミンチカツもいただきましょうか。揚げ物類はテイクアウトコーナーで購入可能です。
「ミンチカツ」はやや硬めの衣が特徴。ザックリの後にはジュワリとした肉汁が溢れ出します。1個160円で超美味とはコスパ最強!ですが、伊勢肉の体感度では「牛鍋」に軍配が上がるところ。あるいはどちらもいただくのが一番の得策かもしれません。絶品牛肉が主役のお伊勢参りを楽しんでみてはいかがでしょう?
豚捨 おかげ横丁店
住所:三重県伊勢市宇治中之切町52
TEL:0596-23-8802(販売)0596-23-8803(レストラン)
定休日:年中無休
営業時間:9:00〜17:30(物販)11:00〜17:30(レストラン)※季節により営業時間が変わります。
URL:
https://butasute.com
[All photos by Nao]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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